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『ボストン1947』カン・ジェギュ監督、ソン・ギジョンのご令孫に会い感極まる

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映画『ボストン1947』(8月30日(金)公開)の舞台挨拶付き特別試写会が、8月1日(木)に国立オリンピック記念青少年総合センターにて実施され、カン・ジェギュ監督と、主人公・ソン・ギジョンさんご令孫の孫銀卿(そん・うんきょん)さんが登壇した。

映画上映後、ステージに登壇したカン監督は「この映画は去年、韓国で公開されましたが、日本で公開できるだろうかと心配していました。ですから今日、観客の皆さまとお会いできたことをうれしく思いますし、ありがたいなと思っております」と感慨深い様子であいさつ。

この1947年という時代の映画をつくろうと思った理由について、「わたしは以前からマラソン映画をつくりたいとずっと思っていました。それで4年ほど前に、愛すべき後輩が、まるで贈り物ともいうべき、このシナリオを持ってきてくれました。読んでみたら1974年に開かれたボストンマラソン大会の話でした。実は読むまでこの奇跡のようなサクセスストーリーを知らなかったんです。韓国では第二次世界大戦が終わり、国が解放されたあとに朝鮮戦争が勃発してしまうわけですが、その前の時期に起きた奇跡のようなストーリーをぜひとも映画化したいと思いました」と明かした。

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一方、本作で描かれたソン・ギジョンさんのご令孫である銀卿さんは「おじいちゃんが亡くなったのが2002年。その頃わたしは20代でした。わたしにとってのソン・ギジョンの記憶は、どこまでもおじいちゃんでしたが、亡くなった後は歴史上の人物となりました。そのために本を読んだりして学んだりもしましたが、今回あらためて映画という形でソン・ギジョンを客観的に見る機会となりました」としみじみ語った。

その話を聞いたカン監督は、「今回、ソン・ギジョン先生のお孫さんにこうやってお会いすることができて、まるでわたし自身がソン・ギジョン先生にお会いできたような気持ちになりました。昨日は(都立西高等学校の)高校生たちと、この映画を通してお話をする機会があったのですが、その時に、自分でも分からないのですが、グッと涙がこみ上げてきて、泣きそうになってしまったのです。どうしてかなとあらためて考えてみたのですが、きっと実際にお孫さんとお会いすることで、先生を身近に感じられたのかなと思いました」とかみ締めるように語った。

そんな祖父について「映画の中で、ちょっとだけおじいちゃんのシャツがオシャレだなと感じられたりはしなかったですか?実は本人はオシャレが好きなんです」と観客に明かした銀卿さん。「わたしが生まれたあともひんぱんに日本と韓国を行き来していて、日本ではわたしたちの家に泊まっていたんですが、その時は必ず新宿の伊勢丹に買い物に行っていました。そしてわたしが小学生になると、わたしにお洋服を買ってくれたんです。映画にオシャレなシャツが出てきたのを見て、そのことを思い出しました」と振り返った。

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カン監督も「実際に資料を見た時から、先生は外見に気を使われている方だなと思いました。同じユニホームでも、先生はカッコ良く着こなしていましたし、ヘアスタイルもカッコよくまとまっていました。それは選手時代だけでなく、指導者になったあとも、スポーツ界のファッショニスタと言われるほどに、とてもオシャレな方だったと聞いています。ですから衣装や靴などをわたしなりに気を付けました」と語った。

本作でソン・ギジョンを演じたのは、韓国の国民的スターであるハ・ジョンウ。カン監督は「わたしが思うに、実際の先生の性格や外見に一番似ているのが、ハ・ジョンウさんじゃないかなと思いました。今回はハ・ジョンウさん本人の姿を感じさせないくらい、ソン・ギジョンそのものになりきってくださった」。

そしてソ・ユンボク選手を演じたイム・シワンについては「以前から演技がうまい方だなと思っていたので、いつか機会があったら仕事をしてみたいと思っていました。劇中のソ・ユンボクは背が低くて小柄な人ではありましたが、その身長のわりに足が長く、腰回りは小さい。その意味ではマラソンランナーに適した人でした。この映画をリアルに感じさせるためには、ソ・ユンボクに近い俳優を探す必要がありました。そしてその役柄を演じるのにイム・シワン以上の人はいないだろうと思いました」とキャスティングの経緯を明かすと、「彼は撮影の準備の段階から終わりまで、マラソンランナーとしての訓練を続け、体形や姿勢を維持するよう努力してくれました。体脂肪率を6%に絞るのは本当に難しいことなんですが、渾身の力で努力を続けてくれました」と感謝の思いを語った。

最後に映画を鑑賞した観客、そしてこれから映画を鑑賞する人に向けて銀卿さんが「わたしは映画を観ていくつかのシーンで泣きました。わたしの友人が『涙は心の汗だ』と言ってくれたことがあって。映画を観て疲れたというか、いい汗をかいたという感じになりました。ぜひまた1回でも2回でも観ていただいて、運動した気分になってくれたらいいなと思っています。実は祖父が亡くなったのが2002年なんですが、2001年から、おじいちゃんの気持ちを感じたくて、自分でもマラソンをはじめたんです。もちろん、おじいちゃんと同じ経験はできないんですが、“走る”という経験はできるなと思ったんです」とメッセージ。

カン監督も「現代を生きる若者たちは、生きることに大変さを感じていたり、悩みを抱えていたりしていると思います。それは日本のみならず、韓国の若者も同様です。ただ、今の若者たちも大変だと思いますが、ぜひとも本作で描かれる時代を生きた若者たちの姿を見てほしいなと思っています。1947年という時代は本当に厳しい世の中だった。その中でも若者たちは夢や希望や勇気を失うことなく、自分の夢を追いかけて、お互いを激励し、お互いを犠牲にし、挑戦を続けていました。その姿をぜひ今の若者たちにも見ていただきたいなと思います。そこから何かしら得るものがあるんじゃないかなと思うんです。だから今日足を運んだ方にも、若い人にも見てもらえるよう薦めていただけたら」と語ると、「皆さんは日々、ものすごく一生懸命にお仕事をしていらっしゃるかと思います。それは親世代もそうだったと思います。一生懸命働いて、お金を使うためには健康でないといけません。健康のために、ぜひともマラソンをしてください」とメッセージを送った。


ストーリー
「私たちが望むのは、祖国の国旗をつけて走ることです」

1936年、ベルリンオリンピック。マラソン競技に日本代表として出場した孫基禎は、世界新記録を樹立し金メダルに輝く。だが、表彰式で日本国歌が流れる間、月桂樹の鉢植えで胸元の国旗を隠したことが問題視され引退を強いられる。1946年、ソウル。祖国が日本から解放された後、荒れた生活を送っていたソン・ギジョン(孫基禎)の前に、ベルリンで共に走り銅メダルを獲得したナム・スンニョンが現れ、“第2のソン・ギジョン”と期待されるソ・ユンボクを、ボストンマラソンに出場させようと持ち掛ける。高額の保証金を始め数々の問題を乗り越えた3人は、1947年、ついに消された祖国の記録を取り戻すべく、ボストンに旅立つ。しかし、さらなる難題が彼らを待ち受けていた――。

『ボストン1947』
出演:ハ・ジョンウ、イム・シワン、ペ・ソンウ、キム・サンホ、パク・ウンビン
監督・脚本:カン・ジェギュ
共同脚本:イ・ジョンファ
2023年/韓国/108分/スコープ/5.1ch/日本語字幕:根本理恵/G/原題:1947 보스톤
配給:ショウゲート
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公式サイト:1947boston.jp/

8月30日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開

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