ベストセラー作家・伊坂幸太郎“初”にして“唯一”の恋愛小説集を、斉藤和義の音楽にのせ、『愛がなんだ』の今泉力哉監督が映画化することでも話題を呼んでいる『アイネクライネナハトムジーク』(英語タイトル:Little Nights, Little Love)が、「第22回上海国際映画祭」のコンペティション部門に正式出品された。
当日は、1000人という上海国際映画祭で最大級のキャパシティを誇るメインスクリーンの「上海影城(Shanghai Film Art Center)」が若い男女を中心に満席となる賑わいを見せ、エンドロールに入ると会場からは大きな拍手が。
また、鑑賞中は度々笑いが起こったり、印象的なシーンでは涙を流す人も出るなど、暖かな雰囲気に包まれての上映となった。その後、Q&Aに今泉力哉監督が登壇し、サプライズで三浦春馬さんからのコメントが読み上げられると、会場からは黄色い歓声が上がった。さらに終映後は、監督にサインをもらおうと観客が押しかけ、身動きが取れなくなる一幕も。※以下にQ&Aの内容とあわせてレポートを掲載しています。
今回、日本映画でコンペティション部門(実写部門)に選出された作品は、本作『アイネクライネナハトムジーク』のみとなる。
これまでコンペティション部門では、第6回(02年)に岩井俊二監督作『リリイ・シュシュのすべて』が、審査員特別賞と最優秀音楽賞を受賞、さらに第8回(05年)には三原光尋監督作『村の写真集』が最優秀作品賞(金爵奨)を受賞、近年では第19回(16年)に阪本順治監督作『団地』で主演の藤山直美が最優秀女優賞を受賞するなど、日本映画への注目度が高いのも伺い知れる。
授賞発表は、現地時間の6月23日(日)。是非ご期待いただきたい。
第22回上海国際映画祭 コンペティション部門出品 概要
実施日時場所(現地時間)/6月20日(木)@上海影城 15:45~上映+監督のQ&A
監督:『アイネクライネナハトムジーク』を監督しました今泉力哉です。映画祭で沢山映画がある中で、この映画を選んで頂いてありがとうございます。この広い会場が満席になっているのを見てすごく嬉しいです。 日本でもまだ関係者やマスコミの皆様向けにしか試写を行っていないので、一般の方に観て頂くのはこの機会が初めてになります。僕も上映を皆さんと一緒に楽しみながら観ることが出来ました。
観客:(拍手)原作は伊坂幸太郎さんの小説で、様々なエピソードが絡み合う物語だと思います。ひとつの物語にまとめるために工夫されたことはありますか?
監督:伊坂作品を過去何作も担当されている脚本家の鈴木さんと一緒につくっていきました。最初は一人で脚本を書きますと言ったんですが、全然書けなくて。鈴木さんに助けていただきながら進めていったという経緯があります。この映画もそうですが、僕一人で出来ることなんて限りがあって。色んな人が携わって出来上がっていった作品だと感じています。
観客:(拍手)
ここで、サプライズで届いた三浦春馬さんからのコメントを司会が読み上げる。
三浦コメント:この作品は決して壮大ではないけれども、一人一人が確かに心に持っている「小さな愛」が溢れている映画です。誰かが誰かを想い、その想いが連鎖を起こし、生まれる小さな奇跡の連続を大事に描いた作品となっています。この映画が上海の地で、一足早く皆さんにご覧いただけることを幸せに思います。ありがとうございました。
観客:(歓喜の声+拍手)
観客:「愛がなんだ」とはまた違うテイストの作品になっていると感じましたが、いかがでしょうか?
