【レポート】映画『ハケンアニメ!』主演の吉岡里帆&吉野耕平監督が関西に凱旋!作品への思いと地元愛をアピール

ハケンアニメ!

映画『ハケンアニメ!』(5月20日(金)公開)の大阪凱旋舞台挨拶に、主演の吉岡里帆(京都府出身)と吉野耕平監督(大阪府出身)が登壇した。

目次

『ハケンアニメ!』大阪凱旋舞台挨拶 概要

日時:5月6日(金) ※上映前舞台挨拶
登壇者(敬称略):吉岡里帆、吉野耕平監督
会場:梅田ブルク7

イベントの1週間前から販売された座席チケットは完売。ジェニーハイの歌う主題歌「エクレール」にのせて登場した吉岡と吉野監督は、満員の観客による大きな拍手で迎えられた。

京都出身の吉岡、大阪出身の吉野監督にとって今回の舞台挨拶は、いわば“凱旋”イベント。「おかえりなさい!まずは挨拶をお願いします」というMCの問いかけに対し、吉岡は「やっと帰ってこれました!なんとか関西にこれないかとうずうずしていたんですけど、こうやって無事に皆さんにお届けできるのをとても嬉しく思っています。今日はよろしくお願いします」と挨拶。

続いて吉野監督が「どうも、吉野です。ただいまー(関西弁のイントネーションで)――と、関西弁で言ってくださいと言われていたんですが、吉岡さんがしなかったので僕が言わせていただきました(笑)」と挨拶すると、吉岡が「あ!完全に忘れていました!すみません!!」と明かし、イベント開始早々、会場は笑いに包まれた。

関西弁しばりではないので気軽にお答えいただければ、とMCからフォローが入ったのち、関西に帰ってきたと思う瞬間は?という質問に。吉岡は「めちゃくちゃさっき思いました!幼稚園と小学校の時からの親友と、そのお子さんが来ていて。その子が今日映画デビューなんですよ!初めての映画デビューに立ち会えているというか来てくれてめちゃくちゃ嬉しかったのと、大学時代から仲いい友だちが彼氏を連れて遊びに来てくれたりとか。 地元も感じましたし、本当に近い人と会えたので“ホーム”という感じがしています」と、関西弁のイントネーションを盛り込んで回答。「じわじわと関西弁出てますよね?」と突っ込むMCに対し、「今ね、かなり意識して出してます(笑)」とおちゃめに返し、会場は再度笑いに包まれた。

吉野監督からは「京都~新大阪間がすごく短くて。(注:新幹線で15分)京都で油断したらあかんぞ、というのを思い出して関西に帰ってきたなと思いました。京都で油断したら新大阪で乗り過ごすという」と、関西人あるあるが披露された。

完全にリラックスムードに入ったイベント。今も使う関西弁は?と質問が続くと、吉岡は「お友だちの子どもが遊びに来てくれていて、やっぱり、『ね、かわいい。かわいいなー』」と関西弁のイントネーションで客席の子どもに手を振りながら微笑んだ。

今回のイベントは、2人の故郷への凱旋イベントであると同時に、東京以外では初めての開催となった。改めて公開を控えての感想を尋ねられると、まずは吉野監督が「ついに(公開日が)近づいてきてしまったかというドキドキがありまして…やっぱりもう逃げられないなあという不安ですかね。そのあたりの作品公開を迎えた監督の気持ちは、この後劇中に出てきますので、ぜひそこも楽しみにしていただけたらと思います。その場面が出てきたら、こういうことかと思っていただければ」と観客に語り掛けた。

続いて、まさに自分の初めての監督作がSNSで評価されて、といった姿が劇中で描かれている新人アニメ監督を演じた吉岡から「プロデューサーの方から7年ぐらいかかっている(企画だという)お話を聞きまして。それと、中村倫也さんが演じる監督と、私が演じる監督が対決する、劇中に出てくる2本のアニメ作品が、本当に力が入っているので。とにかく長い時間と大勢の人の手によって作られた映画が、やっと楽しんでいただける機会ができたということで、皆さんがどう思うんだろうというのも気になるし、もし面白かったらSNSで一言つぶやいてもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!」と力を込めて答えた。
 
吉岡が演じた新人アニメ監督・斎藤瞳は、色々な壁に当たりながらも、自身の“好き”という気持ちに向かって真っすぐに奮闘する姿が印象的なキャラクター。アニメ監督を演じる上で意識したこととして、吉岡は「アニメ監督、と一言にいうとどんな仕事なのか漠然としていると思うんですけど、オリジナルの作品を、根底から描くタイプの監督なので、ストーリーも考えているし、スタッフ全員のことを引っ張っていかなきゃいけないし。なのでまずは、アニメーションができるまでどんな部署があってどんな苦労があるのか、ということを知るのかということから初めて、その後、実際に年齢も近い女性の監督から絵コンテの書き方なども教えてもらうなどして。少しずつアニメ監督になるための準備をしていきました」と、役作りで大切にしたことを語った。

さらに自身と重なる点として、「劇中に出てくるキャラクターみんなそうなんですが、とにかく熱量がすごくて。面白いものを届けたい!という愛にあふれているキャラクターばかりなので、そこはすごく共感しましたし、一番自分の中でも大事にしたいと思う点でしたね」と語った。

