公開中の映画『室井慎次 生き続ける者』の大ヒット御礼舞台挨拶が11月16日(土)から17日(日)にかけ、名古屋と大阪で実施された。
11月16日(土)に実施された名古屋・ミッドランドスクエアシネマでの舞台挨拶には、主演の柳葉敏郎、本広克行監督、亀山千広プロデューサー、そして愛知在住のリク役・前山くうが、こうがが登壇。
柳葉は、「自分では27年間付き合った男ですので、皆さんにその気持ちが伝わってくれればと思います」と挨拶。そして前山くうがが「実は先週先行上映で、ここミッドランドスクエアシネマで2回観ました。同じ場所で皆さんと会うことができて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」と、こうがが「僕たちの地元で柳葉さん、本広監督、亀山プロデューサーと一緒に舞台挨拶ができて、すっごく嬉しいです」と挨拶すると、会場からは「かわいい~!」の声が溢れ、“父親”である柳葉も「いい子に育ったな~」と思わず目を細め、二人を見つめた。
また、くうがとこうがは愛知のおススメの場所としてレゴランドを挙げ、柳葉と一緒にジェットコースターに乗りたいと伝えると、ジェットコースターが好きな柳葉がまだ幼い二人を心配し、もう少し身長が伸びたら一緒に乗ろう、と「現場の君たちを信じる」と室井の名言を交え約束する一幕もあった。
また、「柳葉と室井が重なるところはどこか?」と問われた柳葉は、「よくいうと信念を持っている、悪く言うと自分勝手なところでしょうか。室井は自分の思っていることに向かってひたすら突っ走っていく。ただ、そこには彼なりの正義がある。本作は今までの室井の環境が変わったとしても自分のゴールに向かって歩んでいる。そういった点が自分と重なる部分では」と分析。
亀山プロデューサーは「柳葉敏郎の信念と室井慎次の信念は重なっていると思います。だから柳葉敏郎が面倒くさいんだと思います、室井慎次を演じてくれと言っても断られ、1年以上かかりました。絶対自分が納得しないとやらない。もう少し室井は融通が利く人だと思うんですけど(笑)」と本作出演に至るまでの経緯を含め、柳葉と室井の重なる点を語った。
また、くうがとこうがは劇中アドリブで演じた「室井のモノマネ」を披露し、柳葉から「室井家の息子になった」と言わしめた。
続いて行われたティーチインでは、なんと柳葉自身がマイクを持って走り、質問を受けるべく観客のもとへ。劇場内から歓声が上がるも、質問が柳葉ではなく、くうが・こうがへ向けたものとわかると「俺へではないのか!」とガッカリ。劇場内は爆笑となった。
また別の観客からの質問には、こうががマイクを運び「室井家で食事のシーンが多かったが、何が一番美味しかったですか?」との質問を受け、こうがは「コロッケが美味しかったです」と、くうがは「オムライスです」と回答。これを受け、本広監督、亀山プロデューサーは、実はこのオムライスは過去作品に関係するアイテムだと語り、この機会に過去作も見直して欲しいと語った。
最後に柳葉から「この家族の空気感が、今よりも増してスクリーンに映し出されていると思います。室井慎次という男と付き合って27年。自分にとってはかけがえのない存在で、今思うとこの仕事を断らなくてよかったなと思っています。先行上映で、娘が観てくれました。電話があり、電話先の娘はものすごく嗚咽をしていたので、何があったのかと心配していたら、『お父さん、演じてくれてありがとう』という言葉をもらいました。亀山さん、本広監督、ありがとう。室井に教えてもらったことをこれからの糧にしていきます。室井という男の生きざまで感じた何かを皆さんの環境の中で活かして、時々室井を思い出していただければと思っています。ありがとうございました」と熱い想いを述べ、名古屋での舞台挨拶は終了となった。
そして、翌11月17日(日)は大阪での舞台挨拶を実施。この日は名古屋に続き、柳葉、本広監督、亀山プロデューサーの3人と、大阪出身の福本莉子が登壇した。
1回目の舞台挨拶は、TOHOシネマズ 梅田にて行われ、柳葉は「そうです、わたしが柳葉敏郎です」とユーモアたっぷりに挨拶。福本は「ようこそ、TOHOシネマズへ」と、自身が出演しているTOHOシネマズの幕間映像でお馴染みの挨拶を披露。また「大阪、ただいま~」と挨拶すると、劇場内からは「おかえりなさい」と温かい拍手が起こり、「地元大阪で、そしてよく来ていたTOHOシネマズで、皆さんと舞台挨拶ができて、とても嬉しく思います」と笑顔を見せた。
大阪でのドラマ撮影、また最近ではテレビ番組の収録で大阪を訪れた柳葉は「楽しかったですね~、行くところ行くところ、大阪の方の熱い想いが伝わってきまして、久しぶりに大阪の空気楽しませていただきました」と大阪の印象を振り返った。一方、福本は柳葉へ大阪のおススメ場所として、毎日のように来ていたという梅田を挙げたほか「大阪は安くて美味しいのが一番の醍醐味!」と語った。
