「第1回大島渚賞」受賞者は巨匠タル・ベーラの愛弟子、小田 香監督に決定!記念上映会後に坂本龍一氏、黒沢清氏とのトークも

大島渚賞1977年から40年以上にわたり、国内外に自主映画を紹介してきた、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)。そのPFFが、新たなる映画賞「大島渚賞」を創設した。大島渚賞は、劇場公開作品を持つ監督を対象に、映画の未来を拓き、世界へ羽ばたこうとする若くて新しい才能に贈られる。かつて、大島渚監督が高い志を持って世界に挑戦していったように、それに続く次世代の監督を、期待と称賛を込めて顕彰する。

そしてこの度、「第1回大島渚賞」が審査員長である坂本龍一氏(音楽家)、審査員の黒沢 清氏(映画監督)、荒木啓子氏(PFFディレクター)の討議により、ハンガリーの巨匠タル・ベーラの愛弟子で、独自の映画言語で『鉱 ARAGANE』『セノーテ』など、次々に新たな作品を生み出している小田 香(おだ・かおり/33歳)監督に決定した。(写真:(C)Miura Hiroyuki)

授賞式は、3月19日に東京・丸ビルホールで行われ、翌3月20日には、同ホールで記念上映会が開催される。

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第1回大島渚賞受賞者・小田 香監督

■プロフィール
1987年大阪府生まれ。イメージと音を通して人間の記憶(声)―私たちはどこから来て、どこに向かっているのか―を探究するフィルムメーカー/アーティスト。13年、映画監督のタル・ベーラ(『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』)が陣頭指揮する若手映画作家育成プログラム「film.factory」(3年間の映画制作博士課程)に第1期生として参加し、16年に同プログラムを修了。14年度ポーラ美術振興財団在外研究員。15年ボスニアの炭鉱に入った第一長編作品『鉱 ARAGANE』が大きな話題を呼ぶ。16年劇場公開。17年エッセイ映画『あの優しさへ』が完成。19年最新作長編『セノーテ』が完成。山形国際ドキュメンタリー映画祭、ロッテルダム国際映画祭でプレミア上映。6月劇場公開予定。

【第1回大島渚賞 記念上映会】
日程:2020年3月20日(金・祝)
会場:丸ビルホール(東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル7・8階)

大島渚賞

小田 香監督×坂本龍一氏(音楽家)×黒沢 清氏(映画監督)トーク
「大島渚賞 記念上映会」では、受賞監督作品と大島渚監督作品を上映致します。
今回は、6月に劇場公開を控える小田 香監督の最新作『セノーテ』をいち早くご紹介します。
『セノーテ』上映後には、小田 香監督×坂本龍一氏(音楽家)×黒沢 清氏(映画監督)によるトークも行います。そして、大ヒットを記録し、社会現象にもなった、大島監督28歳のオリジナル作品『青春残酷物語』が上映会のラストを飾ります。

<タイムテーブル> (※予定)
13:30 『セノーテ』
14:50 上映後トーク 小田 香監督×坂本龍一(音楽家)×黒沢 清(映画監督)
15:50 『青春残酷物語 デジタル修復版』
※前売券はチケットぴあにて、2月19日(水) 午前10時より発売!

<上映作品紹介>

大島渚賞

(C)Oda Kaori

『セノーテ』(原題:TS’ONOT 英題:Cenote)
2019年/75分/デジタル【日本語/英語字幕付き上映】
監督・撮影・編集:小田 香

メキシコ、ユカタン半島の北部に点在する洞窟内の泉「セノーテ」。マヤ文明の時代から、現世と黄泉を結ぶと信じられてきたセノーテでは、かつて雨乞いの儀式のために少女たちが生贄として捧げられてきた。神秘的で美しい水源の映像と、セノーテをめぐる歴史と記憶が交差していく…。小田監督が自らダイビングを学び、水中撮影に挑んだ意欲作。

大島渚賞

『青春残酷物語』修復版DCPコピーライト:(C)1960/2014松竹株式会社

『青春残酷物語 デジタル修復版』
1960年/96分/デジタル【英語字幕付き上映】
監督・脚本:大島 渚
出演:桑野みゆき、川津祐介、久我美子
“松竹ヌーヴェルヴァーグ”の言葉を生み、大島渚の名を世に知らしめた、初期の伝説的作品。セックス&バイオレンスな<青春>、生の実感の掴めない<青春>、青春の普遍的なテーマをエッジの効いた言葉と映像で描き、本作で第1回日本映画監督協会新人賞を受賞したオリジナル作品。

※本企画は、毎年大島監督の誕生月である3月に開催の予定です。
※「大島渚賞」に関する情報はPFF公式サイトをご覧ください
PFF公式サイト:https://pff.jp/jp/

 
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