監督:作品のテイストや温度は2作とも違うかもしれないですが、描いているものはどちらも“愛”についてです。『アイネクライネナハトムジーク』は家族の話もありますし、『愛がなんだ』は恋愛に寄せていたりもしますが、僕の中ではどちらもハッピーエンドであることが大切というよりは、ベストじゃなくてもこういう関係もいいよね、というのに惹かれている部分があってそれを描いています。小さな失敗とか、人間ぽい部分、人のダメさや弱さを描いているというのが、2作では共通しているところだと思っています。そして、そういうところに自分はすごく興味があります。小さい失敗をどう面白く捉えるかなど、例えば、自分でホテルでアイロンをかけたらここをちょっと焦がしちゃったんですけど、、、そういうのもありながらもそれをポジティブに捉えていく、そんなことができたらいいなと思っています。
本作は、人気作家・伊坂幸太郎“初”にして“唯一”の恋愛小説集で、すでに54万部(2019年6月現在)を売り上げる同名ベストセラー「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)の映画化。
出演者として彩るのは、人気実力派の三浦春馬、さらに多部未華子。三度目の共演となる二人の恋を軸に、豪華かつフレッシュな魅力きらめくキャスト陣が演じる、不器用ながらも愛すべき人々のめぐり会いの連鎖を10年に渡り描く。
メガホンを取るのは、恋愛群像劇の旗手として今最も注目を集め、「映像するなら彼しかいない」と伊坂がラブコールを送った今泉力哉。脚本は伊坂原作に定評のある鈴木謙一。
さらに、映画の中でもキーとなる主題歌『小さな夜』と劇中音楽をシンガーソングライターの斉藤和義が手がける。多くの才能の<出会い>の連携が生んだ、愛と驚きに満ちあふれた<出会い>についてのラブストーリー。
ストーリー
仙台駅前。大型ビジョンには、日本人のボクシング世界王座をかけたタイトルマッチに沸く人々。そんな中、この時代に街頭アンケートに立つ会社員・佐藤(三浦春馬)の耳に、ふとギターの弾き語りが響く。歌に聴き入る紗季(多部未華子)と目が合い思わず声をかけると、快くアンケートに応えてくれた。二人の小さな出会いは、妻と娘に出て行かれ途方にくれる佐藤の上司(原田泰造)や、分不相応な美人妻(森絵梨佳)と可愛い娘を持つ佐藤の親友(矢本悠馬)、その娘の同級生家族、美人妻の友人で声しか知らない男に恋する美容師(貫地谷しほり)らを巻き込み、10年の時をかけて奇跡のような瞬間を呼び起こす――。
原作情報
伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)
「アイネクライネ」に始まり「ナハトムジーク」で終わる、六章から成る連作小説集。伊坂には珍しく恋愛がテーマとなっており、すでに54万部を突破するベストセラー。(2019年6月現在/電子書籍を除く)
主題歌情報
斉藤和義「小さな夜」(スピードスターレコーズ)
原作の始まりに関わり、劇中音楽も手がける斉藤が、映画のために新たに書き下ろした主題歌。劇中に登場するストリートミュージシャンが10年に渡って奏でる、映画の中でもキーとなる楽曲でもあり、映画自体もこの楽曲で締めくくられる。
Eine kleine Nachtmusik【アイネクライネナハトムジーク】
ドイツ語で、【小さな夜の音楽】の意味。
作品タイトル:『アイネクライネナハトムジーク』
出演:三浦春馬 多部未華子
矢本悠馬 森絵梨佳 恒松祐里 萩原利久 成田瑛基 八木優希 こだまたいち
MEGUMI 柳憂怜 濱田マリ / 藤原季節 中川翼 祷キララ / 伊達みきお 富澤たけし
貫地谷しほり / 原田泰造
監督:今泉力哉『サッドティー』『パンとバスと2度目のハツコイ』
原作:伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)
脚本:鈴木謙一『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』
製作プロダクション:ダブ
配給:ギャガ
公式サイト:http://gaga.ne.jp/EinekleineNachtmusik/
コピーライト:(c)2019「アイネクライネナハトムジーク」製作委員会
9月20日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
9月13日(金)宮城県先行ロードショー
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