また、27年にわたり室井を演じてきた柳葉は、今の心境を問われると「感謝しかないです。このお話をいただいたのは、朝ドラの撮影中で、それどころではないのに(笑)、室井の話が届きまして、断ろうと思っていました。亀山プロデューサーと何度か会う中で、出演する覚悟を決めましたが、なぜあの時断ろうと思ったのかな、と今反省しています。27年間付き合ってきた大親友をこういう形で締めくくることができて、幸せです」とコメント。
本広監督は「僕も断っていました(笑)。でも今となっては僕もやってよかったです。こういったエンターテインメントがあるんだなと思いました」と心境を述た。
亀山プロデューサーは、「脚本の君塚さんから室井を解放させてあげたい、と連絡をもらい、すぐに会いに行って君塚さんの想いを確認しました。しかし、柳葉さんからは、なぜ今室井をやるんだ、コメディ好きな本広監督からは、コメディがない脚本は撮りたくないと逃げられ、説得するのに1年以上かかりました」と製作の経緯を語った。
また福本は、本作出演が決まった時の感想について「びっくりしました!私が生まれる前からずっと室井さんでいらっしゃって。こんな大プロジェクトに参加できるとは思っていなかったので、嬉しかったですが、役名を聞いた時に、『えっ!』と思いました」と振り返り、本作の印象的なキャラクター・日向真奈美の娘を演じることの戸惑い、プレッシャーを明かした。
その後のティーチインでは、名古屋に続いて柳葉自身が客席までマイクを運び、質問を受けた。中には実際に里親子の支援をしている方から「本作の中で、里親さんや子供たちのセリフがたくさんあり、泣いてしまいました。どのようにセリフにしていったのか?」と質問が。柳葉は「里親という言葉は環境にすぎなくて、親としての気持ちで接していました。自分の子供を育てている時と同じように、彼らを愛する気持ちだけで過ごしてきました」と、柳葉、そして室井の愛情深い一面を見せた。
また、中学生の頃から室井の大ファンという女性が「今、室井さんにかけてあげる言葉は何ですか?」と涙ながらに質問すると、柳葉は「彼に声をかけるとしたら、ようやったな、ですかね」と少し言葉を詰まらせながら、「あとは、感謝です。27年間付き合ってくれて、ありがとう、です」と回答。これには、柳葉だけでなく登壇者も涙ぐんでいた。
最後は柳葉が「最後の室井になりますが、「踊る」は永久に不滅です。皆さんに支えられた男の生きざまを今一度皆さんの心の中で振り返ってみてください。ありがとうございました」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。
その後大阪ではTOHOシネマズ なんば、大阪ステーションシティシネマでも舞台挨拶が行われ、名古屋、大阪で計5回の舞台挨拶が実施された。
ストーリー
正義を信じ、理想を追い続けた男、室井慎次。
家族を持たなかった男が、“家族”を守る―
「あの男との約束を果たせなかった―。」
現場の捜査員のために粉骨し、警察の組織改革に挑むなど、波乱に満ちた警察人生を歩んできた室井慎次。27年前の“青島との約束”を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷・秋田に帰る。そこには、かつての険しい表情とは異なり、自分たちが見過ごしてきた「事件の被害者家族・加害者家族を支援したい」という想いで、少年たちと一緒に穏やかに暮らす室井の姿が―。
そんな中、室井の前に突如現れた謎の少女。彼女の来訪とともに、他殺と思われる死体が発見される。そして明かされる、少女の名前は…日向杏。シリーズ最悪の犯人と言われた猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘だという、衝撃の事実が判明する。
「とんでもない死体を見つけましたね、室井さん―。」
東北の山奥には似つかわしくない、おびただしい数の警察官、ヘリや警察車両―。
「最悪」は何故室井慎次を狙うのか。
穏やかな暮らしを求めた室井のまわりに、再び、事件の影が迫りくる―。
『室井慎次 生き続ける者』
出演:柳葉敏郎 福本莉子 齋藤潤 前山くうが・前山こうが ・ 松下洸平 矢本悠馬 生駒里奈 丹生明里(日向坂46) 松本岳 佐々木希 ・ 筧利夫 甲本雅裕 遠山俊也 西村直人 赤ペン瀧川 升毅 真矢ミキ ・ 飯島直子 小沢仁志 木場勝己 加藤浩次 稲森いずみ いしだあゆみ
監督:本広克行
脚本:君塚良一
プロデュース:亀山千広
音楽:武部聡志
配給:東宝
(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
公式サイト:https://odoru.com/
公式X:https://twitter.com/odoru_movief
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『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』大ヒット上映中