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『愛がなんだ』第31回東京国際映画祭記者会見・舞台挨拶で、岸井ゆきのが「全力片想い」主人公との共通点を語る

愛がなんだ10月25日~開催中の第31回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出された、直木賞作家角田光代の傑作恋愛小説「愛がなんだ」を恋愛映画の旗手、今泉力哉監督が映画化した、一途過ぎるアラサー女子の全力片思いラブストーリー『愛がなんだ』(2019年春公開)。
このたび、10/28(日)に記者会見と舞台挨拶が行われ、記者会見には、主演の岸井ゆきのさん、今泉力也監督が登壇した。

原作を映画化するにあたってこだわったことや撮影当時に意識した現場の雰囲気作りのこと、さらに全力片想いを地でいく主人公テルコを演じる岸井ゆきのさんが、自分自身との共通点を語る場面も。
舞台挨拶には、主演の岸井ゆきのさん、主人公の親友の友人以上恋人未満であり、一番の理解者であるナカハラを演じた若葉竜也さんも登壇。500人の満席の会場中、ワールドプレミア上映が行われ、原作の存在する物語を映画化するにあたっての今泉監督の想いや、岸井さんが役作りの際に意識したこと、初めて今泉組に参加する若葉さんの監督への印象などが熱く語られた。

『愛がなんだ』東京国際映画祭 コンペティション部門
◆10/28(日)上映後・記者会見 (12:53- )
会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズSC8
登壇者(敬称略):岸井ゆきの、今泉力哉

◆10/28(日)上映後・記者会見 (14:20- )
会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズSC7
登壇者:岸井ゆきの)、若葉竜也,今泉力哉

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写真左より:今泉監督、岸井ゆきのさん

【記者会見】
Q:主人公・テルコとの共通点は?実生活での片思いの際は、どうされてますか?
(岸井)ヒトやモノに対して一直線になるところがあり、そこがテルコと似ていると思います。実際に好きな人ができた時は、、もう如何に自分をバカにするというか「好き好き!」みたいな(笑)。ちょっとふざけたくらいの気持ちで向かっていってしまったりするのかな?!って思います。

Q:監督ご自身の片想いの心情などは映画のシーンに入ってますか?
(今泉監督)今は結婚してますが、恋人がいなかったり、片思いの時期も結構ありまして。恋人がいる人、結婚してる人が50%ずつ想いあってる、ということは未だに無いと思ってます、嫉妬も込めてですけど(笑)。ですので、「想いの差」というのにずっと興味があって、片思いはその一つの形だと思います。

Q:原作の中から映画に向いてる部分を抽出したのでしょうか?
それとも、映画ならではの視点を後から加えていったのでしょうか?
(今泉監督)まず、原作の魅力を忠実に映像化していこうと思いました。ただ、映像ならではの表現をする必要があると思っており、そのために付け加えたエピソードや、少し原作のストーリーをアレンジした箇所もあります。
あと、原作は1人称なんですが、その魅力を映画でどう表現したら良いか迷いました。ナレーションを入れすぎると説明が多くなりすぎますし、そのバランスを調整するのが難しかったです。
あと、映画の魅力は役者・登場人物の魅力が伝わることだと思っているので、そのために、カット割りを少なくしています。カットを長くする分だけ、見る人にとっての「選択の豊かさ」に繋がると思っているので、出来る限り作り手側の手が加わらないように、意識して長回しを多用している部分はありますね。」

Q: 撮影中の雰囲気作りはどういったことを意識されましたか?
(今泉監督)自分の中で決めてしまわずに、一度役者さんに演じてもらって、いろんな可能性やアイデアを閉ざさないように役者さんと相談しながら進めました。あと、よく温度の話をしてましたね。「もうちょっと好き度をあげてほしい」とか。

(岸井)最初の頃は監督に「答え」を求めにいってしまってたんですけど、そうじゃないなと。監督と一緒に悩んで、そして、そういった戸惑いや迷いこそが主人公のテルコなんだなと。「愛」って答えがないものなので、そこに向かって一緒に迷子になっていきながら「テルコ」を作っていけたのはすごく良かったなと、思います。

