【レポート】『ケイコ 目を澄ませて』完成披露試写会開催!三浦友和が役柄そのままに見守った岸井ゆきのの”努力”を賞賛

映画『ケイコ 目を澄ませて』(12月16日(金)公開)の完成披露試写会が11月7日(月)に都内で行われ、主演の岸井ゆきの、共演の三浦友和、そして三宅唱監督が登壇した。

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映画『ケイコ 目を澄ませて』完成披露試写会イベント 概要

日時:11月7日(月) 18:30~19:00
会場:スペースFS汐留(東京都港区東新橋1-1-16 汐留FSビル3F)
登壇ゲスト(敬称略):岸井ゆきの、三浦友和、三宅唱監督

本作の主人公・ケイコを演じた岸井は大勢の観客が集まった会場内を見渡し、「映画祭を除くと、今日観ていただくお客さまが初めてなので、楽しんでいただけたら嬉しいです」と挨拶。
続いて、ケイコを見守るジムの会長役を演じた三浦も「今日は映画が大好きな方がたくさん集まっていると聞いています。非常に目の肥えた方たちなので、今からちょっと緊張していますが、間違いなく楽しんでいただける作品になっておりますので、よろしくお願いします」とコメント。
そして最後に三宅監督が「上映される機会は毎回楽しくて。皆さんに観ていただけること、うれしく思っております。今日はよろしくお願いします」と呼びかけた。

ベルリン国際映画祭をはじめ、これまで世界各国21の映画祭で上映されてきた本作がいよいよ12月より日本で公開される。三宅監督は「僕自身、世界中で描かれた映画を観て育ちました。僕たちの映画もそうやって伝わっていくんだなということを改めて実感しました。やっぱり映画って面白いな、早く日本で公開したいなと思いながら帰ってきました」と語る。

そして釜山国際映画祭の上映に参加した岸井は、「ベルリンには行けなかったので、釜山が本作で初めての海外映画祭で、Q&Aにも参加したんですが、やっぱり映画好きの目線というか。こんな細かいところまで気が付いてくれるのかと思いました。いろんな国で上映されているニュースを翻訳しながら読んでいましたが、たくさんの感想があがっていて、それを読むのはすごく面白かったし、有意義な時間でした。これから日本での上映が始まりますが、この景色を知っている日本の皆さんがどう感じてくれるのか、楽しみです」と笑顔を見せた。

主人公ケイコを演じるにあたり、厳しいトレーニングを重ねて撮影に挑んだ岸井は「キックボクシングをエクササイズとしてやったことはありましたが、今回はプロボクサーに見えるような肉体のトレーニングが必要ですし、手話も習得しないといけなかった。そういう面で不安がありました」と述懐。だが、「でも途中で監督が決まって、スタッフィングが決まって。(16mm)フィルムで撮影することが決まった頃には練習も始まって。最初はプロデューサーとわたしの2人ぼっちだったところから、どんどん仲間が増えて心強いなと思うようになりました。ボクシングのトレーニングも監督が一緒にやってくださり、いつしか“この映画をこのチームでどう表現していくか”ということに集中していきました」と語る。

そんな岸井の頑張りを見ていた三浦は「クランクインの日に、ジムで彼女の姿を見たときにはもうプロボクサーとしての身体に仕上がっていたんですよ。僕はそんな彼女をただ見守れば良かったんです。初共演でしたけど、意思の疎通が暗黙のうちにできたのはあなた(岸井)の努力の賜物ですね」と賞賛。
それを受けて岸井も「友和さんとの共演は、自分の俳優人生においてとても財産になったと思います。ケイコの役をやっている時は、まわりに気を遣う余裕がなくて、ケイコに埋没している状態だったんですが、友和さんは最初からケイコと会長という関係性でいていいんだと思わせてくださいました」と振り返り、「共演シーンでないところでも現場にいらっしゃってくれて、見守ってくれました。とても稀有な経験をさせていただきましたし、ケイコにとっての会長の立ち位置と同じで、わたしにとっての友和さんが、ケイコにとっての会長なんだなと素直に思えました。本当に友和さんのおかげで、わたしの力にも、ケイコの力にもなったと思います」と大先輩の存在に感謝した。

