筒井康隆の小説を、長塚京三主演で吉田大八監督が映画化した『敵』(2025年1月17日(金)公開)のポスタービジュアルと予告映像が解禁された。
2013年公開の『ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~』以来、本作が12年ぶりの主演映画となる長塚が演じるのは、元大学教授・渡辺儀助。人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現する。
清楚にして妖艶な魅力をもつ大学の教え子には瀧内公美、亡くなってなお儀助の心を支配する妻役には黒沢あすか、バーで出会い儀助を翻弄する謎めいた大学生には河合優実。そのほか松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。
今回解禁されたのは、長塚演じる元大学教授の儀助が、整然とした家の中で佇んでいる、モノクロのポスタービジュアル。真剣な表情と恍惚とした表情をみせる儀助の姿が重なっており、「私 そんな先生が みたかったんです」というコピーが添えられている。劇中では、亡くなった妻・信子(黒沢あすか)や大学の教え子の鷹司靖子(瀧内公美)、バーで出会う謎めいた大学生・菅井歩美(河合優実)が登場するが、果たしてこのコピーは誰による言葉なのか、またその意味とは。
あわせて解禁された予告編では、妻に先立たれて20年間、ひとり余生を過ごす儀助の様子が映し出される。自ら米を研ぎ、魚を焼き、食事する。掃除をして買い出しに行き、自由で堅実な生活を送りながら「残高に見合わない長生きは悲惨だから」と話し、自ら定めたXデー(来たるべき日)に向けて淡々と人生を生きる。そんな儀助のもとに、ある日突然、“敵”が訪れる。不穏な音楽と共に映し出される、儀助の周囲の人々や亡くなったはずの妻・信子、そして皆が口々に言う “敵”。逃げ惑う儀助、そして繰り広げられる激しい銃撃戦。果たして、穏やかな日常や現実を脅かす“敵”とは。
小説「虚人たち」で泉鏡花文学賞、「夢の木坂分岐点」で谷崎潤一郎賞、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞を受賞するなど受賞歴多数、「時をかける少女」等でも知られる原作者の筒井は、本作の映画化にあたり「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と称賛。吉田監督は「自分自身、この先こういう映画は二度とつくれないと確信できるような映画になりました」と自身の新境地を見せる。
そんな本作は、第37回東京国際映画祭(会期:10月28日~11月6日)コンペティション部門の正式出品が決定し、本映画祭でワールドプレミア上映を迎える。さらに、11月に行われる台北金馬映画祭の「Windows On Asia部門」にも選出され、吉田監督の参加が決定している。
また、ムビチケ前売券(オンライン)は10月25日(金)に発売される。
ストーリー
渡辺儀助、77歳。
大学教授の職を辞して10年―妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、多くの友人たちとは疎遠になったが、気の置けない僅かな友人と酒を飲み交わし、時には教え子を招いてディナーを振る舞う。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。だがそんなある日、書斎のiMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。
『敵』
出演:長塚京三 瀧内公美 河合優実 黒沢あすか 中島歩 カトウシンスケ 髙畑遊 二瓶鮫一 髙橋洋 唯野未歩子 戸田昌宏 松永大輔 松尾諭 松尾貴史
脚本・監督:吉田大八
原作:筒井康隆『敵』(新潮文庫刊)
企画・製作:ギークピクチュアズ
制作プロダクション:ギークサイト
製作:「敵」製作委員会
配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ
(c)1998 筒井康隆/新潮社 (c)2023 TEKINOMIKATA
公式サイト:https://happinet-phantom.com/teki
公式X:https://x.com/teki_movie
2025年1月17日(金) テアトル新宿ほか全国公開
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