1980年代、農業で成功することを夢見てアメリカ南部のアーカンソー州に移住してきた韓国人一家を描く『ミナリ』(3月19日(金)公開)。
アメリカンドリームを胸に、逞しく生きる家族を描いた本作は、各国の映画祭にて265ノミネート、80受賞(※TOP10選出含む/2021年3月17日現在)を記録し、日本時間3月15日(月)に行われた第93回アカデミー賞ノミネート発表では、作品賞を含む6部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞、作曲賞)にノミネートされた。
この度、映画の大ヒットとアカデミー賞受賞を祈願したイベントに「おいでやすこが」のおいでやす小田とこがけんがそろって登壇した。
『ミナリ』大ヒット&アカデミー賞受賞祈願イベント 概要
日程:3月17日(水)16:00~16:30
場所:月島ブロードメディアスタジオ(東京都中央区月島1-14-7 2F)
登壇者(敬称略):おいでやすこが/おいでやす小田、こがけん
「おいでやすこが」の2人は、アカデミー賞授賞式をイメージしたステージにバッチリときめたタキシード姿で登場。映画好き芸人として知られるこがは、先日のアカデミー賞ノミネート発表をリアルタイムで追いかけていたそう。本作は作品賞、監督賞に加えて、アジア系アメリカ人としてスティーヴン・ユァンが初めて主演男優賞候補となり、韓国人女優としてユン・ヨジョンが初めて助演女優賞にノミネートされるなど、計6部門でノミネートを果たしたが、こがは「次々と『ミナリ』、『ミナリ』…と発表されていき、テンションが上がりました!」と興奮を明かす。
こがは、映画に登場する一家が、ピン芸人2人が組んで結成された「おいでやすこが」の姿と重なったそうで「家族だけど微妙に足並みがそろわない、ひとつ屋根の下に住んでるけど少しずつズレている感じが僕らのこの感じと近い。息が合っているかというと、実は合ってない(苦笑)。微妙なラインで通じるものがある」としみじみ。
小田は本作を見て「ホンマにリアルすぎて、ドキュメンタリーみたいだと錯覚するレベルで、実在するのか役かわからなくなった。アメリカに来た韓国人の家族をのぞき見しているような映画だった」と驚きを口にする。
こがも「家族全員の幸せのビジョンが微妙に一人一人違うので、みんなが良かれと思ってやっていることで、ズレが生じていく。リアルな家族ってそういうもの」とリアリティにあふれる家族描写を称賛する。
映画では、ひと旗上げようと夢を見る一家の長・ジェイコブ、そんな暴走気味の夫に不安を感じつつも付いていく妻・モニカらの姿が描かれるが、「おいでやすこが」の2人も既婚者ということで感じることも多かったよう。
こがは「もし去年、この映画を見てたら、マジで精神的に不安定になってたんじゃないか?自分のことか他人のことかわからなくなる感じで感情が揺さぶられていたと思う。いまはM-1(準優勝)の後で恵まれた環境だけど、1年前とか、自分もああいう環境だったなぁ…って思います」と自らの境遇を思い切り重ねて心揺さぶられた様子。自身の結婚についても「ずっと同じ人と付き合っていたのに、結婚したのは5年前。『もっと成功してから』という思いがあったけど、いま思うともっと前でもよかったのにと思うし、身につまされた…(苦笑)」と反省気味にコメント。
一方、小田は「僕は奥さんが、僕がお笑いをやるのは大賛成で、両親も総出で応援してくれるので、環境的には恵まれている」と断わった上で「そんな自分ですら、映画を見ていたら(ジェイコブの夢に振り回される)お母さん側に感情移入してしまった」と明かした。
ちなみに、こがはこの日、本作の制作会社であり、次々と話題作を生みだしている「A24」のピンバッチを胸につけており「買ってからつけてなかったんですけど、『ここじゃん!』と思って」と満を持しての着用だと胸を張る。本作は「A24」が、ブラッド・ピットが率いる「プランB」とタッグを組んでおり、こがは「まさに夢のタッグ!」と語り、アカデミー賞受賞に関しても期待を寄せる。
特にこがが絶賛し、受賞の太鼓判を押すのが祖母役を演じ助演女優賞にノミネートされたユン・ヨジョン。「最初、一家に閉塞感があるけど、おばあちゃんが来ることでガラッと空気が変わるんです。『ミナリ』というワードのキーパーソンでもあり、素晴らしかった。そりゃノミネートされるわなって思います。いけるんじゃないかな?」と力強く語っていた。
2人はこの日のために考えてきたという『ミナリ』に絡めた新ネタを披露。映画の中で歌われる曲を歌いつつ、“ミナリ”というワードをこがが「いなり」「かなり」などとボケるというネタで、さらには本作と関係ない『スター・ウォーズ』のメロディに乗せて『ミナリ』をアピールするという離れ業も。しかも「どっちも」と言うべきところで「どっつも」と噛んでしまい、その瞬間に最も大きな笑いが起こるというまさかの展開となり、こがも「まさかのオーマイガー!ですよ」と苦笑を浮かべていた。
そして、この日はヒット&アカデミー賞受賞祈願ということで、2人は『ミナリ』と書かれた樽を前に鏡割りを行なったが、司会者の「俳優・監督代表として鏡開きを!」という言葉に、小田は「俳優・監督を代表して…?怒られへん?」とつっこみ、こがも「ホントにやめてください!僕ら、叩かれるんで」と苦笑しながら、笑いを誘っていた。
最後に改めて、小田は「いろんな業種の方が感情移入できる、自分自身を投影してやる気になったりできる映画です。見てください!」とアピールし、こがも「胸が熱くなる家族の話です。アメリカの韓国人家族の話だけど、僕らにも重なる話なのでぜひご覧ください!」と呼びかけ、イベントは幕を閉じた。
『ミナリ』は3月19日(金)より公開。
イントロダクション
主人公は、韓国出身の移民の一家。父親は農業で成功したいと夢見てアーカンソー州の大地に広大な土地を買うが、現実は厳しく、一家には様々な困難と予想もしない事件が降りかかる。
父親・ジェイコブ役には『バーニング 劇場版』「ウォーキング・デッド」のスティーヴン・ユァン。
監督は、米国有力映画メディア「インディワイア」で2020年に「今年最高の監督10人」に、デヴィッド・フィンチャーやスパイク・リーらと共に選ばれたリー・アイザック・チョン。新海誠監督の『君の名は。』のハリウッド実写版の監督として抜擢された新鋭だ。
ストーリー
1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカ南部のアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと心臓に病を持つが好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。
作品タイトル:『ミナリ』
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットン ほか
脚本&監督:リー・アイザック・チョン
原題:MINARI
全米公開日:2021年2月12日
2020年/アメリカ 上映時間:116分
配給:ギャガ
公式サイト:gaga.ne.jp/minari
コピーライト:(c)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
3月19日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
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