スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督とラグジュアリーブランドとして映画製作に初めて本格的に参入したサンローランの子会社「サンローラン プロダクション」がタッグを組み製作した短編映画『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』より、メイキングスチールと監督のコメントが解禁された。
第76回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され話題となった本作は、アルモドバル監督の短編2作目。男性社会で生きるクイア保安官たちのせつない愛を濃密に描き、西部劇では見ることができなかった新たなジャンルを生み出した。
主人公二人を演じるのは『ビフォア・サンセット』『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホークと、「マンダロリアン」「THE LAST OF US」と立て続けにヒット作に出演しているペドロ・パスカル。サンローランのクリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロが担当した色鮮やかな美しい衣装、そしてセットの隅々にまでアルモドバルの美意識を惜しみなく打ち出した、短編という枠には収まり切らない作品だ。
今回解禁されたメイキングスチールは、クリント・イーストウッド主演映画『荒野の用心棒』(1964)、『夕陽のガンマン』(1965)の撮影のために作ったスペイン・アルメニアにある町で、アルモドバル監督が直接イーサン・ホークやペドロ・パスカルに演出する姿が写し出されている。50年以上前の撮影時に建てられたセットはすっかり姿を消していたが、埃っぽさと経年の変化はこの場所に信憑性を与え、当時を彷彿させる本作のセットが完成した。
アルモドバル監督は「この二人と一緒に仕事ができたことはとてもスリリングな経験だ」とし、「私の最初の意図は、西部劇のようなジャンルでは伝統的に沈黙を守ってきた、この二人の中年男性に声を与えることだった。沈黙を破るというアイデアに惹かれたんだ。このジャンルをこよなく愛しているが、まさか自分が西部劇を撮ることになるとは思ってもみなかった。史上最も暑い夏の耐え難い気温にもかかわらず、私はこの撮影を大いに楽しんだ」と語っている。
また、伝統的でありながら、美しく斬新な衣装については「本作のすべての衣装はサンローラン(クリエイティブ・ディレクター)のアンソニー・ヴァカレロによるものだが、当時を再現するのではなく、1900年から1915年にかけての西部劇で俳優たちがどのように着こなしていたかに注目し、当時の映画からインスピレーションを得てデザインした」と明かしている。
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』は7月12日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国公開となる。鑑賞料金は一律1,000円(税込)。
ストーリー
舞台は1910年。若き日に共に雇われガンマンとして働いていた旧友の保安官ジェイクを訪ねるため、シルバは馬に乗って砂漠を横断する。メキシコ出身のシルバはしっかり者で感情的、つかみどころがないが温かい心の持ち主だ。一方アメリカ出身のジェイクは厳格な性格の持ち主で、冷淡で不可解、シルバとは正反対だった。出会ってから25年が経つ二人は酒を酌み交わし、再会を祝い愛し合うが、翌朝ジェイクは豹変する。彼はシルバがここへ来た、本来の目的を探ろうとしていた。
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』
出演:イーサン・ホーク、ペドロ・パスカル
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
製作:アグスティン・アルモドバル
エグゼキュティブ・プロデューサー:エステル・ガルシア
音楽:アルベルト・イグレシアス
撮影監督:ホセ・ルイス・アルカイネ
編集:テレザ・フォント
プロダクション・デザイナー:アンチョン・ゴメス
コスチューム・デザイン:サンローラン by アンソニー・ヴァカレロ
2023/スペイン・フランス/英語・スペイン語/31分/スコープサイズ/5.1chデジタル/カラー
協力:ラテン・ビート映画祭
配給:ハーク 配給協力:FLICKK
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公式サイト:www.hark3.com/strange
7/12(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国公開