映画『ブルーピリオド』(8月9日(金)公開)で一般募集された宣伝部員限定の最速試写会が6月18日にワーナー・ブラザース映画 内幸町試写室にて実施され、本作の上映後にメガホンをとった萩原健太郎監督が登壇し、宣伝部員に向けてのティーチインイベントが行われた。
はじめに、実写映画化の監督としてオファーを受けたときの感想を聞かれると監督は、「原作を読んでみてすごく面白かったんです。ただ、“絵を描く”ということをどう映画にすればいいのか悩みました」と話を聞いた時は悩んだというが、「この原作を映画に昇華できたら、すごく新しいものになるだろうなと思ったんです」と語る。さらに、原作者の山口つばさ先生の「芸術という一見わかりづらいものをある種のスポ根としてその過程も含めてわかりやすく描きたかった」という言葉に監督自身も共感した部分があったと、オファーを受けた決め手を語った。
各キャストとの話題に移り、現場で鳥肌が立ったシーンなどはあったかと聞かれると、監督は「眞栄田さんとは二次試験の最後のシーンで、それまで培ってきた技術を1カットで撮ろうという話になったんです。1カットで撮ったんですが、描き切った後の八虎の顔は鳥肌ものだった」と、眞栄田の演技を絶賛。
その後の重要なシーンでも、八虎の顔の寄りを撮影するか悩んだそうだが、それを眞栄田にも相談したところ、「二次試験の顔以上のものにはならない」とそのシーンの撮影をやめたエピソードも明かし、監督は「そういうキャストとの議論がこの作品の映画の良さに繋がった」と密にコミュニケーションをとったことを振り返った。
また、本作の特徴として絵画が多く登場するが、絵のシーンを演出する上でこだわった点として、監督は、「手元の吹替えを一切使わずにやりたかった」と明かし、その上で実際に絵画レッスンを重ねて、「微妙な視線とか、描き方にリアリティがでた」と語った。
また、美術部員や、美術予備校の生徒、試験に出てくる他の生徒も美大生か美術予備校生だったそうで、「全員絵が描ける人というリアリティを持たせたことで、目に見えない熱みたいなものが見えてきたんじゃないかな」と細かいところまでこだわったエピソードも語った。
途中、宣伝部員からのQ&Aの時間も設けられ、「私には何かにずば抜けた才能があるわけではないが、才能がなくてもプロを目指す『ブルーピリオド』の物語にだからこそ心が惹かれました。監督は何がきっかけで映画監督になろうかと思ったのか、監督にとっての”青い渋谷“は?」という質問が飛ぶと、「『映画が好きだから』ということでしかないですが、学生時代に映画作りの楽しさを知って、才能がある人に自分のやりたいことを伝える、それがみんなの力によって一つの形になっていくということが好きだからこの仕事に繋がっていった」と監督になるまでのエピソードを語った。
また、渋谷のシーンを撮影するにあたっての苦労や裏話を問われると、「本当に渋谷で撮影するのは大変」と最初に前置きした上で、「渋谷のスクランブル交差点を再現したセットでの撮影をするという選択肢もあったんですが、絵というアナログなものを題材にしているからこそ、あまりCGを使いたくなかったんです」という想いをうけスタッフが一年前から使用許可を取るべく熱意をみせ、結果渋谷を使っての撮影が叶った。
最後に、これから『ブルーピリオド』を観る方に向けて監督より、「この作品を最初にやり始めた時に、自分が情熱を持ったり好きになったものを、胸を張って好きだと言いにくい世の中だなと思ったんです。でもそれを好きと言えただけで、自分だけの未来が開けるような、そんなメッセージを込めました」とコメント。
さらに、「映画のコンセプトを考える時に、映画館を出た後にお客様がどういう気持ちになって欲しいのかを考えるんですけど、今回は『いつもと同じ映画館なのに、外に出た時に何か景色が変わって、自分が好きだったことに情熱を燃やしたい』そういう熱い気持ちになるような映画にしたかった」とアピールし、本日試写会に参加した宣伝部員へも「そういう熱い気持ちを持ってこの映画をぜひ盛り上げて欲しいです」と熱いメッセージを送りイベントは幕を閉じた。
ストーリー
生きてる実感が持てなかった。あの青い絵を描くまでは―これはからっぽだった俺が、初めて挑む物語。
ソツなく器用に生きてきた高校生・矢口八虎は、苦手な美術の授業の課題「私の好きな風景」に困っていた。
悩んだ末に、一番好きな「明け方の青い渋谷」を描いてみた。その時、絵を通じて初めて本当の自分をさらけ出せたような気がした八虎は、美術に興味を持ちはじめ、どんどんのめりこんでいく。そして、国内最難関の美術大学への受験を決意するのだが…。
立ちはだかる才能あふれるライバル達。正解のない「アート」という大きな壁。経験も才能も持ってない自分はどう戦う!?
苦悩と挫折の果てに、八虎は【自分だけの色】で描くことができるのか。
『ブルーピリオド』
出演:眞栄田郷敦
高橋文哉 板垣李光人 桜田ひより
中島セナ 秋谷郁甫 兵頭功海 三浦誠己 やす(ずん)
石田ひかり 江口のりこ
薬師丸ひろ子
原作:山口つばさ『ブルーピリオド』(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
監督:萩原健太郎
脚本:吉田玲子
音楽:小島裕規“Yaffle”
主題歌:WurtS「NOISE」(EMI Records / W’s Project)
製作:映画「ブルーピリオド」製作委員会
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)山口つばさ/講談社 (C)2024映画「ブルーピリオド」製作委員会
公式X:@blueperiodmovie
公式Instagram:@blueperiod_movie
TikTok:@warnerjp
公式サイト:blueperiod-movie.jp
8月9日(金)全国ロードショー
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