『バニシング:未解決事件』ドゥニ・デルクール監督インタビュー解禁!「『チェイサー』『殺人の追憶』に影響を受けた」

バニシング:未解決事件

ドゥニ・デルクール監督最新作、オルガ・キュリレンコ×ユ・ヨンソク共演『バニシング:未解決事件』(5月13日(金)公開)より監督インタビュー&新場面写真が解禁された。

Netflixオリジナルシリーズ「賢い医師生活」『ニューイヤー・ブルース』『スティール・レイン』など話題作への出演が続く、韓国で最も旬な俳優ユ・ヨンソクと、『007/慰めの報酬』『オブリビオン』他、世界で活躍するオルガ・キュリレンコの共演作。ユ・ヨンソクはソウルの刑事ジノを、オルガ・キュリレンコはフランス出身の世界的な法医学者アリスを演じる。変死体の身元特定から、やがて2人は背後に臓器売買が関わっていることを突き止める…。

バニシング:未解決事件
バニシング:未解決事件

経験豊かな国際的スタッフと共に、ソウルが舞台となるオール韓国ロケ作品を作り上げたのは、『譜めくりの女』のドゥニ・デルクール監督。この度解禁されたインタビューで、『ミナリ』に続くグローバルプロジェクトとしても注目を集める本作の見どころについて語ってくれた。

<ドゥニ・デルクール監督インタビュー>

バニシング:未解決事件
ドゥニ・デルクール監督

Q.前代未聞の事件解決に挑む刑事と法医学者のタッグが魅力的でした。作品制作のきっかけと演出意図を教えてください。

A.事件とその解決だけを目的とするのではなく、様々な人物のストーリーまで盛り込んだ緊張感溢れる映画を作りたいと思いました。それに臓器売買という設定にも興味がありました。映画の持つサスペンス性を高めるために、各登場人物の動機をよく表現することに重点を置き、ストーリーを作り上げました。

Q.韓国オールロケーションで撮影された作品ですが、韓国の俳優陣やスタッフとともに現地での撮影はいかがでしたか。

A.韓国コンテンツが世界的に大きな反響を呼んでいる今、韓国での作品制作は、機会があればぜひ挑戦したいと考える監督が多いのではないでしょうか。今回のプロジェクトを通じて私の夢も叶ったと思っています。韓国は、制作陣はもちろん、観客も映画に対する目が肥えており、より高いレベルで人々に感嘆をもたらす作品制作が可能な場所だと思います。

Q.韓国での映画監督の地位は絶対だと言いますが、実際にはどうでしたか?

A.監督はまさしく神のごとく崇められる存在です。撮影チームはどんな小さな事柄に関しても、私のゴーサイン無しには何もしようとせず、最初は難しさを感じました。韓国では俳優もまた深く尊敬されていて、人気俳優ともなればなおさらです。私は彼らにも大いに自由を与えました。私がスター俳優たちを自由にさせ、彼らのアイデアを積極的に取り入れる姿勢を見せると、すぐにチーム全体が自分たちも同じようにすべきだということを理解してくれました。

Q.どんな韓国映画に影響を受けましたか?

A.韓国の警察に関して言えば、ナ・ホンジン監督の『チェイサー』、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』から影響を受けました。『チェイサー』は、スリラーというジャンルのイメージを持ちながらも韓国ならではの空間、例えばソウルの地下室などを把握する上で非常に参考になりました。『殺人の追憶』は、刑事を一般的な通念とは違って皮肉に描いた点がとても気に入り、参考にしました。効率を追い求めるばかりではなく、少し抜け感があり、威圧的でないジノのキャラクターを描く上でのヒントとなったと思います。

Q.ユ・ヨンソクは英語を使った演技に挑戦していました。彼との仕事はいかがでしたか。

A.ユ・ヨンソクはジノを完璧に表現してくれました。彼とはジノというキャラクターについて色々と意見を交わしましたがが、絶えず独自のアイデアや意見を出してくれました。とても賢く信頼できる俳優だと感じました。

Q.韓国の俳優たちにはかなりの自由を与えたとのことですが、アリス役のオルガ・キュリレンコに対してはいかがでしたか?

A.世界中で多くの映画に出演してきたオルガは高い適応力を誇る俳優です。シナリオを読んで「絶対に演じてみたかった役だ」と快諾してもらったのですが、手術シーンに必要なあらゆるジェスチャーを徹底的に練習し、現場に入りました。劇中の全シーンを自ら演じています。アリス本来の役割を果たしてくれました。

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