ジョージ・クルーニー監督、ジョエル&イーサン・コーエン脚本最新作『サバ―ビコン 仮面を被った街』が、5月4日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショーとなる。
クルーニーが監督・製作・脚本、コーエン兄弟が脚本を手がけた本作は、2017年のべネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』と人気を分け合った話題作。
主演は『オーシャンズ11』シリーズなどでクルーニーと組んでいるマット・デイモン。さらに、『アリスのままで』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたジュリアン・ムーア、コーエン兄弟監督の『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』で脚光を浴びたオスカー・アイザックが出演。賞レース常連の演技派スターたちが豪華な共演を繰り広げる。
このたび、本作の公開を記念して、下記日程において一般試写会の実施が決定いたしました!皆様のご応募を心よりお待ちしております。※応募締切:4月16日(月)
『サバービコン 仮面を被った街』一般試写会50組100名様ご招待!
【日時】 4月26日(木) 18:00開場/18:30開演 (上映時間:105分)
【場所】有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1)
プレゼントは終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました!
事件は隣で起きている!
実話を盛り込んだニュータウン・クライム・サスペンス
時代は、アメリカが最も輝いていた1950年代。舞台は、郊外に開発された理想の住宅街サバービコン。6万人の白人家族が夢の生活を営むこの街に、一組の黒人家族が引っ越してきたことから騒動が始まる。彼らの受け入れをめぐり自治会は紛糾。黒人家族に対する嫌がらせはヒートアップし、やがて暴動へと発展していく。しかし、街の人々は知らなかった。本当に恐ろしい事件が、すぐそばで起きていることを……。
1950年代の郊外住宅で実際に起きた人種差別暴動をモチーフに組み入れたドラマは、理想的な家族、理想的な街、そして理想的なアメリカのメッキがはがれていく過程をスリリングに描いている。黒人一家の隣の家で発生した押し込み強盗事件。犯人のせいで母を亡くした少年ニッキーは悲しみにくれるが、やがてもっと恐ろしいことが身近で起きていることに気づく。彼の身に迫る命の危険。助けに応えてくれるのは、頼るべき父か、母代わりの伯母か、はたまた警察か?コーエン兄弟ならではのひねりのきいたプロットを、クルーニーはヒッチコックやデヴィッド・リンチばりのサスペンスのスパイスを効かせて料理。世界は見た目どおりではないことを、観客の胸に刻み付ける。
1950年代アメリカのおしゃれな郊外生活を再現
サバービコンの街の情景からスーパーマーケットの棚に並べられた缶詰にいたるまで、1950年代のアメリカを再現したヴィジュアルは本作の大きな見どころのひとつだ。主人公のロッジ一家が住む家のインテリアは、くすんだ茶色、さび色、モスグリーン、マスタード色などを配したミッドセンチュリー・スタイル。リビングルームには、当時の最新式リモコンを備えたゼニス社のテレビが置かれるなど、小道具も凝りに凝っている。
衣装デザインを手がけたのは『グランド・イリュージョン』のジェニー・イーガン。エメラルドグリーンのハイネックのニット、オフホワイトのフレアスカート、光沢のあるサーモンピンクのワンピースなど、髪をブロンドに染め変えたジュリアン・ムーアの魅力を引き立てる50’sファッションを楽しませてくれる。
1950年代の実話とコーエン兄弟のストーリーの融合
第二次大戦後10年間の間、アメリカで急増した中産階級はお手頃な住宅が立ち並ぶ閑静な郊外宅地へ流出した。マイホームを持つというアメリカン・ドリームが多くのアメリカ人にとってやっと手の届くものになったのだ。
「閑静な町には雇用もあり、そこで家族を作れるようになった。ただこれには“白人であれば”、という条件があった」と監督のジョージ・クルーニーは語る。「はたから見ると申し分のない郊外生活。ただその表面を剥がしていくと醜いものがあらわになる。それを見るのが面白い」
共同脚本のグラント・ヘスロヴは、本作の着想について次のように語る。
「ペンシルベニア州レヴィットタウンで起きた事件をベースにしたストーリーをジョージと一緒に書いていた。その背景を調べていくと『Crisis in Levittown』という1957年のドキュメンタリーに行き着いた。マイヤーズ夫妻という初のアフリカ系アメリカ人一家がレヴィットタウンへ越した時に何が起きたかを描いている」
