映画『ゆきてかへらぬ』(2025年2月21日(金)公開)が、第54回ロッテルダム国際映画祭へ正式出品作品として選出されたことが発表された。併せて新場面写真9点と海外版ビジュアルが解禁となった。
「文化の百花繚乱」が咲き誇る大正時代を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描く本作。脚本は『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』の田中陽造が40年以上前に書いたもので、多くの監督たちが映画化を熱望しながら長い間実現することができなかった、いわば「知る人ぞ知る」幻の脚本。「滅多にない優れたシナリオ」とこの脚本に焦がれ続けていた根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンを取り、美しい時代を火花散らすように駆ける3人の男女を広瀬すず、木戸大聖、そして岡田将生が演じる。
ロッテルダムで開催される本映画祭は、世界三大映画祭に次ぐ重要な映画祭のひとつ。今回は2025年1月30日~2月9日(現地時間)に開催される。本作がノミネートされたのは、ビッグスクリーンコンペティション部門。一般の映画ファンから選ばれた審査員によってアワードを選出し、受賞作はオランダでの公開やテレビ放映も見込まれるという画期的な部門だ。『ゆきてかへらぬ』がオランダの観客にどのように受け入れられ、評価されるか注目が集まる。
根岸吉太郎監督も「先進的な映画を発掘し続けるロッテルダム国際映画祭に『ゆきてかへらぬ』が選出されたことは大変光栄です。オランダの観客の皆さんに、日本の、しかも大正時代の青春の葛藤をどのように受け入れていただけるか、今から楽しみにしています。瓦屋根の織りなす日本の建築の美しさやモガモボの当時のファションを楽しみながら、二人の若者の間を揺れ動く若い女性の激しい生き方(それを演じ切った広瀬すず)に国と時代を超えた深い共感を抱いていただけたらと願っています」と選出への喜びを語っている。
同時に解禁となった海外版ビジュアルは、広瀬すず演じる泰子の危険なほど美しい横顔がクローズアップされたデザイン。中也と小林、才気ある二人のアーティストに同時に愛され、愛によって壊れていく泰子のあどけなさと狂気が混在しているような表情が印象的だ。
新たに解禁された場面写真には、駆け出しの女優・泰子、不世出の天才詩人・中也、のちに“知の巨人”と呼ばれる文芸評論家・小林の過ぎ去って戻ることのない日々が鮮やかに映し出されている。はぐれ者同士、京都で一緒に暮らし始めた泰子と中也の美しい時間、何者かになりたくて飛び出した東京での日々、小林の登場で揺らぐ泰子の想い、そして始まる三人の歪で複雑な関係。まだ何者でもなく先の見えない焦燥を抱えながら、時に己を壊すほどの強い想いを貫き駆け抜けた、三人の刹那の青春を感じる場面写真となっている。
ストーリー
京都。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子は、まだ学生だった中原中也と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる気っ風のよさが共通していた。
東京。泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさ。
しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める批評家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。
『ゆきてかへらぬ』
主演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生、田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
監督:根岸吉太郎
脚本:田中陽造
配給:キノフィルムズ
(C)2025 映画「ゆきてかへらぬ」製作委員会
公式サイト:www.yukitekaheranu.jp
公式X:https://x.com/yk_movie2025
公式Instagram:https://www.instagram.com/yukitekaheranu_movie/
2月21日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
関連記事
■ 広瀬すず×木戸大聖×岡田将生『ゆきてかへらぬ』本予告編&本ビジュアル解禁 主題歌はキタニタツヤが担当
■ 『ゆきてかへらぬ』に田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑の出演が決定
■ 広瀬すず×木戸大聖×岡田将生『ゆきてかへらぬ』大正モダンな世界観のティザービジュアル2種が解禁
■ 広瀬すず主演『ゆきてかへらぬ』中原中也役に木戸大聖、小林秀雄役に岡田将生 特報映像公開(コメントあり)
■ 広瀬すず主演×根岸吉太郎監督×田中陽造脚本『ゆきてかへらぬ』2025年2月公開 中原中也、小林秀雄との出口のない三角関係を描く