『海辺の彼女たち』第21回ニッポン・コネクション「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」受賞!コメント到着 ―公開中

海辺の彼女たち

現在ポレポレ東中野ほか全国公開中の藤元明緒監督『海辺の彼女たち』が、第21回ニッポン・コネクションにて「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」を受賞した。

第21回ドイツ日本映画祭「ニッポンコネクション」は、2021年6月1日~6日までオンラインで開催され、長編・短編あわせて80本以上の日本映画をビデオ・オン・デマンドで上映。『海辺の彼女たち』が出品された「ニッポン・ヴィジョンズ部門」では、才能ある若手監督や実験的アプローチの作品など、短編を含む多種多様な17作品がノミネートされ、そのなかから日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の後援による「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」が選出された。
藤元監督が本映画祭に参加するのは、前作『僕の帰る場所』に続き、2回目となる。

6月6日(日)日本時間23時よりオンライン上で行われた授賞式には、藤元明緒監督と渡邉一孝プロデューサーが参加。審査員一同による受賞理由と、藤元監督による受賞コメントは下記の通り。

なお、緊急事態宣言下の5月1日に初日を迎えたポレポレ東中野では、感染対策を講じながら、初日から16日間連日チケットが完売、すでに1ヶ月経った現在も土日の回については完売となる盛況ぶりが続き、あらためて7月9日(金)までのロングラン上映が決定している。(7/10以降の上映については未定)

コメント(敬称略)

時に搾取される技能実習生という題材を背景に、ドキュメンタリーの技術を駆使して、登場人物の時間を追体験するように捉え、映画的で美しい風景と役者たちの素晴らしい演技、また登場人物たちへの共感と繊細さを持ちあわせていました。
この賞が、監督を激励し、今回のように社会にとって重要な題材を捉えた作品作りにつながることを願っています。
―ニッポン・コネクション ニッポン・ヴィジョンズ部門 審査員一同

ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞をいただき、ありがとうございます。こういった賞をいただくことによって、映画への注目が高まれば、僕らが撮った題材である外国人労働者の方々への関心もさらに高まるのではないかと思っています。今後も、日本において外国人の方々がどのように暮らしているか、日常から生み出されるドラマを、引き続き作っていきたいと考えています。もう一つ、東南アジアにおけるかつての戦争体験の声というのは日本に住んでいるとなかなか届かないと思うので、そうした戦争についての物語も、これから映画で表現していきたいと思っています。
3回目こそはかならずドイツに行くので、楽しみにしていてください。今日はありがとうございました。
――藤元明緒(映画監督)

★映画祭出品・受賞
第68回 サンセバスチャン国際映画祭 新人監督部門 出品
第33回 東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門 出品
第42回 カイロ国際映画祭 インターナショナル・パノラマ部門 ヒューマントラフィッキング作品賞 受賞
第38回 ファジル国際映画祭 イースタンビスタ 部門 出品
第21回 ニッポン・コネクション ニッポン・ヴィジョンズ部門 ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞 受賞
第24回 上海国際映画祭 VIVA LA FESTIVAL部門 出品 ※6/11~20開催
第3回 平昌国際平和映画祭 インターナショナルコンペティション部門 出品 ※6/17~ 22開催

海辺の彼女たち

外国人労働者たちの実話をもとに描く圧巻のリアリズム

より良い生活を求めて来日した3人のベトナム人女性たちを主人公に、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描いた物語。藤元監督は、前作『僕の帰る場所』で在日ミャンマー人の移民問題と家族の愛を描き、東京国際映画祭「アジアの未来部門」グランプリを受賞。本作でも在日外国人労働者へと目を向け、実際の技能実習生や来日後に失踪した当事者、彼らを支援しているシェルター等での入念な取材を基に、藤元監督が脚本を執筆した。

ストーリー
ベトナムから来た3人の女性たち、アン、ニュー、フォン。彼女たちは日本で技能実習生として3ヶ月間働いていたが、ある夜、過酷な職場からの脱走を図った。ブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。不法就労という状況に怯えながらも、故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始めたが……。より良い生活を求めて来日したベトナム人女性たちを主人公に、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描く。

作品タイトル:『海辺の彼女たち』
出演:ホアン・フォン、フィン・トゥエ・アン、クィン・ニュー 他
脚本・監督・編集:藤元明緒
撮影監督:岸建太朗 / 音響:弥栄裕樹 / 録音:keefar / フォーカス:小菅雄貴 / 助監督・制作:島田雄史 / 演出補:香月綾 / DIT:田中健太 / カラリスト:星子駿光 / アソシエイトプロデューサー:キタガワユウキ / プロデューサー:渡邉一孝、ジョシュ・レビィ、ヌエン・ル・ハン
協賛:坂和総合法律事務所、株式会社ビヨンドスタンダード、長崎大学多文化社会学部
協力:外ヶ浜町、平舘観光協会、日越ともいき支援会、日本ミャンマーメディア文化協会
後援:国際機関日本アセアンセンター
2020/日本=ベトナム/88分/カラー/5.1ch/1:1.85/ベトナム語・日本語/ドラマ/DCP
共同制作会社:ever rolling films
企画・製作・配給:株式会社E.x.N

公式サイト:http://umikano.com/
コピーライト:(c)2020 E.x.N K.K. / ever rolling films

ポレポレ東中野ほか全国順次公開中

関連記事:
【レポート】『海辺の彼女たち』日本外国特派員協会にて記者会見開催!日本で「移民」映画を撮ることについて語る
藤元明緒監督『海辺の彼女たち』池松壮亮、小田香、伊藤詩織らよりコメント到着!スペシャルコメント予告映像解禁
藤元明緒監督のデビュー作『僕の帰る場所』ミャンマー支援チャリティー上映決定!『海辺の彼女たち』公開記念企画
在日ベトナム人女性の覚悟と生き様を圧巻のリアリズムで描く『海辺の彼女たち』5月1日公開決定!予告編解禁

目次