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菅田将暉が黒沢清監督の受賞をお祝い 映画『Cloud クラウド』受賞記念トークイベント開催

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映画『Cloud クラウド』の監督・脚本を務めた黒沢清が、第29回釜⼭国際映画祭でアジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞したことを記念したトークイベントが10⽉15⽇にTOHOシネマズ 六本木にて行われ、黒沢監督と主演の菅⽥将暉が登壇した。

菅⽥は冒頭の挨拶で「⿊沢監督、おめでとうございます。世界中にファンの⽅がたくさんいて、今更かもしれませんけど、すごく嬉しい気持ちです」と祝福。その⼀⾔に⿊沢監督は「がんばりました」と笑顔で応えた。

続けて釜⼭国際映画祭での思い出として、映画『新感染』シリーズや、菅⽥も出演したNetflixドラマ「寄⽣獣 ―ザ・グレイ―」でも知られる韓国のヨン・サンホ監督との現地で交わしたやりとりについて披露。ヨン・サンホ監督は『Cloud クラウド』公開に際して本作を絶賛し、「主演の菅⽥将暉は本作で、⿊沢清監督の独創的で明確な映画の⾊を完璧に表現している。それは単に『芝居が上⼿い』ということではなく、それ以上の意味として、映画を俳優が⽀配していると⾔える」と菅⽥の存在感を称賛していたが、⿊沢監督はこの「菅⽥将暉が映画を⽀配している」という表現がいたく気に⼊り、現地でヨン・サンホ監督本⼈にこの表現を「使わせてもらいたい」とお願いしたというエピソードを明かす。

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そして、⿊沢監督は「あまりに良い表現なので、それ以来、取材を受けると、そのように⾔うことにしています(笑)」「何⼈もの⼈から『脚本で最初から菅⽥将暉を当て込んで書いたのか?『(菅⽥さんを)イメージして書いたのか?』と聞かれたんですよね。『いやいや、最初は誰とも決めずに書いたんだ』と⾔ったけど、菅⽥さんのためにつくった映画みたいに⾒える――それは、何となく映画のテイストを菅⽥さんが全部コントロールしているような雰囲気を最初から持ってしまっているってことなのかなと」と語った。

続いてこの日は、事前に募集した質問に⿊沢監督と菅⽥が回答。「この映画でもらった⼀番嬉しい感想は?」という最初の質問に菅⽥は「同業ではない普通の友達から『めっちゃ⾯⽩かった』『次に会う時、話聞かせて』と。このテンションでの『⾯⽩い』という感想をもらったのは初めてかも。いわゆる『⾷らった』『泣いた』というテンションの『⾯⽩かった』ではなく『すごく良い時間だった』というテンションの『⾯⽩かった』は初めてでした」と⾝近なところからの嬉しい感想を明かし、⿊沢監督は、事前の予備知識なしで観たという観客からの感想として「僕も『びっくりした』とか『いまの⽇本映画で、こんなのありなんですね』という感想は嬉しかったですね」と答えた。

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そして菅⽥は、⿊沢監督の⾔葉にうなずきつつ「“語彙⼒失ってる系”の感想も嬉しいですね。ヤバいもの体験した――何て⾔葉にすればいいかわからないけど、なんか楽しかった、みたいな⾔葉も多かったですね」と笑顔を⾒せた。

さらに「⼆回⽬以降の観客に向けて『ここに注⽬してほしい』というポイントは?」という質問に⿊沢監督は「どこで、どんな⾳楽が⼊ってくるかを気にしていただくといいかもしれません。『こんなところで⼊ってくるの?』とか、普通は⼊りそうなところで、全然⼊ってないとか、『こんな曲が流れるかな』というところで、全くそうといえない曲が流れたり、それなりに考えて、凝って⼊れています」と⾳楽による仕掛けを明かし、菅⽥も「僕は、引っ越した時にかかる⾳楽がすごく好きです。『こんなオシャレなフランス映画に出られて…』という気持ちに。⼀瞬なれました(笑)」と本作での⾳楽が果たす役割の⼤きさについて⾔及した。

