映画『孤狼の血』などで知られる人気小説家・柚月裕子による小説が原作。殺されたケースワーカーの素顔と不正受給の実態、社会保障の闇と新たなる希望を描き出すヒューマンミステリー、WOWOW「連続ドラマW パレートの誤算 〜ケースワーカー殺人事件」が3月7日(土)夜10:00より放送される。
この度、本作の完成報告会が2月27日、東京・品川のTHE GRAND HALLで行われ、主演の橋本愛さん(牧野聡美役)、共演の増田貴久さん(小野寺淳一役)、北村有起哉さん(若林永一郎役)、松本まりかさん(安西佳子役)、那須雄登さん(金田良太役)、原作者・柚月裕子さん、そして小林聖太郎監督が出席した。
高校時代から「組織では全体の約2割の人間が大部分の利益をもたらしている」と提唱した経済学者ヴィルフレド・パレートによる「パレートの法則」を無意識に感じていたという橋本さんは「企画書にその数字が書かれていて衝撃を受けました。もうこれはやらなければいけないし、運命的な何かがあると感じて、内容を確認せずに飛び込んだのが最初の入り口」と明かし「その後になって『内容がつまらなかったらどうしよう…』と不安になったけれど、大正解でした。原作も面白いし、最高のスタッフさんとご一緒できたのも超幸せ。それぞれの味が粒だっている作品に仕上がりました。これはラッキーなお仕事でした」と思い入れたっぷりだった。
WOWOW連続ドラマW初出演の増田さんは「内容を見る前にやりますと言わせてもらった」と即答だったようで「そこから原作を読んで自分の知らない世界があり、この現実を知らなければいけないと感じたので、作品に関わらせてもらったことは幸せでした。凄く嬉しい」と出演意義を実感。撮影中に某バラエティ番組のレギュラー出演も決まったが「撮影現場に差し入れをしていたら、途中からスタッフの方が『ゴチになります』と書いてくれたりして…。嬉しかったです」と笑顔を浮かべた。
北村さんは「社会の片隅でしがみついて生きている人の姿が克明に描かれており、話を増すごとにショックも増してくる。ラストに向かって一体何がどうなるのか?ハラハラドキドキする展開もあり、社会問題をテーマにしているので現実とリンクしている見応えのある作品です」と太鼓判。ちなみに撮影中に第二子が誕生した北村さんは「その日は撮影がなかったので良かった!これから死ぬまで働きますよ!」とユーモア交じりに宣言していた。
松本さんは「現実に私たちが知らなければいけない、スポットライトの当たらない社会があり、ドラマを通して知ることができて本当に良かった。正体不明の女という役柄ですが、それでなければ生きていくことができない人がいるということをぜひ皆さんに知ってもらいたいです」と熱弁。ドラマ初出演の那須さんは「初めてのドラマのお仕事で、しかも不良役。金髪に染めるということもあって、一生忘れられない作品になりました」と初々しく、美少年メンバーには「出演することはすぐに伝えました。『ちゃんと台本を読んで覚えていくんだよ』とアドバイスももらえて嬉しかった」と喜んでいた。
事務所の先輩である増田さんは、那須さんに対して「初めてのドラマなので緊張しているかな?と思って、『どうだった?』とメールをしたら、その日には連絡が来なかった」とポツリ。それに那須さんは大慌てで「あまりスマホを見ないんです!…あのときはありがとうございました!」と最敬礼していた。
橋本さんは撮影の雰囲気を振り返り「皆さんと向き合うシーンは毎回面白味が違って、人によってこんなに違うんだ!と驚いて、それはまるで異種格闘技戦のよう。主役という立場だからこそ色々な共演者の方々と演技というコミュニケーションを取ることができて楽しかった」と充実した表情で報告。それに小林監督は「決まり切ったことはやりたくなくて、生き生きとその場の生の感覚を撮りたかった。それについていけない人もいたり、僕自身がついていけなかったり、それを楽しみながら常に探って作っていった実感があります」と手法を解説していた。
原作者の柚月さんは「重いテーマなのでドラマ化は難しいのではないかと思っていたので、大変驚くとともに、どんなドラマになるのか楽しみでした。キャストのみなさんがどのように私が書いた登場人物たちを演じているのか、放送が楽しみです」と期待を込めていた。
最後に主演の橋本さんは「この作品には『みんな共に生きている』という、当たり前だけれど見落としがちな大切なことが詰まっています。私たちには作品を作って世界を変えることしかできないけれど、その想いを最後まで信じて作り続けました。一人でもいいので、届くべき人に届けばいいと願っています」とアピールしていた。
【パレートの法則とは】
組織では全体の約2割の人間が大部分の利益をもたらしている。そこで有用と思われる2割にあたる人間を外したところ、残りの8割の中から2割の人間が新たに利益を生み始める、というイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが唱えた経験則。
本作のタイトル中の「誤算」には、「パレートの法則を曲解すれば、社会から生活保護受給者は決していなくならないということになるかもしれないが、いつでも誰もが“8割”側に転落する可能性を秘めている。そして、そこから這い上がる人も多くいる。だから弱者を弱者と単純に切り捨ててはならない」という警鐘が込められている。
ストーリー
不本意ながら嘱託という形で市役所の福祉課に務める牧野聡美(橋本愛)は、ある日突然、生活保護利用者と直接向き合うケースワーカーの仕事を命じられる。不安を抱く聡美のことをベテランの山川は「やりがいのある仕事だ」と励ましてくれた。
同僚の小野寺淳⼀(増田貴久)とともに、迷いを抱えながら多くの利用者たちと向き合っていく聡美。ところが後日、その山川が、あるアパートの、火事のあと他殺体で発見される。あれほど利用者から慕われていた山川がなぜ?
周囲で、山川が何らかの不正に関わっていたのではないかという疑念が膨らんでいく中、聡美と小野寺は、町を覆う不正の影と⽣活保護をめぐる様々な人々の人生模様に巻き込まれていく。
出演:橋本愛 増田貴久 北村有起哉・松本まりか 和田正人 冨手麻妙 那須雄登(美少年/ジャニーズJr.)
吉田芽吹 小市慢太郎 西田尚美 尾美としのり ほか
監督:小林聖太郎(『初恋〜お父さん、チビがいなくなりました』「連続ドラマW 煙霞-Gold Rush-」)
原作:柚月裕子「パレートの誤算」(祥伝社文庫刊)
脚本:武井彩(「連続ドラマW イアリー見えない顔」)、小松屋たから
音楽:妹尾武(ドラマ「いま、会いにゆきます」『みとりし』)
「連続ドラマW パレートの誤算 〜ケースワーカー殺人事件」
3月7日(土)夜10:00スタート(全5話)〔第1話無料放送〕https://www.wowow.co.jp/dramaw/pareto/
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