短編映画『SIGNATURE』が第70回ロカルノ国際映画祭ほかで高い評価を受けた近浦啓監督の長編映画デビュー作『コンプリシティ/優しい共犯』が1月17日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショーとなる。
本作の主人公は中国から技能実習として日本にやってきた青年チェン・リャン。技能を習得しようと期待に胸を膨らませ日本にやってくるが、劣悪な職場から逃亡、他人になりすましてある蕎麦屋で働き始める。本作は彼を受け入れる孤独な蕎麦職人・弘(藤竜也)とチェン・リャンはまるで親子の様に絆を構築するが、不法滞在者を追う警察の手がチェン・リャンに迫る。お互いの幸せを願い、二人がくだす決断とはー。
中国からやってきた若者が日本で働きながら成長していく姿を描いた本作にちなみ、今や日本で大活躍のLiLiCoさん、そして2017年後半に本人が投稿したSNS画像が“可愛すぎる”と話題を集め、2018年春に来日して以来、ドラマティックドキュメンタリー番組『ダブルベッド』に出演するなど日本での活躍の場を拡げている中国人美女“栗子”ことロン・モンロウさん登壇の公開記念トークイベントが実施された。
イベントでは二人の来日時の苦労エピソード、そしてロン・モンロウさんがさらに日本で活躍するために、芸能界の先輩としてLiLiCoさんよりアドバイスが語られた。
■日時:2020年1月9日(木)18:30よりトークイベント開始 ※上映前
■場所:神楽座(千代田区富士見2丁目13-12 KADOKAWA富士見ビル1F)
■登壇:LiLiCo、ロン・モンロウ、MC:奥浜レイラ
ロンが「みなさんこんばんは。明けましておめでとうございます。今日はここにくることができて嬉しいです。映画を楽しんでください」と日本語で挨拶し、「え?日本に来て1年目だよね?私より日本語上手いよね」とロンの流暢な日本語での挨拶でLiLiCoを驚かせ、イベントがスタート。
「今中国と日本にも解決しないといけない問題がたくさんあります。映画を観て私のような若い人たちがもっともっと日本と中国の架け橋になって徐々に改善していきたいと思いました」と映画の感想を語ったロン。
「みんな忘れているかもしれないけど、私スウェーデン人で18歳で日本に来てすぐにデビューはできたけど、お仕事をコンスタントに頂くまでは22年くらいかかったんです。」と長い下積み時代を明かしたLiLiCo。
映画については「まずこの映画は色彩が綺麗だと思った。日本に来た頃の懐かしい感じがしていて、改めて日本好きだなと思った。誰に出会うかによって日本での生活が変わるんだなって。(主人公は)いい人たちに出会ったんだねって、自分と重ね合わせることもいっぱいありました」と続けた。
日本語を覚えるコツとして、ポスターの主人公を指さしながら「恋ってね言葉を覚えるんですよ。覚えるのに一番いいのは恋なんですよ」とのアドバイスにロンははにかんだ。その流れで日本の男性について聞かれるとロンは「優しいです」と笑顔。「逆にどうやったらLiLiCoさんみたいに素敵な結婚ができますか?」とアドバイスを求めるロンに、「今みなさんにみせているロンさんじゃなくて素のロンさんを好きになってくれる人を見つけることですね」と幸せそうなLiLiCo。するとロンは「素の私は実は男の子ようにとても強いんです。」とカミングアウトし会場を驚かせた。
来日して戸惑ったことについては「やはり間違いなく言葉です、日本語。劇中でルー・ユーライさんが苦労しているように私もとっても苦労しました」と日本語の難しさを痛感したというロン、「ドラマやテレビで勉強している」と明かした。
日本の“早生まれ“で学年が変わったりすることが未だに混乱するようで「永遠に慣れない.こんなに長くいるのによくわからない」とLiLiCO。また日本で暮らしていく上1番大変なのはビザの取得というLiLiCoは「日本はすっごい難しい。今でも『日本で何してるんですか?』って聞かれるから毎回泣きそうになる。どんなに頑張っても(在留期間が)1年だから。今やっと30年いて、3年とか5年をもらうようになった」としみじみ。
「今でも入国管理局に行くたびに『あ、外国人なんだな』って感じます。みんなには『もうLiLiCoさん日本人ですよ!』って言われるんですけど、全然日本人ではないですね」と苦労を吐露した。
日本の好きな文化について、おしぼりを挙げたLiLiCo。「おしぼりは日本の素晴らしい文化です」とロンにその良さの力説っぷりに会場からは笑いが起こった。また「日本人は芸人じゃなくて普通の人も面白い。一発芸ができたり、話が面白い人が多い」と日本人の印象を語った。
ロンも最近覚えた「人生は山あり谷あり」という日本語が好きだと話した。
最後にこれから映画を観るファンに向けて、「人生は難しいことがたくさんあります。失敗するかもしれないし成功するかもしれないけど何度でも一生懸命いきていかなければならないと思います」とロン、「この映画の蕎麦屋さんのように凄く優しくて理解力があって、必死で主人公も頑張って。すごく人間味に溢れた映画だと思う。」と幕を閉じた。
作品タイトル:『コンプリシティ/優しい共犯』
出演:ルー・ユーライ 藤竜也
赤坂沙世 松本紀保 バオ・リンユ シェ・リ ヨン・ジョン 塚原大助 浜谷康幸 石田佳央 堺小春 / 占部房子
監督・脚本・編集:近浦啓
主題歌:テレサ・テン「我只在乎ニィ(時の流れに身をまかせ)」(ユニバーサル ミュージック/USMジャパン)
製作:クレイテプス Mystigri Pictures
制作プロダクション:クレイテプス
2018/カラー/日本=中国/5.1ch/アメリカン・ビスタ/116分
配給:クロックワークス
公式サイト:http://complicity.movie
コピーライト:(C)2018 CREATPS / Mystigri Pictures
2020年1月17日 (金)より新宿武蔵野館にてロードショー