Netflix映画『彼女』(4月15日から全世界独占配信)の配信直前イベントに、本作が共に映画初主演となる水原希子、さとうほなみ、そして廣木隆一監督が登壇した。
Netflix映画『彼女』配信直前イベント 概要
日程:4月13日(火) 18:00~18:30 ※上映前のイベント
登壇者(敬称略):水原希子、さとうほなみ、廣木隆一監督
場所:新宿ピカデリー スクリーン3
この日は、本作にとって一回きりとなる一般の観客向けの上映イベント。舞台に登壇した水原は「ついに今日という日が来てしまったかと。たくさんの方に足を運んでいただいてとても嬉しいのと同時に、あと2日で全世界配信って…どうなってしまうのだろうという、今までに感じたことのないような緊張を感じています。レイと七恵の愛の物語をどう受け止めてくれるのかすごく興味があります!」と興奮気味に挨拶。
続いてさとうは「今になって緊張してきちゃった(笑)」と正直な感想を述べながらも、「みなさんに観て頂くのは初めてなので、何を思われるのか興味深いです。色々な感情が渦巻いている映画なので、ぜひ楽しんで頂ければと思います!」と作品をアピール。
そんな2人を優しく見守っていた廣木監督は「緊張しちゃってる?さっきまですごいリラックスしてたのに…」とキャストを和ませつつ「最後まで楽しんでいってください!」とイベントの幕開けにふさわしい挨拶を披露した。
本作のオファーを受けた時の心境について水原は「好きな人のために殺人を犯すという重い役どころでしたが、自分にとってチャレンジになると思いました。想像力が必要でしたし、苦しい中でレイと七恵の関係性が変化していって、愛の形がどんどん構築されていくという独特な世界観にすごく引き込まれました。果たして自分が演じきることができるのかな…とも思ったけれど、演じた先にある景色を見たいという気持ちの方が強かったです」と振り返る。
一方、原作の大ファンだったというさとうは「もし映像化されるなら絶対に演じたいとずっと思っていて、そして廣木監督が撮られるというのはすごいと思いつつ、単純に嬉しかったです。原作のストーリーも画力もとにかく力強くて。2人がずっと相容れないジェットコースターみたいに、どっちかが上がればどっちかが下がる、という関係性が面白くて不安は全然なかったです」と本作への参加へ迷いはなかったと強い思いを滲ませた。
廣木監督は「最初は僕にできるのかな?という気持ちでした。二人が作品をモノにしてくれて『彼女』にしてくれた」と感慨深げに語った。
本作の製作における最大の特徴でもある「順撮り」(シナリオの冒頭からシーンの順番に撮影していく手法)での撮影に話が及ぶと、水原は「順撮りでなかったらどうなっていたんだろう?って思うくらい助けられました。撮影中はレイと七恵として生きることが出来たし、その時に感じたことがピュアにそこに現れていき、このシーンはこう、次のあのシーンは…みたいなことを考えずに集中できて、『役を生きる』というところに連れて行って頂けました。監督、ありがとうございました!」と、さとうも「レイと七恵の関係性が変化していく様子を順撮りできたので、『七恵にはレイが必要なんだ』ということを本当に感じることができたし、順撮りだったからこそ私自身がレイ=希子ちゃんがいないと成り立たないという精神状態までいけました。本当にありがとうございました!」と、揃って監督の演出に感謝の気持ちを述べた。
「順撮り」の影響はとても大きく、水原は「最後の方はレイと七恵としても、わたしとほなみちゃんとしても役と自分たちの精神状態がリンクして離れられなくなりました。ずっとくっついてて、カメラの回っていないところでも隣にいたり手を握ったり…心も身体も離れられなかった」と、「順撮り」演出の効果が映画の中のキャラクターを体現する上でとても重要な要素だと振り返った。
その「順撮り」であることに重きを置いた廣木監督は、「ロードムービーなので順に撮っていきながら、感情を覚えてくことが理想の映画作りでした。今回実践できて、僕も嬉しかったし、2人の始まりの表情とラストの表情は本当に全然違います。見ているみなさんも幸せになると思う」と映像の中にもこだわりの演出の効果が存分に発揮されていることを明かした。
イベントの中盤、本作が<2人のロードムービー>ということにちなみ、本編中の印象的なシーンの場面カットがスクリーンに投影され、そのシーンと撮影場所にまつわるエピソードを披露するコーナーに突入。
