映画『ブルータリスト』(2月21日(金)公開)より本編映像が公開された。あわせて、215分という上映時間、そしてインターミッション(休憩)必須という上映形式に込めた監督のメッセージも公開された。
才能にあふれるハンガリー系ユダヤ人建築家のラースロー・トート(エイドリアン・ブロディ)は、第二次世界大戦下のホロコーストから生き延びたものの、妻エルジェーベト(フェリシティ・ジョーンズ)、姪ジョーフィア(ラフィー・キャシディ)と強制的に引き離されてしまう。家族と新しい生活を始めるためにアメリカ・ペンシルベニアへと移住したラースローは、そこで裕福で著名な実業家ハリソン(ガイ・ピアース)と出会う。建築家ラースロー・トートのハンガリーでの輝かしい実績を知ったハリソンは、ラースローの才能を認め、彼の家族の早期アメリカ移住と引き換えに、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築をラースローへ依頼した。しかし、母国とは文化もルールも異なるアメリカでの設計作業には多くの障害が立ちはだかる。ラースローが希望を抱いたアメリカンドリームとはうらはらに、彼を待ち受けたのは大きな困難と代償だったのだ――。
『ブルータリスト』の上映時間は215分。映画の構成を全3章とし、第1章100分・第2章100分に分ける2部上映、しかも第1章と第2章の合間にインターミッション15分(=休憩時間)が設けられている。
これを仕掛けたのは本作で長編3作目となる若き才能36歳のブラディ・コーベット監督。この上映形式にこだわった理由についてコーベット監督は「『ブルータリスト』は小説のような内容で、観客が時の流れを感じるという事が重要だと思いました。編集しているとき、皆がそれを強く意識していました」と言う。そして「特に作品の長さというのが非常に重要だとも感じていました。というのは、最終的に映画の終わりに到達したときに感情的なカタルシスを感じることができると思ったからです」とコメント。
そして「少し以前、映画の観客というのは、もっと忍耐力があったと思うのです。じっくりと時間をかけて映画を楽しんでいました。ところが現在は興味深い事に、人はテレビドラマを一気見するような傾向が広がりました。できるだけ早く結末が知りたいというような・・・」「ですが逆にこのストリーミングから出た現象に唯一の長所があるとすれば、多くが長い時間をかけてドラマを経験するようになったという点かもしれません」と苦笑。
だが本作は「そういった一気見ドラマに比べればずっと短い。前半100分+インターミッション15分+後半100分だから。その時間内で映画は、ある1人の建築家の30年以上の年月を追う」「(この形式にこだわることで)その長い歳月を感じてもらう事は、僕にとってとても重要なことだったのです」と想いを明かす。
同時に解禁された本編映像は、ある出来事をきっかけに出会った、建築家ラースローと実業家ハリソンの<新しい運命への旅路>のスタート地点を捉えたもの。2人はハリソンが所有する広大な敷地に立ち、「この出会いは偶然ではない」というハリソンの力強い言葉によって、ラースローが新天地アメリカで次なるステージへと踏み出していくシーンとなっている。
公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/the-brutalist/
2025年2月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開