本日2月21日公開の映画『ゆきてかへらぬ』に、各界を代表する文化人らのコメントが到着。さらに、気鋭のクリエイターたちによるイラストも公開された。
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「文化の百花繚乱」の様相を呈した大正から昭和初期を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた本作。脚本は『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』の田中陽造が40年以上前に書いたもので、多くの監督たちが映画化を熱望しながら長い間実現することができなかった、いわば“知る人ぞ知る”幻の脚本。「滅多にない優れたシナリオ」とこの脚本に焦がれ続けていた名匠・根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンを取り、美しい時代を火花散らすように駆ける3人の男女を広瀬すず、木戸大聖、そして岡田将生が演じている。
そんな本作の公開を祝し、ひと足早く鑑賞した、スタジオジブリの鈴木敏夫らのコメントが到着。「I’ll」「テガミバチ」などの作品で知られ、「眠兎」をはじめ中原中也の作品や人生に啓発された作品も発表してきた漫画家の浅田弘幸、文筆家・写真家として活動する蒼井ブルー、現代の言葉と感性で訴えかける新時代の歌人・木下龍也、漫画家の内田春菊、詩人の文月悠光らもコメントを寄せている。
コメント一覧(五十音順)
蒼井ブルー(文筆家・写真家)
映像の美しさに冒頭から引き込まれる。実在した男女による三角関係を濃密に描いている。全編を通して漂う独特の緊張感に喉の渇きを覚えた。人に惹かれるたび才能は磨かれるのだと信じられる。青春映画の傑作。
浅田弘幸(漫画家)
スタイリッシュな美しい映画。 詩人富永太郎の登場が個人的に嬉しい。
中原中也、小林秀雄を知らない若い世代に此処から、彼等の作品と人物を深掘りするきっかけになれば素敵だと思い願っています。
石川桂子(竹久夢二美術館 学芸員)
中也・泰子・小林それぞれの思いが交差するダンスホール、メリーゴーランド、市電が走る夜のシーンは、まさに大正のデカダンなイメージ。
大正時代に注目された自由恋愛が三人の関係で甦り、狂気と甘美に満ちた愛憎劇に心を揺さぶられました。
内田春菊(漫画家)
貴女の人生は恋愛に食い潰されていないだろうか?男たちの身勝手な愉しみに振り回されていないだろうか。
菩薩だとかミューズだとか言われてるうちに自分のやりたい事を少しずつあきらめてはいないだろうか。負けるな泰子!
木下龍也(歌人)
三人では一つになれなかった。
三人では必ず誰かが苦しかった。
三人では必ず誰かが傷付いた。
だから、あなたが抜けたんでしょう。
誰よりも悲しみを見抜いてしまう、優しいあなたが。
SYO(物書き)
人はいつの時代も恋と踊り、愛に狂う。
愚かしくも儚い真理が彩る、刹那の青春譚
鈴木敏夫(スタジオジブリ)
いい映画は女優で決まる。広瀬すず、最高❣️
野田秀樹(劇作家)
私はこの映画を旅先の鎌倉で見た。そこは中原中也が息を引き取った土地でもある。
どんな話かも知らずに観たこの映画は、根岸吉太郎監督の映像が、のっけから終わりまで、ひたすらいとおしいほど美しかった。
だがその美しさの背後にあったのは、この映画で描かれた、私たち昭和の文学青年が愛した
中原中也の「汚れちまった悲しみ」だった。
文月悠光(詩人)
詩を介して彼らは愛し合う。
その行き交う視線に強く惹かれた。
彼らはあまりに幼くて、素直で壊れそうだから。
泰子の孤独の深さに胸が締めつけられ、
ひとり歩んでいく彼女に、私はどこか清々しさすら覚えた。
さらに、漫画家の浅田弘幸、「日清カレーメシ」のCMで話題を呼んだたそやマロ、大正ロマンな世界観を絵で表現する朝際イコ、レトロモダンな女性を得意としイタリアの自動車メーカー・フィアットの広告イラストも担当した伊吹春香、手書きの線画によるアンティークな雰囲気の繊細なイラストが魅力の相原にこによるイラストも到着。
純粋の中に狂気を潜ませる瞳でこちらを見つめる中也や、艶やかでありつつも、触れると壊れてしまいそうな繊細さを持つ泰子、そして泰子、中也、小林のどうしようもなく惹かれ合ってしまう関係が、それぞれのタッチで魅力たっぷりに描かれている。
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ストーリー
京都。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子(広瀬すず)は、まだ学生だった中原中也(木戸大聖)と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる気っ風のよさが共通していた。
東京。泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄(岡田将生)がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさ。
しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める評論家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。
『ゆきてかへらぬ』
主演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生、田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
監督:根岸吉太郎
脚本:田中陽造
配給:キノフィルムズ
(C)2025 映画「ゆきてかへらぬ」製作委員会
公式サイト:www.yukitekaheranu.jp
公式X:https://x.com/yk_movie2025
公式Instagram:https://www.instagram.com/yukitekaheranu_movie/
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
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