10月4日(金)よりアップリンク吉祥寺・渋谷ほかにて公開となる空族・富田克也最新作『典座 -TENZO-』の公開に先駆け、このたび、本編冒頭3分動画と共に、ダライ・ラマ14世からのコメントが解禁された。※コメントは本ページ中段に記載しています
10年前、本山での修行を共にした兄弟子の隆行(リュウギョウ)と弟弟子の智賢(チケン)は福島と山梨のそれぞれのお寺に戻った。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。
一方の兄弟子・隆行は福島県沿岸部にあったかつてのお寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまい、今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住みながら本堂再建を諦めきれずにいた――。
この度、解禁された冒頭映像には、曹洞宗の大本山、永平寺に向かう傘を被った僧侶の一団から始まっている。雪が積もり、凍てつくような寒さが映像からも感じ取れる、福井県にある永平寺。ここには僧侶になる為の修行をすべく、全国から若い僧侶たちが修行にやってくる。
この映画の主人公、智賢もそうだった。
「寺に、跡継ぎとして生まれた私は、10年前に本山の山門をくぐった」とナレーションが入り、極寒の中で廊下を裸足で床拭きする姿、木の棒を持った僧侶が立つ傍でで、坐禅に励む姿などが描かれている。しかし、その映像に被さる形で、曹洞宗の高僧、青山俊董が語る言葉が印象的だ。
「禅と一言で言っても、悟ることをだけ目的とするのは狭い意味の禅である」と語る。「道元様の修行観は二十四時間体制。時と事を限らない」。
本作のタイトルでもある「典座」は、道元禅師が遺した「典座教訓」から採られているが、それは台所のお当番の心得を書き記したもの。その他、食べる方に回った時の心構え、顔の洗い方から、お手洗いでの用の足し方など、すべてが修行であると道元様は仰っていると青山老師は述べる。
本作は、その10年後に自分の寺に戻った山梨の智賢、そして福島の隆行のフィクションパートに加えて、青山老師と智賢との「禅問答」のような対話がドキュメンタリーとして映画の随所に挿入されているが、その老師によるお言葉も映画の大きな魅力のひとつだ。
加えて、この映画にいたく感銘を受けたダライ・ラマ14世が、日本公開の初日に緊急メッセージを寄せてくれた。本作が、3.11後の現代日本における人間、自然、そして社会のつながりについて描いていること。加えて、修行のみならず、社会に貢献しようとしている僧侶の姿に胸を打たれたと語っている。
ダライ・ラマ14世も絶賛する『典座-TENZO-』は本日公開。
ダライ・ラマ14世 コメント
この映画は、2011年の東日本大震災とその後の福島の惨事を背景にし、人間、自然、そして社会のつながりについて描いています。加えて、日本の僧侶たちが社会に貢献する様も同時に映し出されています。
私は、仏教の僧侶や尼僧たちが、宗教的な探求のみならず社会的な活動により関わることを、常に支持してきました。
宗教とは「人々の幸福のための奉仕である」というこの映画のメッセージが、世の中により広く知られることを願っています。―ダライ・ラマ14世
作品タイトル:『典座 -TENZO-』
出演:河口智賢、近藤真弘、倉島隆行/青山俊董
監督:富田克也/脚本:相澤虎之助、富田克也/プロデューサー:倉島隆行/アソシエイトプロデューサー:小山内照太郎、大野敦子、筒井龍平/撮影・照明:スタジオ石/録音・整音:山﨑巌/編集:富田克也、古屋卓麿/音楽:右左口竹の会、Suri Yamuhi And The Babylon Band、NORIKIYO
題字:藤田喜彦/デザイン:今村寛/ウェブ・デザイン:山田俊哉/スチール:山口貴裕/VFX:定岡雅人
宣伝:岩井秀世/配給:空族/製作:全国曹洞宗青年会
2019年/62分/DCP/ビスタ/5.1ch
公式サイト:http://sousei.gr.jp/tenzo/
コピーライト:(C)空族
10月4日(金)よりアップリンク吉祥寺・渋谷にて公開!以降全国順次
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