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『Cloud クラウド』黒沢清監督、釜山映画祭に登壇 ポン・ジュノ&濱口竜介監督からお祝いメッセージも

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韓国・釜山で開催中の「第29回釜山国際映画祭」(10/2(水)~10/11(金)開催)にて、映画『Cloud クラウド』の監督・脚本を務めた黒沢清が、アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞、オープニングセレモニーに登壇した。

アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞は同映画祭がその年のアジア映画産業に大きく貢献した人物を表彰するもので、これまで、鈴木清順監督、若松孝二監督、是枝裕和監督や音楽家の坂本龍一らが受賞している。

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屋外に設置されているメイン会場「映画の殿堂」は、満席の観客に埋めつくされ、途切れることのない歓声と拍手に沸いていた。レッドカーペットに登場した黒沢監督は、詰めかけたファンたちに笑顔で手を振り、カメラを向けられると丁寧に応じていた。ヴェネチア、トロントでも熱狂的なファンに迎えられたが、釜山でもその人気ぶりを見せつけた。

セレモニーがスタートし、黒沢監督の授賞式へと進むとスクリーンには、ポン・ジュノ監督と濱口竜介監督からサプライズでお祝いのメッセージビデオが。

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影響を受けた人物として黒沢監督の名を挙げているポン・ジュノ監督は「黒沢監督の長年の、そして筋金入りのファンとして、アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞の受賞、心からお祝いを申し上げます。『CURE』『回路』『トウキョウソナタ』『アカルイミライ』『クリーピー 偽りの隣人』『散歩する侵略者』・・・私が心の底から大好きな作品ばかりです。黒沢監督は我々に常に衝撃と刺激を与えてきました」と黒沢愛とともに賛辞を述べた。

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また、濱口監督は、「学生時代からたくさんのことを教わって、今自分が仕事ができているのも黒沢さんのおかげだと思っていて、全てを教わった様なそういう気持ちでおります。これからも恐ろしく、そしてなぜが爽快な映画を作り続けていってほしいと思います。その背中をずっと追いかけます」と恩師でもある黒沢監督へ感謝のメッセージを送った。

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感激した様子で壇上にあがった黒沢監督。スピーチでは、受賞は予想もしていなかったと前置きしつつ、「僕が映画を撮り始めてもう40年になりますが、僕の映画人生の半分は釜山映画祭に見守られていたと言っていいでしょう。その20年間のキャリアが評価され、このような名誉ある賞をいただけたのだと思います。たいへん感激しております」と、笑顔を浮かべながら映画祭への感謝を伝えた。

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また、「釜山映画祭の観客は、世界で最もハイ・レベルな観客だと僕は思っている。その方たちに、僕の最新作2本をお見せする為に、僕はまた釜山にやってきました」と、『Cloud クラウド』『蛇の道』と2作上映されることを喜び、そして映画祭の観客への熱い思いを伝えると、場内からもそれにこたえるように、黒沢監督へ惜しみない拍手が送られた。

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『Cloud クラウド』は、同映画祭のメインプログラムでありその年の話題作や世界で影響力のある監督の新作を上映する「ガラ・プレゼンテーション」部門で正式上映される。目の肥えた観客たちが、黒沢ワールドをどう楽しむのか、反応も楽しみだ。

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黒沢清監督 コメント全文
このような素晴らしい賞をいただき、驚いております。
予想もしませんでした。
僕が映画を撮り始めてもう40年になりますが、初めて釜山映画祭に参加したのはおよそ20年前なので、僕の映画人生の半分は釜山映画祭に見守られていたと言っていいでしょう。
その20年間のキャリアが評価され、このような名誉ある賞をいただけたのだと思います。
たいへん感激しております。
と、ここまでは過去の話でした。
みなさんが興味あるのはやはり現在ですよね。
僕は今年2本の映画を完成させましたが、その2本が両方ともこの釜山映画祭で上映されます。
僕にとってはこれが何よりも嬉しいことです。
釜山映画祭の観客は、世界で最もハイ・レベルな観客だと僕は思っておりますが、その方たちに、僕の最新作2本をお見せする為に、僕はまた釜山にやってきました。
20年前から僕の作品を見続けてくれている方も、今回初めてご覧になる方も、どうぞ楽しみにしていてください。
本日はありがとうございました。

ポン・ジュノ監督 メッセージ全文
黒沢監督の長年の、そして筋金入りのファンとして、アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞の受賞、心からお祝いを申し上げます。
『CURE』『回路』『トウキョウソナタ』『アカルイミライ』『クリーピー 偽りの隣人』『散歩する侵略者』・・・私が心の底から大好きな作品ばかりです。黒沢監督は我々に常に衝撃と刺激を与えてきました。1人のフィルム・メーカーとして、黒沢監督に今一度感謝をお伝えします。
釜山で素敵な時間を過ごされることを、心の底からお祈りしております。

濱口竜介監督 メッセージ全文
おめでとうございます。学生時代からたくさんのことを教わって、今自分が仕事ができているのも黒沢さんのおかげだと思っていて、全てを教わった様なそういう気持ちでおります。
これからも恐ろしく、そしてなぜが爽快な映画を作り続けていってほしいと思います。
その背中をずっと追いかけます。改めて、おめでとうございます。


映画『Cloud クラウド』は全国公開中。

ストーリー
吉井良介(菅田将暉)は、町工場に勤めながら“ラーテル”というハンドルネームを使い転売で日銭を稼いでいた。医療機器、バッグにフィギュア……売れるものなら何でもいい。安く仕入れて、高く売る、ただそれだけのこと。転売の仕事を教わった高専の先輩・村岡(窪田正孝)からの“デカい”儲け話にも耳を傾けず、真面目にコツコツと悪事を働いていく。吉井にとって、増えていく預金残高だけが信じられる存在だった。
そんな折、勤務先の社長・滝本(荒川良々)から管理職への昇進を打診された吉井は、「3年も働いたんだ。もう十分だろう」と固辞し、と、その足で辞職。郊外の湖畔に事務所兼自宅を借り、恋人・秋子(古川琴音)との新しい生活をスタートする。地元の若者・佐野(奥平大兼)を雇い、転売業が軌道に乗ってきた矢先、吉井の周りで不審な出来事が重なり始める。徘徊する怪しげな車、割られた窓ガラス、付きまとう影、インターネット上の悪意――。負のスパイラルによって増長された憎悪はやがて実体を獲得し、狂気を宿した不特定多数の集団へと変貌。その標的となった吉井の「日常」は急速に破壊されていく……。

『Cloud クラウド』
出演:菅田将暉
古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝
赤堀雅秋、吉岡睦雄、三河悠冴、山田真歩、矢柴俊博、森下能幸、千葉哲也、松重豊
監督・脚本:黒沢 清
製作幹事:日活 東京テアトル
配給:東京テアトル 日活
(C)2024 「Cloud」 製作委員会

公式サイト:cloud-movie.com
公式X:@cloudmovie2024
公式Instagram:@cloudmovie2024

TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中

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