1月18日に沖縄県4館で先行公開され、『ボヘミアン・ラプソディ』や『マスカレード・ホテル』など大作・話題作を押さえ6週連続で県内週末観客動員1位を記録した、照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)監督作『洗骨』。この度、本作が今回、カナダ・トロントで開催されている第8回トロント日本映画祭にて上映され、最優秀作品賞に選出された。また、受賞を受け、照屋年之(ゴリ)監督よりコメントが到着した。
『洗骨』トロント日本映画祭上映 概要
日程:日本時間 6月25日(水) AM8:15~ / 現地時間 6月24日(月) 19:15~
登壇者:照屋年之監督
場所:日系文化会館
※トロント日本映画祭 開催期間:現地時間 6月6日(木)~6月27日(木)
沖縄県では公開22週目に突入し、観客動員6万4千人を突破、県民の約20人に1人が観ているというロングラン&大ヒットを記録している本作。そんな“洗骨フィーバー”は全国にも拡がり、劇場も公開日(1月18日)の4館から、圧倒的な口コミの高さでじわじわと拡大し、最終的に延べ124館での上映となっている。上映後には自然と拍手が起こる現象も話題となり、「2019年ベスト!」はおろか、「人生ベスト級!」といった絶賛の声も続出している。
また、世界各国でも絶賛されており、昨年の沖縄国際映画祭を皮切りに、モスクワ国際映画祭、上海国際映画祭、ハワイ映画祭、済州映画祭で上映され、昨年8月、ニューヨークで開催された第12回JAPAN CUTS(ジャパン・カッツ)では観客賞を受賞。本年もアムステルダムにて開催された第12回シネマジア映画祭でも審査員特別賞を受賞している。
トロント日本映画祭は、日本で観客や映画評論家に好評を得た作品や、海外映画祭や国内の映画賞受賞作などを上映。今年は『半世界』『こんな夜更けにバナナかよ』『食べる女』『あの日のオルガン』『孤独の血』『人魚の眠る家』『散り椿』『七つの会議』『翔んで埼玉』『居眠り磐音』などを含む30本弱の作品が上映されている。
現地時間24日に行われた『洗骨』の上映では、心待ちにしていた現地のファンが長蛇の列を作り、約400人収容の会場は超満員に。上映後は高揚した表情で割れんばかりの拍手と歓声を贈る熱狂ぶりを見せた。また本作が最優秀作品賞を受賞したことが発表され、受賞式も実施された。
照屋年之監督コメント
言葉、文化は違っても人って変わらないんだなぁ~と思いました。
同じ所で泣き、同じ所で笑い、家族を悩み、家族を頼る。こんな小さな粟国島のこんな小さな風習。
見過ごすのは簡単だが、共通するのは世界共通の人間関係。
トロントの感じ方に最初は緊張しましたが、無駄な心配。死者を悲しむ、死者を見送る、死者と決別する。どの国も同じ感情を抱く。そして驚きよりも、同じだった事に嬉しさを覚える。世界は狭い。みんな地球人。
ストーリー
洗骨――。今はほとんど見なくなったその風習だが、沖縄諸島の西に位置する粟国島などには残っている。粟国島の西側に位置する「あの世」に風葬された死者は、肉がなくなり、骨だけになった頃に掘り起こされ、縁深き者たちの手により骨をきれいに洗ってもらうことで、晴れて「この世」と別れを告げることになる。
沖縄の離島、粟国島・粟国村に住む新城家。長男の新城剛(筒井道隆)は、母・恵美子(筒井真理子)の“洗骨”のために、4年ぶりに故郷・粟国島に戻ってきた。実家には、剛の父・信綱(奥田瑛二)がひとりで住んでいる。生活は荒れており、妻の死をきっかけにやめたはずのお酒も隠れて飲んでいる始末。そこへ、名古屋で美容師として活躍している長女・優子(水崎綾女)も帰って来るが、優子の様子に家族一同驚きを隠せない。様々な人生の苦労とそれぞれの思いを抱え、家族が一つになるはずの“洗骨”の儀式まであと数日、果たして彼らは家族の絆を取り戻せるのだろうか?
《“洗骨(せんこつ)”とは》
一度土葬あるいは風葬などを行った後に、死者の骨を海水や酒などで洗い、再度埋葬する葬制。衛生的に問題があるうえ、肉親の遺体を洗うという過酷な風習であるため、沖縄本島では戦後消滅したとされている。しかし、沖縄の一部の離島で現存していると言われており、沖縄における洗骨の意味は、洗骨されないうちでは死者は穢れていて、神仏の前に出られないという信仰があるためだという。
作品タイトル:『洗骨』
出演:奥田瑛二 筒井道隆 水崎綾女/大島蓉子 坂本あきら
山城智二 前原エリ 内間敢大 外間心絢/鈴木Q太郎 筒井真理子
監督・脚本:照屋年之
製作:映画『洗骨』製作委員会
2018/日本/カラー/スコープサイズ
制作:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
制作プロダクション:ファントム・フィルム
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:senkotsu-movie.com
コピーライト:(C)『洗骨』製作委員会
絶賛上映中
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