永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市登壇『箱男』公開記念舞台挨拶開催 「原作に現実世界が近づいてきた」

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映画『箱男』(公開中)の公開記念舞台挨拶が8月24日(土)に新宿ピカデリーにて行われ、永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市、石井岳龍監督が登壇した。

27年前にドイツでのクランクイン前日に撮影が頓挫するという悲劇を経て、安部公房生誕100年となる今年、完成&公開となった本作。主人公・“わたし”役の永瀬は念願の封切りに「言葉にならないですね。本当に感無量です」と喜びを噛み締めていた。

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石井監督は51年も前の原作を映画化したことに「ストーリーも映画にしたら面白いと思ったけれど、何よりも箱男というキャラクターが凄い。映画的に絶対に面白くなると確信して憑りつかれました」コメント。永瀬も「原作に現実世界が近づいてきた気がする。安部さんは預言者ではないか。観客の理解度も27年前よりも深くなって、それを感じてくれる人が当時よりも増えるのではないかと思う」と述べた。

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さらに、箱男殺害の完全犯罪を目論む軍医役の佐藤も27年前当時キャステイングされていた一人で、「当時に比べて今は情報量が広がっているのに、何かが凄く狭くなっている社会になっている。原作が生まれた51年前と27年前と今と、その変遷が非常に興味深い」とコメントした。

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また、“わたし”の宿敵となるニセ医者役の浅野は、今回の抜擢について「27年前に頓挫したものが復活したことにビックリしたし、期待もあった。皆さんが27年間温めていた想いに乗り遅れないよう、思い切りやりました」と述べた。

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また、ニセ医者が開く安部医院で看護師を務める葉子役の白本は「今回の参加は恐れ多かったですが、オーディションの段階から心は固めていたので、浅野さんと同じようにやるぞ!という気持ちでいました」とコメントした。

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27年の時を経て再び箱をかぶった永瀬だが「実際にかぶってみると色々な気持ちになる。安心感もあるし恐怖感もある。皆さんにも是非一度体感してもらいたい。街中でかぶるのはさすがにまずいけれど…」と太鼓判。撮影中は「暑い!浅野君は箱の中でほぼパンイチでいたけれど、その気持ちがわかるくらい暑かった」と苦労もあったという。

その浅野は箱をかぶった感想を聞かれると「箱の中に入ると皆が僕の存在を忘れてくれる。誰にも相手にされない。でもそれが心地よくなって、そこで箱男の気持ちを理解しました。見られないのは心地が良いし、誰も相手にしてくれないので中でパンツを脱いでも気づかれない」と話すと会場の笑いを誘った。しかし、箱男になった永瀬とは不思議とアイコンタクトが取れていたそうで、永瀬は「俺だけ気づいたりして。箱男同士、何かが目覚める」と経験者同士わかり合っていた。

一方、佐藤も箱の中に入ったそうだが「あの箱は僕サイズに出来てはいないので、目線の高さが合わずに苦労しました。箱をかぶった中での動きは想像できないくらいキツイ。(永瀬と浅野の)二人は大変だったと思う」と労っていた。

最後に石井監督は、27年越しに完成させた『箱男』について「自分にとって『箱男』とは何か?それはわからない。わからないというその謎が惹きつけているんだと思う。映画とは見ていただいた一人一人の心の中で作るものだと思うので、皆さんの中で見えた“箱男とは何か?”を教えてもらいたい」とコメント。

永瀬は「映画の最後の最後に一つの問いかけがあります。見ていただいた方にはそれでわかってもらえるはず。原作では“わたし”ではなく“僕”と書かれていますが、映画では“わたし”です。“わたし”とは男女問わずに使うものなので、箱女もあるということ。そして石井監督はご自身の事を“僕”でも“俺”でもなく、“わたし”と喋る。石井監督こそ『箱男』なのではないかと思います」と分析していた。

ストーリー
『箱男』――それは人間が望む最終形態。
ヒーローか、アンチヒーローか

完全な孤立、完全な孤独を得て、社会の螺旋から外れた「本物」の存在。ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し、一方的に世界を覗き見る『箱男』。カメラマンである“わたし”(永瀬正敏)は、偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、箱男としての一歩を踏み出すことに。しかし、本物の『箱男』になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。存在を乗っ取ろうとするニセ箱男(浅野忠信)、完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市)、“わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)……。果たして“わたし”は本物の『箱男』になれるのか。そして、犯罪を目論むニセモノたちとの戦いの行方はー!?

『箱男』
出演:永瀬正敏 浅野忠信 白本彩奈/佐藤浩市
渋川清彦 中村優子 川瀬陽太
監督:石井岳龍
原作:安部公房「箱男」(新潮社)
脚本:いながききよたか 石井岳龍
プロデューサー:小西啓介、関友彦
製作:映画『箱男』製作委員会
制作プロダクション:コギトワークス
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
PG12
(C)2024 The Box Man Film Partners

公式サイト:https://happinet-phantom.com/hakootoko/
公式X:https://twitter.com/hakootoko_movie

2024年8月23日(金)全国公開

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