『その花は夜に咲く』門脇麦、岩井志麻子ら著名人からコメント到着 アッシュ・メイフェア監督の来日も決定

映画『その花は夜に咲く』(3月21日公開)に、各界著名人からのコメントが到着した。

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本作は、長編デビュー作『第三夫人と髪飾り』が世界の映画祭で数々の賞を受賞し、注目を集めたベトナムの新鋭アッシュ・メイフェア監督の長編第2作。望まぬ性に生まれたサンと、ボクサーのナムとの愛の軌跡を、監督自身の中学時代の経験や記憶、トランスジェンダーの友人をモデルにした鮮烈なラブストーリーだ。「ベトナムでは今もなお、トランスジェンダーコミュニティは政府や社会から厳しい批判を受けています」とメイフェア監督が語るように、果敢にタブーとも言えるテーマに挑んでいる。

そんな本作を、俳優の門脇麦は「愛し合う者同士が当たり前のように祝福される世の中になることを祈り続けた120分でした」と称賛。作家の岩井志麻子は「多くの人、いや、すべての人は「望まない何か」に生まれつき、「望む何か」を求め続ける」と本作の核心とも言える言葉を語りかける。さらに、表現者のサヘル・ローズや、文筆家・映像作家・俳優の小川紗良らもコメントを寄せている。

また、アッシュ・メイフェア監督が来日も決定。「ワールドプレミア」となる日本での上映に、本作に出演する井上肇とともに立ち会う予定だ。

コメント(敬称略・順不同)

傷跡からも孤独からも目を背けず、はち切れそうな魂を常にフレームの真ん中で捉え続ける監督の眼差しが胸に刺さりました。
愛し合う者同士が当たり前のように祝福される世の中になることを祈り続けた120分でした。
門脇 麦(俳優)

人を想う力は果てしなく大きく、時には狂気ともなりうる。人は自由に生きているから、悲しい決断も潔くできる。この映画は同じ時代に生きる私達に幸せとは何かを問いかけた。

ミス・インターナショナル・クイーンベトナム大会に挑戦したクァンちゃんは大会で素晴らしい経験をされたと思います。
世界中のトランスジェンダーにあなたの映画は大きな共感、感銘そして勇気を得ることでしょう。
はるな愛(タレント) ※解禁済

愛する事は「罪」ですか?他人のために「愛」は存在していない。
目の前にいる相手が「愛」を教えてくれる。今作は繊細で儚い。
だが突き刺さる美しい世界観に魅了される。
あの眼差しに潜む社会への叫びが木霊し、美しい歌声として響き渡る。
言葉は時に無力だが、こうした「芸術」が現代社会を変える、そんな希望がみえた作品。
アナタは誰をなんのために「愛」しますか?
サヘル・ローズ(表現者)

多くの人、いや、すべての人は「望まない何か」に生まれつき、「望む何か」を求め続ける。それは苦闘でありながら、快楽にもなり得る。
この映画のように、悲恋こそが一番美しい恋愛なのだから。
岩井志麻子(作家)

この映画で、サンの美しさに目を奪われない者はいないだろう。
それでも「私って醜い?」と問う彼女の心のもだえが、ベトナムの光と湿度のなかに、焼きつくように映っていた。
小川紗良(文筆家、映像作家、俳優)

ままならない人生を、肉体を、ベトナムの湿った夜にぶつけあうサンとナム。
ふたりの放つ火花の瞬きがサイゴンの路地裏にクィアネスを浮かび上がらせる。
トランスジェンダーの役は必ずしも当事者が演じなければいけないわけではない。
だがアッシュ・メイフェア監督がなぜ演技経験のない19歳のトランスジェンダー女性に主演を託したのか、答えは映画を観れば明白だろう。
東海林 毅(映画監督『片袖の魚』『老ナルキソス』)

夜に咲くのは、そこでしか生きる術がないから。
トランス女性や貧しい若者たちは闇の中で血を流しながら愛し合い、権力者はその美しさを冷酷に摘み取る。
いまだ明けない夜に、せめて一筋の光を。
ブルボンヌ(女装パフォーマー)

女性たちを対立させる社会に抗して、『その花は夜に咲く』は決して女性同士の絆を手放さない。トランスの女性とシスジェンダーの女性、立場の異なる女性たちがそれでも育む親密性は、今こそ凝視されるべきだ。
水上 文(文筆家)

チャン・クアンの凛然としたその存在感はまさに圧巻。
美しく切り取られた映像美のフィルター越しでなければ直視できないほど哀切な世界がそこにはあり、
それもメイフェア監督が見た一つの現実なのだ。
ステレオタイプでもあり、新しくもあり、ないまぜの気持ちと共に大事な人と議論したくなった。
ミヤタ廉(LGBTQ+inclusive director)

90年代ベトナムの物語だが、社会は少ししか変わっていない。
理不尽に苦しむ人々が対峙する闇を、この作品から感じ取ることができれば、世界は変われるのに。
よしひろまさみち(映画ライター)

チャン・クアンは、ときに翼をもがれたカナリアのように、ときに生まれたまま世界に投げ出された胎児のように、サンの生を一身に引き受ける。
その身体性、実在性はたやすく代替できるものではない。
『その花は夜に咲く』のように、彼女でなければ決してその役を演じられなかったと観客に確信させられる作品が、もっと必要なのだ。
児玉美月(映画文筆家)

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ストーリー
1998年のサイゴン。都会の片隅に貧しくもつつましく、愛し合いながら生きる恋人たち。望まぬ性に生まれたサンはナイトクラブで歌い、ナムはボクサーとして懸命に暮らしていた。ある日、街のフィクサー・ヴーンがナイトクラブに現れ、ステージで妖しくも華麗に歌うサンに目が釘付けになる。手術費用のため、ヴーンと逢瀬を重ねるサン。彼女を愛し、その思いを知るナムは、より稼ぎの良い闇の地下格闘技に手を染めてゆく…。容赦のない夜の世界に飲まれてゆく二人。愛ゆえにすれ違う二つの魂。嫉妬や裏切り、焦りや不安ーー運命の歯車が狂いはじめる…。激しく切なすぎる二人の愛はどこへ向かうのか――。

『その花は夜に咲く』
出演:チャン・クアン、ヴォー・ディエン・ザー・フイ、ファン・ティ・キム・ガン、井上肇
監督・脚本:アッシュ・メイフェア『第三夫人と髪飾り』
2025年/ベトナム=シンガポール=日本/ベトナム語/121分/シネスコ/カラー/5.1ch R15
英題:SKIN OF YOUTH
配給:ビターズ・エンド
(C)An Nam Productions, Đông A Films, Akanga Film Asia, Bitters End, Mayfair Pictures

公式サイト:https://www.bitters.co.jp/yorunisaku/

3月21日(金)~シネマート新宿ほか全国順次公開

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