【レポート】『アイ・アム まきもと』完成披露試写会で阿部サダヲら超豪華主要キャスト陣が語った“直したい所”とは

アイ・アム まきもと

『アイ・アム まきもと』(9月30日(金)全国公開)の完成披露試写会に、主演の阿部サダヲ、満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、坪倉由幸、水田伸生監督が登壇した。

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映画『アイ・アム まきもと』完成披露試写会 詳細

日時:9月1日(木)
登壇者(敬称略):阿部サダヲ、満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、坪倉由幸、水田伸生監督
会場:イイノホール

阿部サダヲ演じる、小さな市役所の「おみおくり係」を務める<ちょっと迷惑な男>牧本壮は、空気が読めない、人の話を聞かない、なかなか心を開かない。そんな牧本が孤独に亡くなった人を独自のルールに従いおみおくりしていく中、様々な人々と出会い、少し煙たがられながらも彼らの心に変化をもたらしていく。本作は、牧本の“迷惑”がいつしか“無垢な気持ち”として、周囲と自らに影響を与えていくヒューマンストーリーだ。

牧本壮を演じた阿部は、「今日は拍手の音がすごく大きく感じる。ついに一般の方に観ていただけるので感想がすごく気になります!」と笑顔をみせた。

また、牧本が葬儀参列者を集めるため奔走する蕪木の娘・塔子を演じた満島は「もともと私の好きな作品が原作なのですが、水田監督と阿部さんによって新しい作品に生まれ変わっています。」とコメント。

謎に包まれた人生を送り、牧本の人生にも大きく影響を与えた男・蕪木を演じた宇崎は「蕪木はたくさん…出てきません(笑)牧本が訪ねる先々で蕪木というキャラクターを知ることができます。セリフが一言もないので、ご理解のうえご覧ください(笑)」、牧本の迷惑に翻弄され、毎度説教を浴びせる刑事・神代亨を演じた松下は「阿部さん、水田監督の作品に自分も加わることでできてとても光栄。たくさん笑えて、最後ほろっと感動する作品です。」、効率化を推進する牧本の上司・小野口義久を演じた坪倉は「こんな素晴らしいキャストの皆さんと共演できて嬉しいです。頭頂部に事情があって深く頭を下げられないのですが(笑)今日は最後までよろしくお願いいたします!」とそれぞれ挨拶。

そして、本作が阿部との4度目のタッグになる水田監督は「初めてご覧いただく日なので緊張しますね(笑)今、横を見ると信頼する俳優の皆さんがいらっしゃる。改めて素晴らしいキャストが揃った作品だと自負しております!」と語り、無事にお披露目を迎え喜びをあらわにしていた。

牧本のどんな所に惹かれたか尋ねられると、阿部は「こんな真っ直ぐな人は演じたことない。新しいキャラクターを演じることができて嬉しい。」と語り、「坪倉さんが配役知らずに脚本を読んだ時に私の声が聞こえたそうで…嘘だと思います(笑)」と驚きのエピソードを明かすと、すかさず「嘘じゃないです!」と坪倉。「信じ難いですが(笑)…でも、それを聞いてすごく嬉しいです。」と少し照れながらも喜んでいた。

満島は阿部との初共演について「大好きな俳優さんなので嬉しかったです。そして現場の俳優さんが皆豪華で、贅沢なキャスティングだと感動していました。」と当時の心境を振り返り、ドラマで出演経験のある水田組は「映画の水田組が楽しみでした。自分はホームだと思っていて、水田組は役者にとって居心地の良い現場です。」と改めて水田組の魅力を語った。一方、阿部は「満島さんは溶け込み方がすごい。養豚場の方にしか見えなくて…(笑)見事にどんな場面でも溶け込んでいらっしゃって、素晴らしいです!」と絶賛。

出演だけでなく、エンドロールで「Over The Rainbow(オーバー・ザ・レインボウ)」も歌唱している宇崎は、「しんどかったです(笑)名曲なのでお話いただいた時は歌いたいと思いましたが、英語得意じゃないので…」と悩んだそうで、「アメリカに住んでいる知り合いの方に聴いていただいて。ジャパニーズイングリッシュだけど、日本映画で歌うのも日本人。意味は通じるから、それでいいんだと言われた。」と歌唱するにあたって、後押しがあったことを明かした。

