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『大いなる不在』プレミアム試写会に森山未來、藤竜也、真木よう子、原日出子、近浦啓監督が登壇

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映画『大いなる不在』(7月12日(金)公開)のプレミアム試写会が6月25日(火)、TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、主演の森山未來、共演の藤竜也、真木よう子、原日出子、そして近浦啓監督が舞台挨拶に登壇した。

幼い頃に自分と母を捨てた父が警察に捕まった。報せを受けた卓(たかし)が久しぶりに父の元を訪ねると、そこには認知症で別人のように変わった父の姿があり、父の再婚相手の義母は行方不明になっていた。いったい何があったのか―。

本作はトロント国際映画祭でワールドプレミアを飾り、サン・セバスティアン国際映画祭では藤が日本人初の最優秀俳優賞を受賞、さらにサンフランシスコ国際映画祭では最高賞受賞の快挙を成し遂げた話題作。この日の会場も満員御礼となった。

長編映画監督作2作目となる近浦監督は「コロナ禍と僕自身の父親が急に認知症になったことが大きな契機。今の社会や自分と共鳴するような作品を作りたかった。そんな時に浮かんできたキーワードが“不在”だった」とオリジナルストーリーとなる本作の製作の背景を明かした。

主人公の遠山卓を演じた森山は脚本に魅了されたそうで、「撮影に入る前に、この映画と遠山卓というキャラクターの事を知りたくて、監督と6時間くらいお話をさせてもらった。近浦監督のお父さんの容態が物語に大きく影響を及ぼしていることがわかり、近浦監督を知ることが重要で、そこからこの物語への旅が始まった」と振り返った。

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森山未來

卓の父・陽二役のは、「私も自分の老いと相対しているので、役には入りやすかったです。陽二については悩むことなくスポッと捕えられた」と、実感を込めながら演じたという。藤とタッグを組むのはこれで3度目となる近浦監督は「藤さんと映画を作りたいという想いが根っこにあって、また森山未來と藤竜也をスクリーンで対峙させて、同じフレームにいるところを見てみたかった」と狙いを述べた。

また、森山は藤との初共演を「居合のよう」と語り、「現場で仲良く喋るとか無理に距離を取るとかはなくて、現場に入るまで藤さんとお会いすることもなかった中で、シーンに入った時からコミュニケーションが始まった。いい意味で無駄のない緊張感の中で過ごさせてもらいました」と明かした。

一方、も「この映画は僕らのカップリングが重要なわけで、どこに行ってしまうのかわからないような陽二を見つめる森山さんの視線が好きでした。それを見た時にこれは行けるのではないか、と思った」と語った。

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藤竜也

卓の妻・夕希役の真木は「台本を読んだ時点で参加したいと心に決めました。卓の奥さんとして夕希なりの愛し方で傍にいてあげる。作品にスパイスを入れるような役柄で嬉しかったです」と振り返り、「未來君とお芝居をしているときは居心地のいい感じで、未來君はダンスなどをされていることもあり、内側から出る色気が半端なくて目が離せなかった。どうやったらこうなるのよ、と」とコメント。

そんな真木との共演について、森山も「よう子ちゃんと俺は『モテキ』以来。職場の先輩・後輩で飛び蹴りされるシーンとかがあって…(笑)。それが今回は夫婦役で」と笑顔を見せた。

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真木よう子

一方、陽二の妻・直美役のは「台本を読む前に『やる!』と言いました。それは藤さんに会いたかったから。ましてや夫婦役なんて」と『ションベン・ライダー』(1983年)以来となる藤との共演について思いを語った。が「懐かしい」としみじみすると、は「その当時、移動の際に藤さんの外車の助手席に乗せていただいて、実家まで送っていただきました。生意気にも『おいくつなんですか?』と聞いたら『君のボーイフレンドにちょうどいい年だよ』と言われたのを覚えています。もうメッチャカッコイイ~!と思った」と若かりし日を回想。苦笑する藤に、森山は「それはもう狙っていますね!?」とツッコみ、笑いを誘っていた。

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原日出子

また、サン・セバスティアン国際映画祭での反応について、近浦監督は「予想以上の反応でした。1,800人のお客様からスタンディングオベーションをもらえて、横の藤さんを見たら涙しているような表情をしていて嬉しかった」と報告。

近浦監督と共に映画祭に参加していたも「海外の大きな映画祭でのスタンディングオベーションは儀式のようなところがあるけれど、サン・セバスティアンでは『これは違うな』と思った。一人一人の笑顔が迫って来て、帰りの通路でも観客の皆さんが見送ってくれた。染みるような笑顔で、この映画は国境や文化を超えたのかしら?と思った」と海外での手応えを語った。

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近浦啓監督

最後に主演の森山は、「この映画はサスペンス・ヒューマンドラマと銘打っているけれど、その先には人間の根源に訴えかけてくるような慟哭や叫びがある。日本はもちろんの事、これから海外でも上映されることが決まっているので、海外の友達にも薦めてください」と語り、は「ミステリアスな心の揺さぶられ方をすると思います。どうぞ楽しんでご覧ください」とアピール。

そして近浦監督は「全編を35ミリフィルムで撮っているので、劇場の大きなスクリーンで見ていただきたいです。映画祭や芸術という側面もありますが、一番の気持ちとしては良質なエンターテインメントを撮りたいと思って取り組んだ作品です。気楽に楽しんでいただければ幸いです」と呼び掛けた。

ストーリー
小さいころに自分と母を捨てた父が、警察に捕まった。連絡を受けた卓(たかし)が、妻の夕希と共に久々に九州の父の元を訪ねると父は認知症で別人のようであり、父が再婚した義理の母は行方不明になっていた。卓は、父と義母の生活を調べ始めるが―。

『大いなる不在』
出演:森山未來 真木よう子 原日出子/藤竜也
監督・脚本・編集:近浦啓
共同脚本:熊野桂太
プロデューサー:近浦啓 堀池みほ
製作・制作プロダクション:クレイテプス
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
2023年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/133分
配給:ギャガ
(C)2023 クレイテプス

公式サイト:https://gaga.ne.jp/greatabsence/
公式X:@GreatAbsence712

7/12(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー

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