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【レポート】映画『MIFUNE:THELAST SAMURAI』トークイベントで野上照代さん、三船史郎さんが三船敏郎について語る

MIFUNE:THELAST SAMURAI

日本を代表する世界的俳優・三船敏郎の半生とその魂をアカデミー賞受賞監督スティーヴン・オカザキが描いたドキュメンタリー映画『MIFUNE:THELAST SAMURAI』が2018年5月12日(土)より有楽町スバル座にて公開され、5月19日(土)代官山蔦屋書店にて『MIFUNE:THELAST SAMURAI』公開記念トークイベントが開催された。

目次

『MIFUNE:THELAST SAMURAI』公開記念トークイベント 概要

日程:5月19日(土)
場所:代官山蔦屋書店1号館2階イベントスペース
登壇者(敬称略):野上照代、三船史郎

盛大な拍手に迎えられて野上照代さん、三船史郎さんが登壇。野上さんは「家が近ければ毎日通いたくなるような、素敵な場所ですね」と初めて訪れた、代官山蔦屋に驚きを見せた。続いて史郎さんは「本日はお越し頂きありがとうございます。このような場は慣れておりませんので何を言うかわかりませんが、よろしくお願いします」と緊張した様子で挨拶をした。
早速本作を見た感想を聞かれると史郎さんが「いい映画ができたな」としみじみと語ると、野上さんは「思っていたよりずっと面白かった。言っては悪いけれど、あまり期待していなかったので」と歯に衣着せぬ感想で会場を沸かした。本作に出演されていることについて言及されると、野上さんは「生き残っているのは私くらいしかいないから」と笑いを誘い、続けて「私ももうすぐいなくなるかもしれない。今日は貴重なイベントです。来年はいないぞ!」と茶目っ気たっぷりに語り、会場にさらに大きな笑いを起こした。

父三船敏郎さんがすごい俳優であると、いつ認識したのかと聞かれると史郎さんは「初めて映画館で見た父の映画が『蜘蛛の巣城』。志村のおばちゃん(志村喬の妻)に連れられて渋谷東宝で超満員の中、立ち見で見た」と超満員の劇場を見て父の偉大さを感じた思い出を語った。
撮影により家にいる時間が少ない父三船さんについて聞かれると史郎さんは「初めての海外出演作『価値ある男』の撮影が終わる一週間前ほどに、父がメキシコまで家族を呼び、ピラミッドに連れっていってもらったり、カジキ釣りをした。ニューヨークにも寄って、ヨーロッパにも渡った」と世界のミフネのスケールの大きな家族サービスを語った。
そして三船さんが海外でも人気を得た理由を聞かれると野上さんは「そんなことはわからない。外国人の気持ちなんて日本人の私にはわからない」ときっぱりと語り、会場を沸かした。史郎さんは「演技の迫力や威勢の良さが外国人受けしたのではないか」と自論を語った。

ミフネの魅力の一つである髭にまつわる話になると、史郎さんは「普段は髭を剃っていた。『赤ひげ』のときは、髭を生やして赤ひげに見せるために脱色していたが、薬品で肌がピリピリして鬱陶しがっていた。撮影が終わってすぐに髭を剃ったら、実は撮り足しがあったが、撮れなくなってしまった」と貴重なエピソードを語った。撮影時には台本を持たないことで有名な三船さんのエピソードを聞かれると史郎さんは「家でも一体いつ台本を覚えているのか見たことがなかった」と語ると、「メキシコ映画『価値ある男』の際にスペイン語をカタカナに起こして家中の壁に貼っていたことは唯一記憶にある」と努力をあまり人前で見せない三船さんの姿を語った。それを受けて野上さんは「『価値ある男』のテレビ放映に際し、日本語吹き替えの依頼が三船さんに来た時、『苦労してスペイン語を覚えたのに、なぜ日本語をやらなくてはいけないのか』と烈火のごとく怒っていた」と驚きのエピソードを懐かし気に語った。

最後に野上さんは「せっかく黒澤さんの作品に付き、三船さんの近くにいて、もっとお話ができたのにという後悔をしてしまうほど、三船さんは魅力的な人でした」と三船さんへの熱い想いを語り、史郎さんは「夏木陽介さんや土屋嘉男さん、加藤武さん、中島春雄さん、亡くなられた方もおりますが、とても貴重な方々に父をお褒め頂きありがたく思っています」と本作に出演者立ちへの感謝の意を述べた。そして5月24日に91歳の誕生日を迎える野上さんにサプライズで花束が贈呈され、大きな拍手に包まれたなかイベントは終了した。

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スティーブン・スピルバーグやマーティン・スコセッシなど世界の巨匠に愛された唯一無二のサムライ俳優・三船敏郎。2016年にはハリウッド殿堂入りを果たすなど、今も世界中のファンの心を惹きつけ離さない“世界のミフネ”の波乱に満ちた生涯と映画人生に迫るドキュメンタリー映画。三船が出演した黒澤明監督『七人の侍』(1954年)、『蜘蛛巣城』(1957年)、『用心棒』(1961年)、『赤ひげ』(1965年)、そして稲垣浩監督『宮本武蔵』(1954-56年)などに焦点を当て、家族、日本の映画関係者や俳優、海外の著名人たちのインタビューと貴重な映像資料とともに、その生涯と世界に影響を与えた「サムライ映画」の進化を明らかにする。

作品タイトル:『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』
出演:香川京子、司葉子、土屋嘉男、加藤武、八千草薫、夏木陽介、二木てるみ、野上照代、宇仁貫三、中島春雄、中島貞夫、佐藤忠男、明石渉、三船史郎、黒澤久雄、スティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、役所広司
監督・編集:スティーヴン・オカザキ
日本版ナレーター: EXILE AKIRA
海外版ナレーター:キアヌ・リーヴス
企画:中沢敏明 白石統一郎
製作:田中渉 河内功 星野岳志
プロデューサー:厨子健介 木藤幸江 スティーヴン・オカザキ 後藤太郎
コンサルティング・プロデュ―サー:三船力也
撮影:日名透 石川泰之
音楽:ジェフリー・ウッド
脚本:スティーヴン・オカザキスチュアート・ガルブレイズ4世
原案:松田美智子「サムライ評伝三船敏郎」(文藝春秋刊)
協力:三船プロダクション 黒澤プロダクション 東京国立近代美術館フィルムセンター 江戸東京たてもの園
製作:セディックインターナショナル、電通、TOKYO MX、中央映画貿易
制作:C・A・LFARALLON FILMS
配給:HGH BROW CINEMA

公式サイト:mifune-samurai.com
コピーライト(c)”MIFUNE:THE LAST SAMURAI”FilmPartners

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