橋本愛、中川大志らキャストが「10年前と変わったこと」について語る 『早乙女カナコの場合は』完成披露上映会レポート

映画『早乙女カナコの場合は』の完成披露上映会が2月25日に新宿ピカデリーで行われ、橋本愛、中川大志、臼田あさ美、中村蒼が登壇した。

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大勢の観客が集まった会場に橋本が登場すると会場からは大歓声が上がり、橋本の金髪姿に会場からは「かわいい!」という声も飛び交った。

劇中でつかず離れずの関係を続けるカナコと長津田を演じた橋本と中川だが、本作が初共演となる。まず橋本が「今回はじめてだったんですけど、本読みの時にセリフ合わせをしたんですが、その時にどこか作品に対しての準備の仕方が似ている気がするなと直感的に思って。現場でお話しても共有できることがすごくありました。だから自分にとっては同志のような感覚で現場にいることができて心強かった」と語った。

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中川も「橋本さんと共演させていただけることはすごくうれしかったですし、いつかお芝居ができたらなと思う役者さんのひとりでした。この作品って言語化しづらい感情や空気感を表現していかなければいけない場面も多々あるんですけど、そういった感情が共有できるような。そんな安心感を持ちながらお芝居をさせていただきました」とコメントした。

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さらにカナコの会社の上司、亜依子役の臼田は、「わたしも橋本さんの作品はたくさん拝見していて。俳優としてもリスペクトの気持ちがあったので、現場をご一緒するのは楽しみでしたし、共演してみてより作品に対する思いと、演技をする姿勢などを見て、ご一緒できて良かったです」としみじみ語る。

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さらに橋本とは3度目の共演になるという中村は「僕は他の皆さんよりはより知ってるんですけど、最初にご一緒したのは橋本さんが10代の時。まだ人見知りで、オープンな感じではなくて。少しずつ距離を縮めていくような間柄だったんですけど、今日久しぶりに会ったら金髪になっていたので。突き抜けたなと思います」と笑いながら語った。

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個性的なキャラクターが多数登場する本作だが、「共感するところは?」という質問に橋本は、「わたしは他人からどう見られているのかを常に気にしていました。今は落ちついて、それも自分を客観視するために必要な目線だと考えていますけど、やはりどうしてもこう見られたいという自分の欲求とか、こう見られているんじゃないかという恐怖におびえていたりという時期がすごく長かったので。カナコを見て懐かしいなという部分もすごくありました」と返答。そしてあらためて「自分にすごく近いです。ちょっとデフォルメしているわたしです」とキッパリと語った。

本作はカナコと長津田のおよそ10年におよぶ軌跡を描いた作品となる、ということを踏まえて「10年前と変わったことは?」という質問も。それにはまず中川が「10年前というと16歳ですが、むちゃくちゃ生意気だったと思います。当時は年上の世代の方と仕事をすることが多かったんですが、よくかわいがってくれたなと思います」と冗談めかすと、臼田も「わたし自身は変わっていないけど、身体が絶好調な日がなくなった。あとは物価が高くなりましたね」と笑いながらコメント。それに続けて中村も「僕は食ですかね。10年前は23歳で何でも食べられましたけど、今は油が無理で。胃もたれするようになってきた」と笑いながら付け加えた。

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一方、「19歳でしたけど、同じところが見つからないくらい大変身しました」という橋本は、「ここ5、6年はアウトドアになって、外に出て自然で遊ぶようになりました。昔は本を読んで、映画を見てという感じで楽しんでいましたけど、今はわりとアクティブになって。多趣味になりましたね」とコメント。さらに「過去の自分に言いたいことは?」との質問には「でもやっぱり頑張っているねと拳を突き合わせたいというか。やはり自分の過去は抱きしめてあげたいような存在なので、抱きしめたいです」と語った。

イベントも終盤となり、最後のコメントを求められた中村が「この作品はそれぞれのキャラクターがそれぞれの立場に嫉妬したり、うらやましく思ったり、傷つけたりしながら成長していく物語だと思います。きっと皆さんそれぞれの立場で共感できるところがたくさんあると思います。ぜひ楽しんで観ていただけたら」と語ると、臼田も「この作品も3月に公開されますが、そのあとはすぐ4月で新学期や新年度がはじまる季節です。何か自分の中でもどかしい何かがある人は、この映画が一歩でも、半歩でも進むための勇気になればいいなと思います」とメッセージを寄せた。

さらに中川が「この映画は早乙女カナコという女性がフィーチャーされていますが、この映画の世界が皆さんの普段生きている世界と地続きであってほしいなと思いながら演じていました。決して映画だからスペシャルなことなのではなく、皆さんに寄り添えるような映画になったらいいなと思います」とコメント。

最後に橋本が「この映画はカナコも含めて自分らしく生きるって何だろう、この先どう生きるべきかという、それぞれの切実な悩みがリアルに描かれているなと思っていて。その自分らしさというのは、本当に長い時間をかけて自分と対話し続けて、やっとどうにか見つかるものだと思います。だからカナコもきっと何年もかかったんだと思うし、自分の人生の主導権を取り戻すという映画になったんじゃないかなと思います」とコメント。さらに「自分らしく生きることもそうだけど、何か自分がとらわれているものから解き放たれるというか、そういった人たちの生きざまを観てもらって。皆さんをエンパワーメントできるようになったらなと期待しているので。どうかそれがかなったらいいなと、祈るような気持ちです。最後まで楽しんでください」とメッセージを送った。

『早乙女カナコの場合は』は3月14日より公開。

ストーリー
大学進学と同時に友達と二人暮らしを始めた早乙女カナコ。入学式で演劇サークル「チャリングクロス」で脚本家を目指す長津田と出会い、そのまま付き合うことに。
就職活動を終え、念願の大手出版社に就職が決まる。長津田とも3年の付き合いになるが、このところ口げんかが絶えない。⻑津田は、口ばかりで脚本を最後まで書かず、卒業もする気はなさそう。サークルに入ってきた女子大の1年生・麻衣子と浮気疑惑さえある。そんなとき、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。
編集者になる夢を追うカナコは、長津田の生き方とだんだんとすれ違っていく。大学入学から10年―それぞれが抱える葛藤、迷い、そして二人の恋の行方は―

『早乙女カナコの場合は』
出演:橋本愛 中川大志 山田杏奈 根矢涼香 久保田紗友 平井亜門 /吉岡睦雄 草野康太 /のん 臼田あさ美 中村蒼
監督:矢崎仁司
原作:柚木麻子『早稲女、女、男』(祥伝社文庫刊)
脚本:朝西真砂 知 愛
音楽:田中拓人
主題歌:中嶋イッキュウ「Our last step」(SHIRAFUJI RECORDS)
製作:石井紹良 髙橋紀行 宮西克典 
製作幹事:murmur KDDI
制作:SS工房
企画協力:祥伝社
2024/日本/DCP/2:1/5.1ch/119min 映倫区分:G
配給: 日活/KDDI
(C)2015 柚木麻子/祥伝社 (C)2025「早乙女カナコの場合は」製作委員会

公式サイト:saotomekanako-movie.com
公式X:@wands_movie

2025年3月14日、新宿ピカデリー他全国公開

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