【レポート】『マイ・ブロークン・マリコ』永野芽郁&奈緒、並んで観た試写でも大号泣「撮影中はシイノとマリコだった」

マイ・ブロークン・マリコ

平庫ワカ原作の漫画を実写映画化した『マイ・ブロークン・マリコ』(9月30日(金)公開)の舞台挨拶付き完成報告試写会に、主演の永野芽郁、奈緒、タナダユキ監督が登壇した。

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イベント概要

日時:8月23日(火)18:30~19:00
登壇者(敬称略):永野芽郁、奈緒、タナダユキ監督
会場:イイノホール

「親友の遺骨と旅に出る」という心に刺さるドラマを描いた、漫画家・平庫ワカによる衝撃的コミックを映画化した本作。ブラック企業に勤めるガラの悪い主人公・シイノ役の永野は、「ホントにホントに、みんなで全身全霊で挑んだ作品です!」と手応えを口にしながら「この作品に出会えたことが幸せ。もしかしたら『え?芽郁ちゃんじゃない…』とちょっと衝撃を受けるかもしれませんが、絶対に見て後悔はさせない自信があるので嬉しいです」と新境地開拓作のお披露目を喜んだ。

シノイの親友マリコ役の奈緒も「脚本を読んだ段階で撮影に入ってもいないのに、今日この日を夢見る自分がいました。客席にいる皆さんにその夢を叶えてもらっている気がして感極まりそうです」と感激。

原作を読み終わった途端、自分で映画化したいとプロデューサーに直談判したというタナダ監督は「発売当日に原作を読んですぐにプロデューサーに電話したのは初めての経験。シイノちゃんの衝動に引きずられる形で絶対に撮りたい、絶対に撮るという気持ちで突き進んでそれが今日に結びついていると思うと感慨深い」と思い入れを口にした。

永野と奈緒の起用理由については「芝居が凄い人じゃないと話にならない。芽郁ちゃんがやってくれたらすごいと思ってオファーしました。そしてマリコは誰?となったときに、シイノの原動力になりうる芝居ができる力がないとダメなので、その力を借りられるのは奈緒ちゃんだと思った」とタナダ監督。ちなみに永野と奈緒はプライベートでも親友なのだが、タナダ監督はそれを知らず「キャスティングした後に仲がいいと聞いて驚きました」と明かし、永野と奈緒を笑わせていた。

オファーを受けて、永野は「とてつもない漫画で衝撃を受けた。やりたいけれどやりたくないというのが第一印象でしたが、漫画も脚本も良すぎてほかの人にやられるのは悔しいと同時に思いました」と告白。喫煙シーンもあることから、役作りのために3、4か月間ニコチンやタールの入っていない煙草を吸っていたそうで「凄く不味くて後味もよろしくない。ご飯を食べた後に吸うと味覚がグチャグチャになって慣れるまで大変でした」と苦笑い。

さらに劇中で着用したドクターマーチンも撮影の11か月前から履き続けてきたと報告。その現物がイベント会場のロビーに展示されていると知ると、永野は「匂いとか嗅がないでください!(笑)それだけが心配!遠くから見てください!」と大テレでお願いしていた。

一方の奈緒は、原作漫画を読んで大号泣したそうで「あまりにも力が強くて呆然と涙を流している自分がいて、この物語を伝えなければという気持ちになりました。この凄い作品を凄いパワーと愛を持ってタナダさんが作り上げる組に芽郁ちゃんが座長をしている。そんな船に私も飛び込みたいと思った」と熱弁。

女優陣2人の気合いを受け取ったタナダ監督は「撮影中の2人はシイノとマリコだった。毎日そのお芝居を間近で撮っていくにつれてプレッシャーも積もりました。これをちゃんと仕上げて届けなければと」と心境を吐露した。

完成作の試写では、横並びで鑑賞したという2人。永野は「凄い映画に出たんだと自信をもらえて、自分にとっても大事な作品だと思った」と感想を述べ、奈緒は「序盤から泣いてしまって鼻をすする音で迷惑をかけたのではないかと思った」と照れ笑い。

それに永野は「場内が明るくなって横を見たら、奈緒ちゃんの顔が凄いビチョビチョでメイクも落ちていて。撮影中は魂を削ってやられている姿を見ていたので、またここで一つ奈緒ちゃんが救われたと思って二人で泣くという」と仲良し号泣を明かし、「周りの人は引いていたよね?」との永野の問いに、奈緒も「私たちこの作品では涙も鼻水も流していいよねと話し合っていたけど、まさか試写であんなにグシャグシャになるとは…」と認めて笑いを誘っていた。

しかしグシャグシャになるのはその試写の時だけではなかった。舞台挨拶の締めの挨拶を求められた主演の永野は「私自身がこうやって自信を持って絶対に見てほしいという作品が…」と話し始めるも、感極まって言葉を続けることができず、一度息をつく。そして、大粒の涙を流しながら「この作品ができたことを誇りに思いますし、それを皆さんにも感じていただけると思います。今日ここに足を運んでくださった皆さんが、帰るときには何か肩の荷が下りる気持ちになるような作品ができたと思います」と大号泣のアピールで作品の完成に感動していた。

マイ・ブロークン・マリコ
マイ・ブロークン・マリコ
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イントロダクション
原作の「マイ・ブロークン・マリコ」は、2019年に無料WEBコミック誌「COMIC BRIDGE」で連載(全4回)されるやいなや毎話SNSでトレンド入りし、翌年出版された単行本(全1巻)では即重版が決定するなど、爆発的な反響を呼んだ。また、「輝け!ブロスコミックアワード2020」大賞を受賞、「この漫画がすごい!2021年オンナ編」第4位にランクインしたほか、2021年に文化庁が主催するメディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞するなど、ほぼ無名に近い新人作家の初連載作にも関わらず、異例の快挙を成し遂げ話題となった。「親友の遺骨を持って旅に出る」という今までにない斬新な物語設定と、みる者に投げかける答えの見つからない問いかけが、多くの読者の心に刺さり一瞬にしてその世界に引き込む。

映画では、タナダ監督の力強さと繊細さを兼ね備えた演出、永野芽郁のこれまでのイメージを大胆に覆す役柄と演技、そして原作の持つ物語の力がひとつになり、人間の儚さと逞しさが、優しく熱をもって描かれる。

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