アメリカ人ジャーナリストと日本人牧師の絆を描く『WHAT DIVIDES US』(原題)日米共同制作決定

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日米共同制作劇映画『WHAT DIVIDES US』(原題)の制作が決定した。

本作は、敵だった国の二人の男の間に生まれた思いがけない絆、悲劇とそれを乗り越える力、そして愛を描いた物語。国の壁を超えて深い友情を築いたアメリカ人ジャーナリストのジョン・ハーシーと広島の谷本清牧師が、原爆の真実を暴こうと決意する人間ドラマだ。

アメリカ政府や軍が、広島・長崎の惨禍を秘匿する中、ジョン・ハーシーは大きなリスクを冒して広島に取材に入り、被爆者の声を世界に伝えようとした。軍部からの圧力の中、ニューヨーカー誌はその存続をかけて1946年8月「Hiroshima」を掲載。原爆投下後の日本を詳細に描いたルポで広島の核兵器による惨禍を初めて知った世界は驚愕し、戦後の核兵器に対する人々の考え方に大きな影響を及ぼした。「Hiroshima」の舞台裏にはひとりの日本人、谷本清牧師の知られざる協力があった。

本作は、ジョン・ハーシーの「Hiroshima」を題材にした初の劇映画であると同時に、谷本清牧師の未発表の回想録にインスピレーションを受け、日本人の視点からも原爆の真実に迫る。厳しい情報統制下でジョン・ハーシーと谷本清牧師の二人が魂を削るような絶望の中、想像を絶する破壊を暴くために命をかけて伝えようとしたものは何か。原爆が人間に何をもたらしたのかを描いていく。

プロデューサー陣はアメリカから、ジョン・ハーシーの孫で「Hiroshima」がテーマのドキュメンタリー『Hiroshima Revealed』で知られるアーティスト・映画プロデューサーのキャノン・ハーシー、『ハワーズエンド』『日の名残り』『ツリー・オブ・ライフ』などを手掛けた映画プロデューサーのドナルド・ローゼンフェルド、LAを拠点とする映画・テレビプロデューサー・セールスエグゼクティブで、『エフィー・グレイ』などで知られるロビン・ローゼンフェルド。日本からは、元NHKで「龍馬伝」「エール」「37セカンズ」「太陽の子」で受賞歴多数のプロデューサー土屋勝裕、NYのドキュメンタリー・映画プロデューサーで、ピーボディ賞を受賞している西前拓。

脚本はテレンス・マリック監督「名もなき生涯」で知られるエリザベス・ベントリー。そして、エグゼクティブプロデューサーとして谷本家の近藤紘子さん(8ヶ月で被爆し「Hiroshima」にも登場)、谷本建さん、谷本純さん、谷本信さん、河本加奈枝さんが参画する。

なお、本作は2025年にアメリカと日本で撮影され、その後世界で公開となる予定。また、キャノン・ハーシーと近藤紘子さんは8月1日に広島市政記者クラブで制作発表記者会見を、8月2日に松井広島市長と懇談し、映画についての意見交換を行う予定だ。

ジョン・ハーシー John Hersey
(1914~1993)

宣教師の両親のもと中国・天津生まれ、第二次大戦中「タイム・ライフ」誌の特派員として太平洋戦線、中国から報道。1944年「アダノの鐘」でピューリッツァー賞受賞。1946年厳しい情報統制下広島に赴き「Hiroshima」をThe New Yorker誌に発表。世界的な反響を呼び今もロングセラーとなっている「Hiroshima」はNY大学ジャーナリズム学部が主催する協議会で20世紀のアメリカジャーナリズムTop100の第一位に選出。長らく「Hiroshima」について公の場で語ることはなかったが、1985年広島を再訪し「ヒロシマ・その後」を著す。

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ジョン・ハーシー
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谷本 清 Kiyoshi Tanimoto
(1909~1986)

香川県出身。関西学院大学神学部を卒業後1940年に渡米しエモリー大学大学院を修了。1943年に広島流川教会の牧師に就任。1946年広島に来たジョン・ハーシーと奇跡的に出会い、広島の原爆投下直後の様子、人々の苦悩を克明に伝え、ジョン・ハーシーが被爆の実相を世界に伝える礎となった。生涯を通して被爆者の支援に尽力し「ノー・モア・ヒロシマ」を唱え、被爆した孤児たちの救済活動や「原爆乙女」をアメリカで治療する活動も行った。1985年ジョン・ハーシーと再会を果たし「ヒロシマ・その後」の執筆に協力。

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谷本清牧師
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2025年にアメリカと日本で撮影、その後世界公開予定

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