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映画『愛に乱暴』チェコの映画祭でワールドプレミア上映 森ガキ侑大監督が舞台挨拶に登壇

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(C)FILM SERVIS FESTIVAL KARLOVY VARY

映画『愛に乱暴』(8月30日(金)公開)が第58回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(チェコ現地日程 6月28日~7月6日)のメインのコンペティション「クリスタル・グローブコンペティション部門」に純粋なアジア映画としては唯一選出され、ワールドプレミア上映を迎えた。

本作は、夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす主人公・桃子が、相次ぐ不審火や、愛猫の失踪、怪しい隣人、不気味な不倫アカウントなど不穏な出来事に苛まれ、平穏な日常が少しずつ崩れていくヒューマンサスペンス。

監督の森ガキ侑大を始め、横山プロデューサー吉田プロデューサーらフィルムメイカーたちが、あいにくの雨が降る中ではあったが、レッドカーペットを歩いて上映会場入りした。

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その後ワールドプレミアとなる公式上映が、チェコ現地時間7月4日(木)20時からスタート。冒頭に一緒に映画を観るコンペの審査員たち(『パスト ライブス 再会』などのプロデューサー:クリスティーン・ベイコン、エミー賞受賞俳優のジェフリー・ラッシュ、『LAMB ラム』の脚本家ショーンら)が紹介された後に、森ガキ侑大監督、横山プロデューサー、吉田プロデューサーが登壇した。

森ガキ監督がチェコ語で「やあ!」という意味の「アホイー!」と第一声を上げると、会場は笑い声のあとに拍手が広がり、さらに覚えたてのチェコ語で「カルロヴィ・ヴァリ映画祭へご招待頂きありがとうございます。幸せです」と挨拶をすると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。

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その後は日本語で「この映画愛に溢れる映画祭にお呼ばれして、こうやってチェコで皆さんの前でこの映画が上映できることを本当に幸せだと思っています。この作品も(このような場で)皆さんに見て頂けるということは、すごく幸せな作品だと思っています。今は僕らだけがここに立っていますが、たくさんの日本のスタッフと丁寧に丁寧に紡いで本当に自信のある作品になったと思っています。そのスタッフへの敬意も込めて、今日は皆さんに楽しんで頂ければと思っています」と日本に残るスタッフへも感謝を込めたメッセージを披露した。最後にまたチェコ語で「ジェクイ!」(ありがとう)と挨拶すると、再び暖かい笑いと拍手が広がった。

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上映中は途中途中で笑い声が起こりながらも、後半になると水を打ったように静まり緊迫感が会場内に充満したが、映画が終わり場内が明るくなると、満面の笑みの観客たちが森ガキ監督に惜しみなく拍手を送った。

その後ホールのロビーでは映画をみた観客たちに囲まれ質問攻めにあった森ガキ監督は「熱量がすごかった。本当に皆さん映画が好きなんだと感じた。ものすごく考察されていて、ここはどうだったのかと色々感情的なことも技術的なことも聞かれた。質問に対して「その通りです」というと、「おー!予想が当たった!」と盛り上がったりしてくれました。あと画面が美しかったと、とにかくビューティフル、ビューティフルと言われました」と観客たちの熱さにインパクトを受けた感想を語った。

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翌日は『007/カジノ・ロワイヤル』の撮影でも使われたグランドホテルプップ内のプップホールでQ&A付きの上映が行われた。上映が終了して森ガキ監督が登壇すると、拍手が沸き上がり質問を募るとつぎつぎと手があがり、観客と以下のQ&Aが展開された。

Q.主人公の桃子の演技が素晴らしかった。撮影中は演じるのが苦しかったのでは?
A.桃子はどんどん追い込まれて崩壊していく役なので、後半になるにつれて撮影は苦しかったと思います。

Q.桃子役のキャスティングはいつも組んで信頼している俳優をキャスティングしたのか?
A.江口さんとは以前ドラマとCMでご一緒したことはありますが、映画は初めてでした。すごく難しい役だったので、この役は江口さんじゃないとできないんですと、ラブコールしました。

Q.スクリーンサイズをスタンダードサイズにした理由は?
A. 主人公桃子の機微を、観客に彼女の目線と一緒になって感じてもらいたかった。余分な情報をなるべく入れずに彼女と一心同体になるようにスタンダードサイズにしました。

Q.映画の舞台となる家はセットではなくロケ撮影なのか?
A.ロケができる家を探すのはめちゃくちゃ大変でした。条件を満たせる家を探すのに1年ぐらいかかりました。

さらに「チェコの離婚率は60%と非常に高い。主人公は中々離婚しないが日本は離婚しにくいのか?」や「日本では女性が一度キャリアをリタイアすると復帰が難しいのか?」、「映画にX(旧Twitter)を使ったトリックが出てきたが、日本人はSNSをあまり利用しないイメージがあった。実際はどうなのか?」など日本の社会への関心が高い質問も相次いだ。

また映画を深く考察しようとする質問も多く「ラストシーンで桃子が着ていた服装が表す意図はなにか?」「主人公は夫の浮気相手という憎むべき相手に何故スイカを持って行ったのか?」「ゴミ捨て場が燃えているシーンにはどんな意図があるのか?」など質問が次々と上がり、ここでも森ガキ監督は「映画の読み取り能力が高すぎる」と舌を巻いていた。

最後にタイトルの意味について質問された監督は「人を好きになることは幸せなことなんですが、人を愛しすぎると人は狂っていく。愛の中に乱暴さがあり、乱暴さの中に愛がある、という物事は表裏一体、紙一重であることがタイトルに込められています」と答えてQ&Aを締めくくった。

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ストーリー
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。 そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。

『愛に乱暴』
出演:江口のりこ 小泉孝太郎 馬場ふみか 水間ロン 青木柚 斉藤陽一郎 梅沢昌代 西本竜樹 堀井新太 岩瀬亮 / 風吹ジュン
原作:吉田修一「愛に乱暴」(新潮文庫刊)
監督・脚本:森ガキ侑大
脚本:山﨑佐保子/鈴木史子
音楽:岩代太郎
製作幹事:東京テアトル/読売テレビ
制作プロダクション:ドラゴンロケット
配給:東京テアトル
(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024「愛に乱暴」製作委員会

公式サイト:www.ainiranbou.com
公式X:@ainiranbou

8月30日(金)より、全国ロードショー

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