20代後半に差し掛かり、自分の好きなことを続けていくのか、それとも別の生き方をしていくのか―。時代や性別などの立場を超えて多くの人に共通する人生の岐路を描いた本作にちなみ、「人生を変えた瞬間や出来事」とは何か、という質問が。それに対して「この映画」とコメントした三宅監督は、「本作を作るにあたって改めて感謝したいのは、(ケイコのモデルとなった)小笠原恵子さんに出会えたこと。そして皆さんに出会えたことも大事な経験になりました」と振り返る。

続く三浦は「RCサクセション」と発表。「高校の同級生が忌野清志郎。彼に出会わなければ、RCサクセションのメンバーにも出会いませんでした。その人たちと行動をともにしていた時期がながかったのですが、音楽の才能がないならほかのことをやったらということで、俳優の道にいったんです。RCサクセションは当時3人組でしたが、その中のひとりが今の事務所を間接的に紹介してくれてこの道に入ったので、彼らがいなければ、そして清志郎と出会っていなければ、俳優になっていなかった。これが大変大きな岐路です」と今は亡き親友へ思いをはせた。

最後に岸井は監督と同じく本作「ケイコ」と発表。「わたしはずっと映画が好きで、映画を追いかけてきました。今も追いかけ続けています。16mmフィルムで撮影できたこと、ここまで時間をかけてひとつの作品に参加できたこと、キャスト・スタッフとの出会い、ベルリン映画祭に出品できたことなど、わたしが追い求めてきた映画というものに少し近づけたような気がしました」と語ると、続けて「でもちょっと近づいたからって、映画からはこっちに近づいてはこないんですよね。ずっと追い続けないといけないものだなということを思い知らされましたし、これからも追い求めていきたい。この映画を通じて、まったく今までとは違う景色を見せていただいたなと思うので、(岐路といえば)この映画だなと思います」と誇らしげな顔を見せイベントを締めくくった。

イントロダクション
2月に開催されたベルリン国際映画祭でプレミア上映されると「すべての瞬間が心に響く」「間違いなく一見の価値あり」と熱い賛辞が次々に贈られ、その後も数多くの国際映画祭での上映が続いている。
出演は岸井ゆきののほか、ケイコの実直さを誰よりも認め見守るジムの会長に三浦友和。その他、三浦誠己松浦慎一郎佐藤緋美中島ひろ子仙道敦子らが脇を固める。

ストーリー
不安と勇気は背中あわせ。震える足で前に進む、彼女の瞳に映るもの――
嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。「一度、お休みしたいです」と書き留めた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す――。

作品タイトル:『ケイコ 目を澄ませて』
出演:岸井ゆきの
三浦誠己 松浦慎一郎 佐藤緋美
中原ナナ 足立智充 清水優 丈太郎  安光隆太郎
渡辺真起子 中村優子
中島ひろ子 仙道敦子 / 三浦友和
監督:三宅唱 
原案:小笠原恵子「負けないで!」(創出版)
脚本:三宅唱 酒井雅秋
製作:狩野隆也 五老剛 小西啓介 古賀俊輔
エグゼクティブプロデューサー:松岡雄浩 飯田雅裕 栗原忠慶
企画・プロデュース:長谷川晴彦 チーフプロデューサー:福嶋更一郎
プロデューサー:加藤優 神保友香 杉本雄介 城内政芳
French Coproducer:Masa Sawada
撮影:月永雄太 照明:藤井勇 録音:川井崇満 美術:井上心平 装飾:渡辺大智
衣裳:篠塚奈美 ヘアメイク:望月志穂美 遠山直美
ボクシング指導:松浦慎一郎 手話指導:堀康子 南瑠霞 手話監修:越智大輔
編集:大川景子 音響効果:大塚智子 助監督:松尾崇 制作担当:大川哲史
製作:「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会(メ~テレ 朝日新聞社 ハピネットファントム・スタジオ ザフール)文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
制作プロダクション:ザフール
2022年/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/99分
配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/keiko-movie/
公式Twitter:@movie_keiko
コピーライト:(C)2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

2022年12月16日(金)テアトル新宿ほか全国公開

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