マイヤーズ家が越してきたことに最初に気づいた郵便配達人は、町中を回って一軒一軒の家に警告。その日の夕方には500人もの近隣住民がマイヤーズ家の前庭に押しかけてきて、人種差別的な中傷を浴びせたり南部連合国旗を掲げたり、隣の家の芝生に十字架を立てて燃やしたりした。このレヴィットタウンのストーリーを練っている最中に、クルーニーはコーエン兄弟が1999年に手がけた『Suburbicon』という脚本があったことを思い出した。「不運な登場人物たちが次から次へと判断を誤っていく様を描くコメディ/スリラーで、『ファーゴ』や『バーン・アフター・リーディング』を彷彿させるものだった。ただ今回はコメディ色を少し抑えて怒りをもう少し前面に押し出したものにしたいと思っていた」とクルーニーは言う。「そこでジョージは、コーエン兄弟の書いた『Suburbicon』の舞台をレヴィットタウンの町に移し、マイヤーズ一家が越してきた一週間を描くことを思いついた」とヘスロヴは付け加える。
スターたちの挑戦
主人公のガードナー・ロッジは一見理想的なファミリーマンだが、町の暗部と関わり、収拾のつかない事態に陥る。この役を演じるにあたり、マット・デイモンは時代にあった体格を探し求めて当時の写真を研究し、体重を数ポンド増やした。「1950年代の男は現代人のように運動をしなかった。男は細身かでっぷり太っているかのどちらかだった。僕の祖父が太っている方だったので祖父に体格を似せようと思った。ちょっとした工夫だが、50年代の雰囲気が出てくる」とデイモンは言う。
一方、ガードナーの妻ローズと双子の姉マーガレットの二役を演じたジュリアン・ムーアには、双子姉妹を演じ分けるという別の挑戦があった。それぞれの役について、ムーアはこう説明する。「ローズはとびきり幸せな人ではなく、結婚にも不満がある。交通事故に遭って車椅子の生活を強いられているが、そのことで夫を責めている。かたや映画の冒頭のマーガレットはローズよりも優しく、単純な女性というイメージがある。でもローズの生活に対して密かに抱いている嫉妬が幾分かの軋轢を生み、彼女の行動を決定づける。双子は見た目が一緒だから、立ち振る舞いや人相に工夫をこらさなければならなかった」
監督のジョージ・クルーニーはムーアに双子役を演じさせるチャンスを喜んだ。「マーガレットがローズに似せようと髪の毛を金髪に染めるアイデアはジュリアンが思いついた。マーガレットという人物について多くを語っているシーンだと思う」とクルーニーは説明する。
ドラマの中盤でサバービコンに乗り込んでくる疑り深い保険調査員バド・クーパーには、オスカー・アイザックがキャスティングされた。「オスカーはここ数年驚くような演技を見せてくれている俳優の一人だ」とクルーニー。「もともとコーエン兄弟からクーパー役をオファーされていたのは私だったから、オスカーが羨ましいよ。映画をかっさらっていく美味しい役どころなんだ」
キャスティングのうえで最も難しかったのは、ガードナーとローズの息子で、たったひとりで悲劇に対処しなければならないニッキーを演じる少年をみつけることだった。クルーニーと共同脚本のグラント・ヘスロヴはオーディションで100人以上の子供たちを見たが、その結果ふたりの目に止まったのはイギリスにいる11歳のノア・ジュープだった。
「ノアのような子を見たことがない」とクルーニーは言う。「アメリカ訛りを完璧にこなす上にこちらが求めるものを漏れなく1、2テイクでこなしてくれる。私は『ER 救急救命室』に5年間出演していたので、1日2、3人の子供を相手に仕事していたけれど、ノアのような子役はいなかった。ノアはカメラの前に立つべき子だ」
ストーリー
明るい街、サバービコンへようこそ!そこはアメリカン・ドリームの街。しかし、そこに住むロッジ家の生活は、自宅に侵入した強盗により一転。一家の幼い息子、ニッキーの運命は予想もつかない方向へ・・。時を同じくして、この町に引っ越してきた黒人一家の存在が、笑顔溢れるニュータウンの住人たちのドス黒い一面をあぶりだす。街の人々と家族の正体にただ一人、気がつくニッキー。事件は、想像を超える結末へと急展開する!果たして、幼いニッキーの運命は?サバービコンの行く末は!?
作品タイトル:『サバービコン 仮面を被った街』
出演:マット・デイモン、ジュリアン・ムーア、オスカー・アイザック
監督:ジョージ・クルーニー
脚本:ジョエル&イーサン・コーエン、ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ
2017年/アメリカ/105分/カラー/ドルビー・デジタル/2.35:1/字幕翻訳:野崎文子/映倫G/原題:Suburbicon/
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト:suburbicon.jp
コピーライト:(c) 2017 SUBURBICON BLACK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
5月4日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー