ひとりの男をめぐる女たちの奇妙な共犯関係。女の愛と欲望を、美しくも壮絶に描き出すフィリップ・ガレルの最新作『つかのまの愛人』が8月18日(土)から8月31日(金)までシネマヴェーラ渋谷にて限定公開されることが決定した。
本作品は、レナート・ベルタ(撮影)、ジャン=クロード・カリエール(共同脚本)、ジャン=ルイ・オベール(音楽)といったフランス映画界を牽引してきた名匠たちと、ガレルが教鞭をとる国立高等演劇学校の教え子だったルイーズ・シュヴィヨット、ガレルの実の娘エステール・ガレルといった新鋭の俳優たちがともにつくりだした、ガレル監督の新境地ともいえる作品。本作公開に合わせ、公開劇場であるシネマヴェーラ渋谷では、絡みあう恋愛の連立方程式を学ぶ2週間として特集上映「愛の力学 彼と彼女と彼 あるいは彼女と彼と彼女」も開催される。
『ギターはもう聞こえない』(1991)『恋人たちの失われた革命』(2005)でヴェネチア国際映画足銀獅子賞を受賞し、1960年代から現在まで途切れることなく意欲的な作品を発表し続けるフランスの名匠フィリップ・ガレル。本作は、ガレル監督の最新作にして、『ジェラシー』(2013)『パリ、恋人たちの影』(2015)に続く新たな愛の三部作完結編とも言える作品。
モノクロームの静謐な映像のなかで紡がれるのは、哲学教師の男と若い恋人、そして男の娘との奇妙な三角関係の顛末。若い女たちの欲望や嫉妬、生への執着がまざまざと映し出される本作。愛という根源的なテーマをもとにしながらも、これまでにない女性描写が見る者を驚かせる。
ストーリー
大学の教え子アリアンヌと同棲している哲学教師のジルのもとに、ある日恋人にふられ自暴自棄になった娘ジャンヌが訪れ、3人の共同生活が始まる。同い年のジャンヌとアリエンヌは、愛について、性欲について、ジルには言えない秘密を打ち明け合う。女たちの間に生まれる、共犯関係にも似た奇妙な絆。だが、父として、恋人として、それぞれの愛をジルに求めるふたりの間には、やがて友情だけではない感情が芽生え出す…。
作品タイトル:『つかのまの愛人』
出演:エリック・カラヴァカ、エステール・ガレル、ルイーズ・シュヴィヨット
監督:フィリップ・ガレル
脚本:ジャン=クロード・カリエール、フィリップ・ガレル、キャロリーヌ・ドリュアス=ガレル、アルレット・ラングマン
撮影:レナート・ベルタ
編集:フランソワ・ジュディジェ
音楽:ジャン=ルイ・オベール
フランス|2017年|76分|モノクロ|原題:L’Amant d’un jour
配給:コピアポア・フィルム
公式サイト:tsukanomano.com
コピーライト:(c)2016 Guy Ferrandis / SBS Productions
8月18日(土)~8月31日(金)シネマヴェーラ渋谷にて限定ロードショー