北村皆雄監督の新作ドキュメンタリー『倭文(しづり) 旅するカジの木』(5月25日(土)より全国順次公開)の予告編と場面写真が解禁となり、コムアイからのコメントも到着した。
また、北村皆雄監督の傑作選として、初期3作品を含む8作品の特集上映「聖なる俗 俗なる聖」も決定し、その予告編も解禁された。
「倭文(しづり)」とは、古の神話や伝承に登場する謎の織物のこと。聖なる力が宿るという倭文のルーツを辿るべく北村皆雄監督は、中国南部を原産とする「カジの木」のルーツを遡り、台湾、インドネシアのスラウェシ島、南太平洋パプアニューギニア、それぞれの地で受け継がれている織物が映し出される。さらに大駱駝艦を主宰する麿赤兒とコムアイらが神話を再現する重要なシーンも映し出され、衣の神秘的な始源へと誘われる。
なぜ人は衣服をまとうのか?化学繊維、ファストファッションが地球に与える影響の大きさが注目される今、あらためて”衣類”の根源とは何なのかを考えさせられる。なお、本編のナレーションはモデルの冨永愛が担当している。
コムアイ コメント
この映画は、衣類の大量生産時代に、衣の本来持つべき力を、倭文神(しづりがみ)の宿る衣を復興させようとする取り組みだと思いました。
コムアイ
北村皆雄監督傑作選 「聖なる俗 俗なる聖」
「映像民俗学」を標榜する北村は、時にフィクションとドキュメンタリーを駆使しつつ、虚実のあいだに現れる「聖と俗」をまるごと捉えようとしてきた。
最新作『倭文(しづり) 旅するカジの木』(2024)の公開を記念して北村皆雄の60年の映画制作をふりかえる傑作選を開催。デビュー以降の初期3作品を特別上映するほか、現在までの代表作5作品の合計8作品を特集上映する。
前衛的映画作家、ドキュメンタリー映画監督、テレビディレクター、冒険家、映像民俗学者と多様な顔をのぞかせる北村の眼を通して、日本とアジアの「辺縁」で、そこに生きる人間たちの生き様が、観る者に今なお鮮烈な印象を与える。
【上映作品一覧】
『アカマタの歌 海南小記序説/西表島・古見』
1973年 音楽:上地昇 語り:鈴木瑞穂
南島の村人たちの秘されたライフヒストリー
『見世物小屋~旅の芸人・人間ポンプ一座~』
1997年 出演:安田里美
姿を消した見世物一座。その芸と人生
『ほかいびと~伊那の井月~』
2011年 主演:田中泯 語り:樹木希林 音楽:一柳慧
放浪30年、山頭火が惚れた俳人の一生
『冥界婚』
2016年 出演:金石出(韓国人間文化財)
死者の霊同士を結婚させる韓国シャーマンの儀式
『チロンヌプカムイ イオマンテ』
2021年 出演:日川善次郎エカシ
キタキツネに奉るアイヌ長老の入魂の祈り
特別上映(初期3作品)
『白い影への対話』
1964年 音楽:小杉武久 美術:ハイレッドセンター、松目正毅
東京オリンピックの年に撮られた第一作
『カベールの馬 ~1966年イザイホー~』
1969年 音楽:小杉武久 語り:北林谷栄
沖縄久高島の秘祭を捉えた 初期代表作
『津軽じょんがら女考―青森―』
1976年 出演:西川洋子(津軽三味線奏者)
若き津軽三味線奏者の信仰を描くテレビ作品
『倭文(しづり) 旅するカジの木』
幻の織物〈倭文〉とはなにか?それは織物の神の名でもあるという……
―日本の神話に秘められた大きな謎を解き明かす!
監督:北村 皆雄
語り:冨永 愛
神話出演:麿 赤兒・コムアイ・大駱駝艦
倭文制作:山口 源兵衛・石川 文江・西川 はるえ・妹尾 直子
撮影:明石 太郎・戸谷 健吾・北村 皆雄・門馬 一平・Andi Arfan Sabran・小谷野 貴樹・藤田 岳夫
照明:小西 俊雄
音響・整音:斎藤 恒夫
音楽:渥美 幸裕
音楽デザイン:神 央
編集:田中 藍子・戸谷 健吾
EED:和田 修平
監督助手:髙橋 由佳
デスク:渡邉 有子・山上 亜紀
CG:山田 みどり
デザイン:杉浦 康平・新保 韻香
劇場公開進行:遠藤 協
学術協力:河野 徳吉・小林 良生・小野 林太郎・鈴木 三男・福本 繁樹・坂本 勇
DNA 鑑定:静岡大学農学部応用生命科学科 グリーン科学技術研究所 本橋令子
山梨大学総合分析実験センター 瀬川高弘
撮影協力:台湾中央研究院歴史語言研究所・台湾史前文化博物館
The National Museum and Art Gallery of Papua New Guinea
Central Sulawesi State Museum in Palu
制作:三浦 庸子
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
2024年/119分/日本/カラー/16:9/ステレオ/DCP
製作・配給: ヴィジュアルフォークロア
(c)Visual folklore Inc.
公式サイト:http://shizuri-movie.com/
X(旧Twitter):https://twitter.com/shizurimovie
2024年5月25日(土)より
渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー!
全国順次公開