牧本をいつも説教する神代刑事を演じた松下は、「クランクインの前日まで舞台に入っていて、本編みたら僕だけ声が大きかったんです(笑)これからご覧になる方は舞台中だったんだと大目にみていただきたいです。現場では水田さんが自由に演出してくださって、たくさん動き回りました。」と振り返ると、阿部は「タップ踏んでるのかなって思うくらい動いてました(笑)」とジョークを飛ばしつつも、「こんなに怒られるんだってくらい楽しかった。あのくらい怒っていただけると演技も反応しやすかったです。」と称賛を送った。

坪倉は阿部とのガチバトルのシーンについて「すごいムカつかせていただきました(笑)牧本に対してイライラしなきゃいけないのですが、阿部さんが引き出してくださった。サポートしてくださって演じやすかったです。」と感謝を述べた。

続いて、「迷惑」にちなみ“自分のここが直したい所”、“周囲が治るといいなと思う所”を書いたプレートをお披露目することに。

阿部が「“集中力がないことを直したい”。牧本のように集中できなくて、この作品の現場でも甘噛みしてNGを出してしまい、監督に悪いものでも食べたのか聞かれました(笑)」と撮影エピソードを交えて告白すると、満島は「“阿部サダヲさん=美容”、阿部さんは美容にハマっているそうで、撮影の待ち時間もずっとその話をしていました。女子会みたいで楽しかったです(笑)」と明かすと、坪倉は「女優さん同士のよう」と突っ込んだ。

また、宇崎は「“瞬間記憶喪失”。瞬間的に記憶喪失になってしまうんです。家でお風呂のガスをつけてって言われて向かう途中に階段で猫がスリスリしてきて…。妻が入った時お湯が沸いてなくて、自分では押してたつもりが押してなかったみたい。」と聞いた阿部は、「それは猫が悪い。」とフォロー。

松下は「“ネクタイをうまく結べるようになりたい”。現場で待たせてしまうので直したいと思います」と意外な一面を披露すると、阿部は「僕はブレザーの学校だったので、ネクタイ結べない方は軽蔑します(笑)でもすぐにできるようになるよ!」と励ました後、容赦なく質問攻めする阿部に松下はタジタジの様子だった。

坪倉は「“無視しちゃうこと”。相方とネタ考えていても面白くないと無視しちゃう。」と告白。水田監督は「“本番で笑う”こと。撮影現場で声出して笑ってしまって…いまだに音響の方に怒られてしまうので直したい(笑)」と明かすと、阿部が「水田さんが笑うとその演技が正解という気がするので僕は嬉しい。」と返答し、何度もタッグを組んでいる親しい間柄が垣間見えた。

そして、壇上に“迷惑のシンボル”として3mの“巨大牧本”が登場。その大きさに「ご利益がありそう」と口々に呟きながら、プレートを張り付けて祈願した。

最後に阿部は、「今日は本当に楽しい舞台挨拶でした。この作品もこんな風に暖かい気持ちになれる作品です。身近に思える題材でもあるので、幅広い方に観ていただける作品になりました。ぜひ楽しんで帰ってください!」とアピールし、イベントを締めくくった。

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ストーリー
ある見知らぬ男の人生を“まき”戻すことになった「おみおくり係」のまきもと。
彼がたどり着いた“奇跡のさいご”とは――

小さな市役所に勤める牧本の仕事は、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」。故人の思いを大事にするあまり、つい警察のルールより自身のルールを優先して刑事・神代に日々怒られている。ある日牧本は、身寄りなく亡くなった老人・蕪木の部屋を訪れ、彼の娘と思しき少女の写真を発見する。一方、県庁からきた新任局長・小野口が「おみおくり係」廃止を決定する。蕪木の一件が“最後の仕事”となった牧本は、写真の少女探しと、一人でも多くの参列者を葬儀に呼ぶため、わずかな手がかりを頼りに蕪木のかつての友人や知人を探し出し訪ねていく。工場で蕪木と同僚だった平光、漁港で居酒屋を営む元恋人・みはる、炭鉱で蕪木に命を救われたという槍田、一時期ともに生活したホームレス仲間、そして写真の少女で蕪木の娘・塔子。蕪木の人生を辿るうちに、牧本にも少しずつ変化が生じていく。そして、牧本の“最後のおみおくり”には、思いもしなかった奇跡が待っていた。

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