映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』(2月2日(金)公開)の先行試写会が実施され、上映後のトークイベントに株式投資家のテスタ氏が登壇した。
アメリカの金融マーケットで実際に起きた前代未聞の事件を描いた本作にちなんで登壇したテスタ氏は、2005年に300万円を元手に投資をスタートして以来、19年間投資を続け、累計利益は80億円を超えるという人気カリスマ個人投資家。株式投資家としてYouTubeをはじめTVやSNSでも活躍している。
映画『ダム・マネー ウォール街を狙え!』
先行試写会&株式投資家・テスタ登壇トークイベント 概要
日時:1月26日(金) 20:45~21:15(30分間)
登壇者(敬称略):テスタ(株式投資家)、MC/立田敦子(映画ジャーナリスト)
場所:神楽座
上映後、大きな拍手で迎えられたテスタ氏は「本日は寒いなかお集まりいただきありがとうございます」と挨拶をしつつ、「僕は株式投資家ですので日々、投資の利益だけで生活をしています。なので主人公キース・ギルに共感できる部分も多く、とても面白かったです」とコメント。
本作は2021年のアメリカで実際に起きた“ゲームストップ株騒動”に基づく実録エンターテインメント。アメリカでは社会現象にもなったこの騒動だが、テスタ氏は「ゲームストップ株騒動は当時ほんとうにびっくりしました。僕は主に日本株の取り引きを行っていて、この騒動はアメリカ株ですので市場は異なりますが、それでもやっぱり大きなニュースになりましたよね」と当時を振り返りながら、「2021年の騒動だと思うと、本当に映画化が早いですよね。旬を逃さないところがすごいと思います。もう映画化されたんだ!とびっくりしました」と率直に語った。
また映画の感想を聞かれると「とにかくリアリティがすごい!実在の人物を実名で描いていて、許可取ってるのか?と不安になるところもありつつ、夢がありますよね。1千万が10億に、となったわけですから。たった2、3年前の出来事でもあって、そこが完全なフィクションとはまた違った感覚で見られる点ですね」と本作の見どころを紹介した。
本作で描かれる“ゲームストップ株騒動”は、個人投資家で主人公のキース・ギルが強欲エリートたちの〈空売り〉に対抗していく筋書き。聞きなれない投資専門用語も飛び出す作品だが、“投資をやっている人はどのくらいいますか”という問いかけには会場の半数が挙手。これに対してテスタ氏は、「時代は変わりましたね。若い方も多くいらっしゃる。やはり新NISAなども始まって株式投資が一般的になってきたと感じます。僕が投資を始めた20年前の頃は、ほとんど誰もやっていませんでしたから。知っている話題の映画の方が頭に入ってきやすいと思いますし、まさに今見るべき作品だと改めて感じますね」と評価。
また〈空売り〉についても、「普通は株って、買って、値段が上がったら売ります。対して〈空売り〉の場合は売るところからスタートなんです。なので株の値段は下がった方が儲かるというのが〈空売り〉の仕組みです」と簡単な解説を披露してくれた。
ウォール街のエリートたちとSNSで集結した個人投資家たちの下剋上的な対立構造も本作の魅力のひとつ。そんな個人投資家とウォール街のエリートたちの対立構造は、日本でも起き得ることなのか?との質問には「可能性はあると思います」と前置きしつつ、「ただ、法律が追い付いていないだけで、もうあと1年の間に捕まるなんてこともあるんじゃないかと僕は思います。それくらい、配信やSNSなどで言及し実際に株価が動いてしまうことで“株価操縦”という罪にみなすかどうかは結構グレーなところがあるため、僕自身もライブ配信で株式投資について話す際には具体的な株の銘柄についての話は避けているんですよ」とSNSで活躍する投資家ならではの答えが飛び出した。
さらに、話題は本作の主人公キース・ギルの投資法に。初心者の投資は“分散投資”が基本と言われるなか、キース・ギルはギャンブルのように全財産を投資へつぎこむ。彼の投資スタイルについて、投資家という立場から見た意見を求められると、「いや、絶対だめだと思いますよ」と断言し、会場からは笑いが。「人生を賭けてひとつの銘柄に投資するというのは、まさしくギャンブルだと思いますし、当たればもちろん利益は大きいですが僕はオススメしないです」としつつ、「ただ彼の何よりすごかったところは、全財産を投資して余裕のない中で、1億や2億、10億になっても売らずにいたというところですね。これはなかなかできることじゃないと思います。それほどの強い想いと、精神力の賜物ですよね」と関心していた。
またテスタ氏は、同じ個人投資家として本作の主人公キース・ギルに共感する部分も多かったという。最もリアリティがあったと感じるシーンには、主人公が周りの人たちから株を売れと迫られる場面をチョイス。「本当にそのままですよ。家族も友人もみんな売れ売れと言うのが一般的な感覚だと思います。それでも売らなかったのがやはりすごかったですね。僕は、持ち株が何億円になったときに、親にはもうやめておきなさいと言われましたけど、その点では主人公と同じく耳を貸さずに続けました。ギャンブルではないと思っていますから。増えるべくして増えると思ってるし、そういう自分を信じて続けています。何事もやってみなきゃわからない」と自身の経験も踏まえ熱くコメント。
最後に、本作を見て投資を始めようという方も多くいると思うので株式投資の初心者へ向けたアドバイスはありますか?という質問に「こういう映画を見て始めようというのは危険だということがアドバイスですかね」と笑顔を見せ会場の笑いを誘った。また、「映画は映画なので、もちろん夢を見ることは大事ですが、勉強して始めるというのが大事だと思います。最も重要なのは自分名義の口座内でやりくりすること。被害にあった後だと何にもできないんですよね。凄腕トレーダーが勝手にお金を増やしてくれるということはないですから」と呼びかけ、温かい拍手のなかでトークイベントは終了した。
ストーリー
コロナ禍まっただ中の2020年。米マサチューセッツ州の平凡な会社員キース・ギル(ポール・ダノ)は、全財産の5万ドルをゲームストップ株につぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売するゲームストップ社は業績が低迷し、倒産間近のボロ株と見なされていたが、キースは赤いハチマキを巻き、ネコのTシャツ姿の“ローリング・キティ”という別名義で動画を配信し、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴える。すると、キースの主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。同社を空売りしてひと儲けをもくろんでいた金融業界の大富豪たちは巨額の損失を被った。やがてSNSに集った無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻したこのニュースは、連日メディアをにぎわせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースの行く手には、想像を絶する事態が待ち受けていた……!
作品タイトル:『ダム・マネー ウォール街を狙え!』
出演:ポール・ダノ、ピート・デヴィッドソン、ヴィンセント・ドノフリオ、アメリカ・フェレーラ、ニック・オファーマン、
アンソニー・ラモス、セバスチャン・スタン、シャイリーン・ウッドリー and セス・ローゲン
監督:クレイグ・ギレスピー
原作:ベン・メズリック
脚本:ローレン・シューカー・ブラム&レベッカ・アンジェロ
2023/アメリカ/英語/105分/カラー/5.1ch/ドルビーデジタル/スコープ/原題:DUMB MONEY/字幕翻訳:橋本裕充
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
公式サイト:dumbmoney.jp
公式X:@DumbmoneyJP
コピーライト:(C)2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.
2月2日(金)TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー!
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