ホウ・シャオシェン監督製作総指揮、台湾ドキュメンタリー映画『日常対話』予告編解禁―7月31日(土)公開

(c) Hui-Chen Huang All Rights Reserved.

巨匠ホウ・シャオシェン監督製作総指揮、2017年2月には第67回ベルリン国際映画祭パノラマ部門にてLGBTをテーマにした作品に贈られるテディ賞に輝き、同年秋にはアカデミー賞(R)外国語映画賞の台湾代表作品に選ばれた台湾ドキュメンタリー映画『日常対話』が7月31日(土)より、ポレポレ東中野にて公開される

娘である本作の監督ホアン・フイチェン(黄惠偵)が、自らが一児の母になったことをきっかけに、他人同士のように冷え切ってしまった自分の母親との関係を、同性愛者でもある母親、親せきや知り合いなど身近な人々へのインタビューや対話を通して修復しようとする過程を映像に収めた長編ドキュメンタリー映画だ。

公開された日本版ポスタービジュアルは、食卓につく母と娘を背中合わせに配した素描による本国のビジュアルに、本作のキーであるドキュメンタリーを撮るという行為が二人の関わり方にもたらした影響をコピーで表現している。
また予告編では、母親とその兄弟、娘(監督)、監督の姪の3世代を縦軸に、女性としての役割を押し付けられながらも本来の自分として生きてきた同性愛者である母親の、ありのままの姿をフィーチャーした。

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アジアで初めてとなる台湾の同性婚合法化(2019年に合法化)に向け、世論が大きく揺れていた時期に公開された本作は、2016年の金馬奨ではドキュメンタリー映画部門の観客賞を、2017年の台北映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど、高い評価を受けている
日本では第1回東京ドキュメンタリー映画祭(2018年)等で上映されたほか、映画に先立ち2015年にはNHKとの国際共同制作でテレビ向けに編集された54分の短編作品『母と私』が、「BS世界のドキュメンタリー」で放映されている。本作、テレビ版ともにホウ作品をはじめ、中華圏の名だたる映像作家に楽曲を提供しているリン・チャン(林強)が音楽を担当している。

現在ではジェンダー平等ではアジア第1位、世界第6位* を誇る台湾だが、かつては「家」を重んじる家父長制、それに伴うジェンダー不平等が当たり前の、保守的な社会だった。
娘(ホアン監督)がカメラを回しながら母親と対話を試みる背後には、男尊女卑、貧困、虐待、毒親、依存症、暴力の連鎖、マイノリティへの偏見等の個人を取り巻くキーワードが複雑に絡み合いながら、民主化とともに急速な経済発展を遂げた台湾社会に潜む問題となって映し出される。

*台湾は国連未加盟のため、国連開発計画(UNDP)が発表するジェンダー不平等指数(GII)に基づいて、2021年に台湾の最高行政機関である行政院の性別平等処が算出した結果による。

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