海外TVシリーズ「キャッスルロック」が8月7日(水)よりブルーレイ&DVD発売、DVDレンタル、デジタル配信開始となった。
本作は脚本をスティーヴン・キングが担当、製作総指揮にJ.J.エイブラムスを迎え、豪華タッグで贈る、全米震撼のミステリー・ホラーだ。キング作品に頻繁に登場する架空の町「キャッスルロック」を舞台に、映画『ショーシャンクの空に』で有名なショーシャンク刑務所や、映画『シャイニング』でジャック・ニコルソンが演じたジャック・トランスの姪ジャッキー・トランスが重要人物として登場するなど、キングファンにはたまらない仕掛けが満載となっている。
この度、「キャッスルロック」のリリースを記念して、映画評論家でスティーヴン・キングの小説「ニードフル・シングス」「不眠症」の翻訳を手掛けた芝山幹郎氏と映画評論家の森直人氏によるトークイベントが8月2日(金)に実施された。
他のキング作品に度々登場する架空の町”キャッスルロック”ついて、お二人のキング愛溢れる視点と切り口で作品のみどころをたっぷりと解説して頂いた。
イベントレポート
脚本スティーヴン・キング、製作総指揮J.J.エイブラムスの豪華タッグで贈る、全米震撼のミステリー・ホラー「キャッスルロック」。キングとまさに同世代の芝山氏と、J.J.と同世代の森氏が、双方の視点から「キャッスルロック」の魅力を語った本トークイベント。
キングの小説の翻訳を手掛け、キングのことを熟知している芝山氏は、「キングは、ブルドーザー的なのに、細かい部分を丁寧に描くところがある。「キャッスルロック」はTVシリーズとして10話でしっかりとディテールを描き込んでいるので、物語が面白くてね。そこに、J.J.エイブラムスの構築力が上手く合っている気がしました。」と本作をベタ褒め。
森氏も「僕や J.J.は70年代後半から80年代にかけて、キングの映像化作品をガンガン観てきた世代。だからその懐かしい感じが本作にすごくでていると感じた」と話すなど、終始話が尽きないトークイベントとなった。
キングが作り出した架空の町代表格は「キャッスルロック」
他に「セイラムズロット」や「デリー」も
森氏:まず本作の舞台となるキングが作り出した架空の町”キャッスルロック”はキング作品の中でもかなり、重要なキーワードとなっていますよね。キングの地元である、カナダ国境近く、東に位置するアメリカメイン州の地理をベースにしながらも、彼の想像力で生み出した町なんです。
芝山氏:キング作品の中でも”キャッスルロック”が一番よく使われていますよね。例えば、特殊能力に目覚めてしまった一人孤独な男の生と死を描いた『デッド・ゾーン』や、狂犬病を発症してしまう巨犬による恐怖を描いた『クージョ』、作家の中に悪魔の分身が宿ってしまう『ダーク・ハーフ』も”キャッスロック”が舞台でしたね。映画版の『クージョ』『ニードフル・シングス』では、キャッスルロックは海辺に近い町として描かれていますが、本作ではもうちょっと内陸部のイメージ。人口約1,500人程度の本当に小さな町です。実際にアメリカのスモールタウンにも共通していることですが、お互いのことを知り尽くしているがゆえに、憎悪や怨恨がはびこりやすい設定なんです。キャッスルロックを舞台にした作品でも度々、住人の因縁話がでてくるのですが、それがすべてこの「キャッスルロック」という作品に流れ込んできたら・・・というとことが見どころです。ちなみに小説の「IT」や「不眠症」の舞台となる“デリー”、そして小説「呪われた町」、映画『死霊伝説』の舞台”セイラムズロット”もキング作品に登場する架空の町として有名です。また、メイン州に実在するルイストン、オーバーンやオーガスタ、バンガーもキング作品にはよくでてきます。
森氏:つまりローカルな舞台設定にもとづいた、フィクションだけど、実在する町もでてくる。とてもおもしろいですよね。
「キャッスルロック」は、まさにスティーヴン・キング・サーガ
森氏:本作には、別のキング作品に登場するキャラクターが出てきたり、世界観が交錯したりと、まさにスティーヴン・キング・サーガとも言えますよね。例えば、キャッスルロックが舞台の『スタンド・バイ・ミー』に触れるシーンがあったり、『ショーシャンクの空に』で有名なショーシャンク刑務所もでてきたり。
芝山氏:あと、キング作品でお馴染のキャラクター” アラン・パングボーン保安官”もでてきます。『ニードフル・シングス』ではエド・ハリス、『ダーク・ハーフ』では、マイケル・ルーカーがパングボーンを演じているのですが、2人ともがっちりとした体つきなんですよね。それが27年たち、本作で老人になったパングボーンがでてくるんですが、その役をスコット・グレンが演じています。さらに、映画『キャリー』以来、43年ぶりにキング作品への出演となるシシー・スペイセクが出ていて、この2人の大物キャストによってストーリーがより引き締まるんですよね。
森:これは絶対に狙ったキャスティングですね!
海外 TV シリーズ「キャッスルロック」は、キング作品の入門編としてお薦め
芝山氏:TVシリーズだと、ディテールと話の核を描くことができて、ストーリーもしっかり表現できるから、キングの作品に向いていますよね。あと、キング作品はただ怖いだけじゃなくて、骨太な部分や、規格外れなところもある。そういうおもしろさが、どこまで映像に反映されているか、そこがポイントですね。そして、ちょっと不思議に思ったところは、小説や映画を見て理解を深めてほしいなと思います。
森氏:特にキャッスルロックは、キング作品の入門編としてお薦めですよね。まだキングをよく知らない若い世代にもキングワールドの入り口として見てほしいです。
芝山氏:最後に、キングという人物は、身長190cm以上の長身で、おしゃべりが好きで、よく笑う人。オタクなイメージかもしれないけれど、まったくそうではなくて、パワーに満ち溢れた人なんです。そんな人が、恐ろしいストーリーを描くとどうなるかにぜひ注目してほしいです。
森氏:そのキングが描く最新映画『IT/イット THE END “それ”が 見えたら、終わり。』が11月1日公開、『シャイニング』の続編『ドクター・スリープ』が今冬公開、そして『ミザリー』の前日譚がストーリーのベースとなる本作のシーズン2 の製作も決定していて、ますます盛り上がりを見せていきますからね。キング作品の原点となる海外TV シリーズ「キャッスルロック」を見て、今後のキング作品に備えましょう!
リリース情報
「キャッスルロック」
2019年8月7日 ブルーレイ&DVD発売、 DVDレンタル開始 、デジタル配信中
■ブルーレイ コンプリート・ボックス(2枚組) ¥11,300+税
■DVD コンプリート・ボックス(3枚組) ¥9,400+税
■DVD レンタル Vol.1~Vol.5(各巻2話収録/全10話収録/各話約50分)
■デジタルセル
■デジタルレンタル
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/tv/castlerock/
コピーライト:(C) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
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