 

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写真左より:若葉竜也さん、岸井ゆきのさん、今泉監督

【舞台挨拶】
Q:これまでオリジナル作品を手がけられることが多かったと思いますが、今回、原作がある物語を映画化するにあたって、何かいつもと違う心構えはありましたか?
(今泉監督)プロデューサーからこの原作を映画化の話を頂いてから、実際に原作を読んだときに僕がこれまでオリジナルで描いていた「片想い」や「想いの差」の形ととても近いと思いましたし、なぜ僕に話が来たのかも理解できました。ですので、ぜひやりたいとお返事をしました。
あと、これまで自分が作っていた作品は恋愛に対して温度が低い人たちが多かったのですが、今回はとても温度が高く、想いが強いたちが多くて。そこは原作がある作品ならではかと思ってまして、一緒にやれてとても良かったと思います。

Q:岸井さんはなんと4年連続で東京国際映画祭に参加頂いてます!本作はとても強い愛を貫く女性を描いた作品なのですが、この役へのアプローチはどのように取り組まれましたか?
(岸井)主人公のテルコは自己犠牲をしてまで、好きな人に向かっていってしまう女性でして、ほんとすごいなと。でも演じるに当たって自分に重ねてみると「自分にもこういうところあるかもしれな」と。例えば、好きなものに向かっていく強さというか。そういう部分を自分に重ね合わせながら、テルコを作っていった部分があります。

Q:今泉組へは初めての参加ですね。どういった経緯で参加されたのでしょうか?
(若葉)ぜひ、前から今泉監督の作品に参加したいと思っていた中、お話を頂いたので本当に光栄でした。

Q:今泉さんは、どんな監督でしたか?
(若葉)本編見たら、きっとどんな監督かわかってもらえると思うんですけど。。!ほんと、今泉さんが作り上げた映画だなと。原作はあるけれども、ちゃんと今泉さんのカラーが出てて素晴らしいです。

Q:最後に一言お願いします。
(今泉)映画は芸術という側面もありつつ、社会的なことを知れて、あと、世界の映画を見ることでその地域を知ったりできるとも思ってます。本作はすごく個人的な、一人の女性の恋愛を軸にしたストーリーではありますが、これも一つの社会や世界を描いてるとも思ってます。ぜひ楽しんでください。

 

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ストーリー
28歳のテルコはマモル(マモちゃん)に一目惚れした5ヶ月前から、生活はすべてマモちゃんを中心に動いている。仕事中でも、真夜中でも、マモちゃんからの電話が常に最優先。仕事を失いかけても、親友に冷たい目で見られても、マモちゃんがいてくれるならテルコはこの上なく幸せなのだ。けれど、マモちゃんにとっては、テルコはただ都合のいい女でしかなかった。マモちゃんは、さっきまで機嫌良く笑っていたのに、ちょっと踏み込もうとすると、突然拒絶する。今の関係を保つことに必死なテルコは自分からは一切連絡をしないし、決して「好き」とは伝えられない。
ある日、朝方まで飲んでマモちゃん家にお泊まりしたことから、2人は急接近。恋人に昇格できる!と有頂天になったテルコは、頼まれてもいないのに家事やお世話に勤しみ、その結果、マモちゃんからの連絡が突然途絶えてしまう…。それから3ヶ月が経ったころ、マモちゃんからひょっこり電話がかかってくる。会いにいくと、マモちゃんの隣には年上の女性、すみれさんがいた…。

作品タイトル:『愛がなんだ』
出演:岸井ゆきの 成田凌 深川麻衣 若葉竜也 片岡礼子 筒井真理子/江口のりこ
原作:角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊)
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉
配給:エレファントハウス

公式サイト:http://aigananda.com/
コピーライト:(C)2019映画「愛がなんだ」製作委員会

2019年春、テアトル新宿ほか全国ロードショー

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