本格的でリアルなアニメ業界が描かれている本作。『君の名は。』にもCGクリエイターとして参加した経歴の持ち主でもある吉野監督は、アニメと実写映画の世界で異なるところ、共通するところとして「アニメは、すべてをコンテで作っているので監督が生み出していく世界のルールだったりとかこの話に何秒使うのかなども監督が決めていく。そういった一人にかかるエネルギーというのが、やっぱりアニメの監督はすごいと思うところですね。逆に実写は、そこはある種役者やスタッフと共に作ることができる一方で、太陽が出ているうちに撮らなきゃいけないとか、雨が降りそうで何分で撮りきらなきゃいけないとか、制限時間やトラブルの中で作っていくということもある。どちらもやっぱりいろんな人の力を借りて作らなきゃいけないというところは同じだと思います」と語った。

続いて吉岡は、演じるなかで難しかったことを問われると、自身の演じた斎藤瞳のひたむきさゆえのこだわりを挙げた。「劇中アニメで声優をされているのが、本職で声優をされている、本当に豪華なキャストの方たち。みなさんかんっっぺきなんですよ。でも、私には完璧に聞こえている声優をされている姿に対して、台本では『違う』といったことを指示を出したりしないといけなくて…。それが意味が分からなさ過ぎて!「完璧じゃん!!」となるんですよ。やっぱりすごすぎて、本職の方が(笑)。声優さんの技術に対してのすごさに対して文句を言う監督ってどういうことなんだろう?と。こだわりってそこまでいくと怖いなって。理解がなかなかできなかった部分ですね」。

監督から演者への指導という点で、実際の撮影現場で、吉岡への指導の様子を尋ねられた吉野監督は「僕はそのつもりはなかったんですけど…そうだったと言う人がいるかもしれないです…」と自信なさげな様子。一方、吉岡は「監督は慎重に撮ってくださる方。事前にかなり話し合いをして撮影に臨んだので、お互い終着点は一緒というのは感じていましたね」とフォローした。

最後に、映画のタイトルにちなみ、「関西の“ハケン=覇権”はうちがとる!!」ということで、地元の自慢と好きなところを問われた2人。大阪・北摂育ちの吉野監督が「万博公園によく行っていた。あのモノレールから公園にいくくだり、森の間から太陽の塔が見える感じが理由なく好きですね」と明かすと、京都出身の吉岡は「万博公園強いですよね……」と一言。

そんな吉岡は、「どこがいいと思う?」と観客に問いかけるほどの長考の末、「新しいスイーツやおしゃれな雑貨屋さんが色々ある観光地の嵐山エリアの中で、ずっと変わらない渡月橋と、その川で乗れるボートがものすごく気持ちいい!」と回答。「ぜひ1回乗ってみてほしいです。嵐山モンキーパークという、猿に会えるところもあるので!デートとか、家族とか!来てほしいです!」と、地元愛をたっぷりアピールした。

そして、大阪にちなみ、たこ焼きのパネルを持ってのフォトセッションをしたのち、最後の挨拶に。吉野監督からは、「アニメの現場を舞台にした映画ですが、お仕事をする人なら誰もがちょっと共感できる場面やキャラクターがいるのでは、と思いますのでぜひ楽しんでいただきたいです」。吉岡は「今日は劇場に足を運んでくださってありがとうございます。アニメーション業界の裏側を描いている作品ということで、様々な個性豊かなとっても愛おしいキャラクターが大勢出てきます。どれかのキャラクターに感情移入してもらえるのではと私自身映画を観て感じましたし、明日の活力になるような映画にしあがっていると感じています。ぜひ皆さまに刺さりますように。と、願いを込めるように締め、イベントは終了した。

ハケンアニメ!

イントロダクション
直木賞&本屋大賞受賞作家・辻村深月の大人気小説を映画化した本作は、世界中が注目する日本のアニメ業界を舞台に、最も成功したアニメの称号=「ハケン(覇権)」を手にすべく奮闘する者たちの姿を描いた、“胸熱”お仕事ムービー。

一世一代の大チャンスを掴んだ新人アニメ監督・斎藤瞳を吉岡里帆、彼女のライバルとなる天才ワガママ監督・王子千晴を中村倫也、瞳を振り回すつかみどころのない超クセ者プロデューサー・行城理を柄本佑、王子の才能に人生を懸ける作品命のプロデューサー・有科香屋子に尾野真千子と、実力派俳優陣集結。監督は、『水曜日が消えた』(20)の吉野耕平。さらに劇中アニメの制作には、『攻殻機動隊』シリーズなどで知られるProduction I.Gをはじめ、日本を代表するアニメプロダクションやトップクリエイター陣が参加し、老舗アニメ制作会社・東映アニメーションが監修を手がけている。

企画の立ち上げから完成まで実に7年を費やす超大作となった本作。一足先に行われた試写会では、“好き”を貫こうと奮闘する瞳たちの姿に共感し、思わず熱い涙を浮かべる人が続出。胸熱度99.9%、満足度97.3%、オススメ度100%(※3/25実施:スニークプレビュー試写会調べ)という驚異の数値を叩き出している。

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