まず印象的なドライブシーンについて話が及ぶと水原は「私はこの撮影のために免許を取りました!ロードムービーだから免許を持ってないのはちょっと無理があるな…と思って。でもやっぱりお芝居しながら運転するのは難しかった…」と裏話を披露。これに対し撮影中、助手席に乗っていたさとうは「実はすごく怖かったです(笑)。バイクのシーンもあるのですが、ヒールを履いているし、逃げなきゃいけないから勢いも必要なシーンでヒヤヒヤしたよね…」とドライブの演技に内心は冷や汗をかいていたことを明かした。
またドライブシーンの撮影にドローンが多用されたことについてMCが尋ねると、廣木監督は「ドローンで夜のレインボーブリッジを撮影しました。都会の景色が後ろに映っていてすごくキレイです。日中にヘリで撮影したのも完璧でした」と美しい映像も注目ポイントだと語る。
続いて、レイの家族が逃避行を繰り広げる2人を説得しにやってくるという緊迫したシーンについて。逃避行の中でも初めて2人が本音でぶつかり合う印象的なシーンだが、さとうは実はこの撮影日が誕生日。しかしさとうは「レイの家族がやってきて、私自身は七恵としてすごく孤独でシャットダウンしていたシーン。周りの皆さんには申し訳ないですが、あの時は素直に喜べなかったんです。本当にすみませんでした!」と精神的にハードな撮影を振り返ると、水原も「かなりエモーショナルになる、2人がぶつかる重要なシーン。私もこの日はすごく追い込まれていて、レイとしても精神的に切羽つまる状態で…申し訳ないけど誕生日のことは覚えていないから大丈夫!」とフォロー。まさに劇中のレイと七恵さながら、本気でぶつかりあった撮影を振り返った。
最後に、間もなく配信となる本作を楽しみにしている観客に向け、さとうは「みんなで色々な思いを抱えて作った映画です。感じることはそれぞれ違うと思いますが、何か少しでも伝わることがあれば嬉しく思います」と、本作に込めた思いを感慨深い様子で語った。
続いて水原から「この映画は二人の愛の物語で、<愛すること><守ること>ってどういうことなのかを自分に置き換えて考えるきっかけになると思います。最後には素晴らしい景色がありますので、ぜひ楽しんでいただければと思います」とメッセージが送られた。
そして、廣木監督から映画初主演の二人について「ふたりともストレートに感情を表現してくれて、違う生き物になっています。是非最後まで見守ってください」と観客に語りかけ、イベントを締めくくった。
イントロダクション
原作は、女性二人の逃避行を描いた中村珍の「羣青」(小学館IKKIコミックス)。高校時代から同級生の七恵に恋をしている永澤レイと、夫から壮絶なDVを受けている篠田七恵。レイは七恵を救うために夫を殺害する。自分のために殺人まで犯したレイに疎ましさと恐ろしさを抱きつつ助けを求める七恵と、そんな彼女を救うためすべてを受け入れるレイ。互いに愛を欲しながら、絡み合わない想いをぶつけあうレイと七恵。正しいことも悪いこともも超えた彼女たちの逃避行を描く。
日本の美しい景色を背景に、観る者に「愛」の本質を問うロードムービーのメガホンをとるのは『ヴァイブレータ』(2003)、『軽蔑』(2011)、『彼女の人生は間違いじゃない』(2017)、『ここは退屈迎えに来て』(2018)など、孤独を感じている人々を鋭く、かつ情熱的に描き出してきた廣木隆一監督。恵まれた人生を送るかに見えて、実は家族に同性愛者であることを隠していることに悩むレイを水原希子、人生に絶望しながらもレイに救いを求めてしまう七恵をさとうほなみが演じる。
ストーリー
裕福な家庭に生まれ育ち、何不自由ない生活を送ってきたレイ(水原希子)はある日、高校時代に思いを寄せていた七恵(さとうほなみ)から連絡を受け、10年ぶりの再会を果たす。しかし喜びも束の間、夫からのDVで全身あざだらけな姿を目の当たりにし愕然とする。追い詰められ死を口にする七恵に「それならば夫が消えるべきだ」と諭すレイ。そして「だったら殺してくれる?」と呟く七恵。彼女が生きるためにレイは、七恵の夫を殺す。そして行くあても、戻る場所もないふたりは共に逃避行に出る……。
作品タイトル:Netflix映画『彼女』
出演:水原希子 さとうほなみ
新納慎也 田中俊介 鳥丸せつこ 南 沙良 / 鈴木 杏 田中哲司 / 真木よう子
監督:廣木隆一
脚本:吉川菜美
原作:中村珍「羣青」(小学館IKKIコミックス)
テーマ曲:細野晴臣
音楽:森山公稀(odol)
エグゼクティブ・プロデューサー:坂本和隆(Netflix コンテンツ・アクイジション部門ディレクター)
プロデューサー:梅川治男
企画・制作プロダクション:ステューディオスリー
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/彼女
2021年4月15日、Netflixにて全世界同時独占配信
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