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さらに質問は「ラストシーンで菅⽥さん演じる吉井が⾒せる表情について<笑い顔なのか?修羅(怒り)の表情なのか?どんな感情を表現しようとしているのか?>」というものにも及び、菅⽥はネタバレを避けるために⾔葉を選びつつも「完成作を⾒て『こんな感じなんだ︕』と驚きました」と振り返り、⿊沢監督も「とても良い質問だと思います」と笑みを浮かべた。

そして「撮っている時のことをよく覚えてます。脚本には『何となく笑ってしまう』と書いていました。僕は現場では何も⾔わず、菅⽥さんがどんな感じで演じるのか、笑うのか?笑わないのか――?と⾒ていると『あぁ、なるほど。うまいなぁ。こう演じるのか』と納得しました。表情は笑っていないようにみえるのですが、声で『フッ』という笑い声を⼀瞬いれたんですね。でも顔は笑ってないという絶妙なお芝居をされていて本当に感⼼しました」と菅⽥の表情や感情表現のさじ加減について絶賛した。

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ちなみにこのシーン、順番的には後半の様々なアクションシーンよりも以前に撮影されていたとのこと。そのため菅⽥は「『吉井はどうなるんだろう?』と。⼼⾝ともにボロボロになった先にスッキリするでもなく、乗り越えたわけではないけど、何か達成してしまった――不特定多数の者から、⼀線を越えて“何者”かになってしまった潔さみたいなものはイメージして演じました」と振り返った。

舞台挨拶の最後に菅⽥は、改めて⿊沢監督の受賞を祝福し「嬉しい機会に⼀緒に登壇できて光栄です」と語り、⿊沢監督は「まさにヨン・サンホ監督が⾔ったように、菅⽥将暉が⽀配する映画です。決してハッピーな映画ではないかもしれませんが、ダークな菅⽥将暉を存分に楽しんでいただければと思います」と呼びかけ、温かい拍⼿の中、舞台挨拶は幕を閉じた。

ストーリー
吉井良介(菅田将暉)は、町工場に勤めながら“ラーテル”というハンドルネームを使い転売で日銭を稼いでいた。医療機器、バッグにフィギュア……売れるものなら何でもいい。安く仕入れて、高く売る、ただそれだけのこと。転売の仕事を教わった高専の先輩・村岡(窪田正孝)からの“デカい”儲け話にも耳を傾けず、真面目にコツコツと悪事を働いていく。吉井にとって、増えていく預金残高だけが信じられる存在だった。
そんな折、勤務先の社長・滝本(荒川良々)から管理職への昇進を打診された吉井は、「3年も働いたんだ。もう十分だろう」と固辞し、と、その足で辞職。郊外の湖畔に事務所兼自宅を借り、恋人・秋子(古川琴音)との新しい生活をスタートする。地元の若者・佐野(奥平大兼)を雇い、転売業が軌道に乗ってきた矢先、吉井の周りで不審な出来事が重なり始める。徘徊する怪しげな車、割られた窓ガラス、付きまとう影、インターネット上の悪意――。負のスパイラルによって増長された憎悪はやがて実体を獲得し、狂気を宿した不特定多数の集団へと変貌。その標的となった吉井の「日常」は急速に破壊されていく……。

『Cloud クラウド』
出演:菅田将暉
古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝
赤堀雅秋、吉岡睦雄、三河悠冴、山田真歩、矢柴俊博、森下能幸、千葉哲也、松重豊
監督・脚本:黒沢 清
製作幹事:日活 東京テアトル
配給:東京テアトル 日活
(C)2024 「Cloud」 製作委員会

公式サイト:cloud-movie.com
公式X:@cloudmovie2024
公式Instagram:@cloudmovie2024

TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中

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