『薄氷の殺人』でベルリン国際映画祭金熊賞、銀熊賞(男優賞)をW受賞した中国の気鋭監督ディアオ・イーナンの5年ぶりとなる待望の新作『鵞鳥湖(がちょうこ)の夜』に出演している女優グイ・ルンメイより日本のファンへ向けてメッセージが到着した。
第72回カンヌ国際映画祭でポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』と並び、アジア発の衝撃をカンヌにもたらして絶賛を博し、さらに、先日発表された、世界中のアジア映画プロモーション最大の協会であるNETPACが発表した、アジア映画批評家協会賞(Asian Film Critics Association Awards)では、ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』や、ワン・シャオシュアイ『在りし日の歌』らを抑えて、最優秀監督賞を受賞した。
主人公チョウにジャッキー・チェンと共演した歴史大作『1911』のフー・ゴー。そして『薄氷の殺人』で主演を務めたグイ・ルンメイとリャオ・ファンが再共演を果たした。
メッセージでは日本で初めて公開された初主演作『藍色夏恋』公開時、日本のファンにあたたかく迎え入れられた感謝を伝えながら、約20年という時を経て、全く異なる役柄を演じた自身の成長を観てほしいと語った。
またコロナ禍の日本へ向けて「一刻も早く平穏な時が訪れることを願っています。劇場へ行く際はマスクを着用のうえ、映画を存分に楽しんでださい。」とメッセージを送った。
魅惑的な闇と色彩が渦巻く鮮烈なヴィジュアルで現代中国の暗部をえぐる中国の知られざるアンダーグランドの犯罪や社会の底辺で生きる人間たちの現実をあぶり出し、異例の大ヒットを飛ばした本作。1940年~50年のハリウッドのフィルムノワールに精通し、シャープでモダンな独自の感性を持ち合わせたディアオ・イーナン監督の革新的な演出スタイルに驚嘆せずにいられない。
孤独なアウトサイダーである主人公の男女、警察の捜索チーム、バイク窃盗団のギャングの行動が交錯していくストーリー展開は、フラッシュバックを導入した幻惑的な語り口、湖や雨などの水をフィーチャーしたロケーション、ダイナミックで切れ味鋭いアクション・シークエンスと相まり、とてつもなく濃密なサスペンス、エモーションを創出している。
ストーリー
2012年、中国南部。再開発から取り残された鵞鳥湖の周辺地域は、ギャングたちの縄張り争いが激化していた―。刑務所を出所して古巣のバイク窃盗団に舞い戻った裏社会の男チョウは、対立する猫目・猫耳兄弟たちとの揉め事に巻き込まれ、逃走中に誤って警官を射殺してしまう。たちまち全国に指名手配され、警察の包囲網に追いつめられたチョウは、自らに懸けられた報奨金30万元を妻と幼い息子に残そうと画策する。そんなチョウの前に現れたのは、妻の代理としてやってきたアイアイという見知らぬ女。寂れたリゾート地の鵞鳥湖で水浴嬢、すなわち水辺の娼婦として生きているアイアイと行動を共にするチョウだったが、警察や報奨金の強奪を狙う窃盗団に行く手を阻まれ、後戻りのできない袋小路に迷い込んでいくのだった……。
作品タイトル:『鵞鳥湖の夜』
出演:フー・ゴー『1911』、グイ・ルンメイ『薄氷の殺人』、リャオ・ファン『薄氷の殺人』、レジーナ・ワン『戦神ゴッド・オブ・ウォー』
監督・脚本:ディアオ・イーナン『薄氷の殺人』
撮影:トン・ジンソン『薄氷の殺人』 照明:ウォン・チーミン『花様年華』『2046』 美術:リュウ・チアン『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』
2019年/中国・フランス合作/111分/ビスタサイズ/英題:THE WILD GOOSE LAKE(原題:南方車站的聚会)/PG-12
配給:ブロードメディア・スタジオ
公式サイト:http://wildgoose-movie.com/
公式Twitter:@_wildgooselake_
公式Facebook:@wildgooselake.movie
コピーライト:(C)2019 HE LI CHEN GUANG INTERNATIONAL CULTURE MEDIA CO.,LTD.,GREEN RAY FILMS(SHANGHAI)CO.,LTD.,
近日公開
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