【レポート】『CUBE 一度入ったら、最後』清水康彦監督が故郷、福井県へ!凱旋ティーチインイベント実施

CUBE 一度入ったら、最後

密室ものの先駆けとして、世界中でカルト的人気を誇るヴィンチェンゾ・ナタリ監督の映画『CUBE』(1997)の初の公認リメイク作品『CUBE 一度入ったら、最後』(公開中)の「監督凱旋ティーチインイベント」が実施され、メガホンをとった清水康彦監督とプロデューサー・石田聡子が、監督の故郷・福井の3劇場へ凱旋した。

映画『CUBE 一度入ったら、最後』ティーチインイベント

【日時】10月24日(日) 11:30-11:50/14:40-15:00/16:05-16:25
【場所】鯖江アレックスシネマ/福井コロナシネマワールド/テアトルサンク
【登壇】清水康彦監督 石田聡子プロデューサー

監督の生まれ故郷とあってアットホームな空気感が漂う中、清水監督と石田プロデューサーが登場すると、上映後の各劇場は大きな拍手で包まれた。清水監督が「今日は来てくれてありがとうございます。」と挨拶しイベントが始まると、地元福井での凱旋舞台挨拶が実現した今の気持ちについて「今までお正月やお盆、映像のワークショップなどで毎年帰ってきたりはしていたが、コロナの影響もあり2年半ぐらい帰省できていなかったので、僕が映像をやってきた中で一番大きい仕事で作品を持って帰ってきて皆さんとお会いできるのがとても嬉しいです」と語った。帰省の際には自分の実家や奥様の実家でおそばを食べたり「パ軒」(ヨーロッパ軒を福井ではこのように略す)というソースかつ丼のお店に行くという地元ならではの話になると一気に観客の顔はほころんだ。

地元福井でもたくさんの反響があったという本作についての話では、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の『CUBE』のリメイクの監督依頼があった際の心境ついて「自分がやってよいのかと思いながらも、影響を受けた作品だったので二つ返事でひきうけた。どうやって作っていくのかという点はみんなで苦労しながらも、キャストとも集まったりしてそれぞれと熱い話をしながら作り上げていった」と清水監督。石田プロデューサーは「監督と一番最初に話した時に、CUBEは究極のスリラーであると同時に究極の人間ドラマであると監督が仰っていて、それがまさに私がやりたいと思っていたところと合致したので是非ご一緒したかった、それを6人のキャスト全員と共有しながら作った印象だった」とそのオファーの裏側を語った。

実力派キャストの面々について清水監督は「芝居力がないとできない作品であり、1つのセットで6人がずっと映っている状態で撮影するので、それぞれが自ら考えて動けるひとたちでないといけなかったが、そこが皆さんやはりすごかった」と語ると、石田プロデューサーも「独特な緊張感があった」と撮影の様子を振り返った。撮影中の印象的なエピソードでは「映像の仕事をしていて、ずっと一つの場所に通うということはあまりなかったので会社に通うような気分だったが、現場の雰囲気はこういう作品だがカットがかかると和気あいあいと楽しそうにやっていた」と撮影当時を振り返り懐かしむ場面も。進んだ立体の模型を作ったりしてキャストたちと一緒に確認しながら撮影を進めていたという。

CUBE 一度入ったら、最後

さらに今回は観客からの質問にも答えるティーチインイベントということで、様々な質問に回答。本作を鑑賞した観客から「製作活動をしている上で大事にしていることは何か」と質問があがると、清水監督は「映画を通してしか共有できないんじゃないかと思うポイントを映画にしたときに大勢の人とそれを共有できるんじゃないかという奇跡みたいなことを信じてそれを映画に込める。そしていつか全ての人と共有したいという思いをもってやっている」と熱く語った。

最後の質問で「同じ福井に育ったがどういったところから今回のCUBEのような発想が生まれるのか」という質問が挙がると、清水監督は「きっと日々の視点が反映されているのだろうと思う。自身は拠点を変えていった人間だが、変えていった中で気づいたことは“自分”というものは変わらなくて、より“自分らしく”なっていくだけ。環境を変えてたとしても“自分”とは向き合っていかなければならないし自分の中に問題を見つけて解決していくことが、次の生きていくことにつながるのではないかと思うようになった。それをテーマとして持っていってれば四角い箱の中であってもファンタジーの世界であっても時代劇でも描けるのではないかと思った」と本作に込めた思いを熱く語った。

観客から監督へ花束のサプライズプレゼントが飛び出す劇場もあるなど、歓迎ムード一色の本日の凱旋ツアーだったが最後に清水監督は「こうやってたくさんの人と同じ空間にいること自体が久し振りで、このコロナ禍での上映でどうなるのだろうかと考えていたが、無事上映できて、また地元福井に帰ってくることができてこの作品を通して皆さまと会えて、「仲間」と会えて、いろんな気持ちを共有できたと思うのでこれからも福井県民として映画を頑張っていこうと思いますので応援よろしくお願いします。今日はありがとうございました!」と締めくくり、客席からの盛大な拍手の中、大盛況のうちに3劇場での監督凱旋ティーチインイベントは終了した。

CUBE 一度入ったら、最後

菅田将暉主演、ヴィンチェンゾ・ナタリ「CUBE」初の公認リメイク!
この部屋に一度入ったら、最後―。

ストーリー
目が覚めるとそこは謎の立方体=CUBEの中だった―。
突然閉じ込められた男女6人。エンジニア、団体職員、フリーター、中学生、整備士、会社役員。彼らには何の接点もつながりもない。理由もわからないまま、脱出を試みる彼らを、熱感知式レーザー、ワイヤースライサーや火炎噴射など、殺人的なトラップが次々と襲う。仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。体力と精神力の限界、極度の緊張と不安、そして徐々に表れていく人間の本性…。恐怖と不信感の中、終わりが見えない道のりを、それでも「生きる」ためにひたすら進んでいく。果たして彼らは無事に脱出することはできるのか?!

作品タイトル:『CUBE 一度入ったら、最後』
出演:菅田将暉、杏、岡田将生、柄本時生、田代輝、山時聡真、斎藤工/吉田鋼太郎
原作:ヴィンチェンゾ・ナタリ「CUBE」
監督:清水康彦
コンセプトデザイン:カイル・クーパー
クリエイティブアドバイザー:ヴィンチェンゾ・ナタリ
主題歌:星野源「Cube」(スピードスターレコーズ)
製作:「CUBE」製作委員会
配給:松竹株式会社

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/cube/
公式Twitter:@cube_m0vie
公式Instagram:@cube_m0vie
公式TikTok:@cube_m0vie
コピーライト:(C)2021「CUBE」製作委員会

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