【レポート】映画『世界が愛した料理人』公開記念 試食会&来日トークショー開催!エネコが語る究極のバスク料理の世界とは

世界が愛した料理人

スペインのミシュラン料理人が究極の食を求めて日本の名店を巡る美食ドキュメンタリー『世界が愛した料理人』が9月22日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開となる。
第67回ベルリン国際映画祭で上映され、話題を集めた本作は、スペイン史上最年少でミシュラン三ツ星を獲得した天才料理人エネコ・アチャが料理の真髄、魂とは何かを求めるため、「すきやばし次郎」をはじめとする日本の名店を巡る美食探求ドキュメンタリー。
この度9月4日に、エネコ・アチャがプロデュースした都内屈指の一流レストラン「エネコ東京」で映画『世界が愛した料理人』公開イベントが実施された。

目次

『世界が愛した料理人』公開イベント 概要

日時:9月4日(火)14:00~試食会/14:50~ダイジェスト上映/14:50~トークショー
場所:ENEKO Tokyo (東京都港区西麻布3-16-28 TOKI-ON西麻布)
登壇者:エネコ・アチャ(「アスルメンディ」シェフ)

イベントはまず、エネコ東京一押しのグラスワイン「チャコリ」と、可愛らしい前菜がバスケットに盛り付けられた「ピクニック」、そしてスプーンの上に卵の黄色い黄身とトリュフの色合いが絶妙なグラデーションを描いて丸くちょこんと乗っている「トリュフ風味の卵」の試食から始まった。味だけでなく、見た目にも趣向をこらしたエネコ東京の料理は、もはや芸術といっても過言ではない。料理に舌鼓をうったあとは、本作のダイジェスト上映を10分間実施し、ついにスペイン史上最年少でミシュランの三ツ星を獲得し、本作にも出演している天才シェフ、エネコ・アチャのトークショーが始まった。

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エネコ氏の故郷でもあるスペイン・バスク地方の料理の魅力について改めて聞くと「バスク料理は、味はもちろん環境や伝統を大事にしているのですが、我々バスク人は伝統を重んじている中でも常に『新しいものを作りたい』という意志があります。」と答えた。彼の「新しいものを作りたい」という意志は、本日提供された試食の「ピクニック」と「トリュフ風味の卵」にも反映されている。「ピクニック」は、エネコ氏が拠点を置いているバスク地方のレストラン「アスルメンディ」をオープンしたときに「何か新しいものをプレゼントしたい」と思い、アスルメンディに隣接している「ガーデン」という庭から着想を得て発案された料理だ。そして、「トリュフ風味の卵」は生産者への尊敬の念を込めて作られた料理で、アスルメンディの近くに素晴らしい卵の生産家が住んでいたため、彼の卵を伝えるためにバスクの伝統的な調理法をアレンジして生まれた料理だ。

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これまで世界中の様々な料理を食べ、多くのシェフ達と交流してきたエネコ氏の根底にあるのは、幼い頃に食べた母親のあたたかい料理だという。「私の魂の中から出てくる料理は、母から教わった料理です。母はとても優しく、その優しさがこもった料理を世界に広めたいと思いました」。また、先日亡くなったジョエル・ロブション氏にも多大な影響を受けたらしく、「彼は私にとって素晴らしい先生です。レシピだけでなく、人格的にも素晴らしくて、様々な知識を共有してくれました。」と語った。
また、「サステナブル」―すなわち「持続可能」という精神を重んじているエネコ氏にとって、自分の知識を後世に伝えるということは重要なテーマだという。「土地に与えられたものに感謝して、社会に貢献し次の世代に伝えるというものを大事にしています」と語るエネコ氏は、「料理人だけでなく、自分の家族や友人のために料理を作る人々にも影響を受けました。シェフは、自分が得た知識や影響を広めていくことによって、より素晴らしいものを作っていけるようになると思います」と述べた。

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本日のイベント会場である「エネコ東京」は、昨年9月にオープンし、今月で1周年という大きな節目を迎えた。「バスク料理、つまりガストロノミーには色々な種類やスタイルがありますが、日本料理にも寿司や懐石料理など様々なスタイルがあります。」と、日本料理とバスク料理のあいだに共通点を見出しているエネコ氏。そんな彼がエネコ東京で目指すものは何なのか尋ねると、「エネコ東京では、日本の四季や伝統を大切にしながら、バスクの精神を日本に伝えたいという思いを一番大切にしています。バスク人にとっても日本人にとっても『食卓』はお祝いの場として大切なシンボル。バスクのお祝いのシンボルである『食卓』を、日本でも伝えていきたいと思っています。バスクと日本の距離を縮めていけるような料理を提供し続けていきたいです」と答えた。

スペイン史上最年少でミシュランの三ッ星を獲得し、天才と謳われたエネコ氏の飽くなき挑戦は、母国スペインを越えて世界に向けてまだまだ続く。

エネコ・アチャ・アスルメンディ
スペイン北部の都市ビルバオの郊外に位置する三ツ星レストラン「アスルメンディ」のオーナーシェフ。
2012年、スペイン史上最年少で三ツ星を獲得する。祖母や母に教わった伝統料理をベースに発展させた、華やかで独創的な料理には世界中から顧客が集まる。地域の農場や農家との協力や、地熱システムの利用、絶滅の危機にある土着の動植物種の保存など、持続可能性を追求している。2012年よりミシュランガイドにて6年連続三ツ星を獲得。

ストーリー
スペイン、バスク地方。そこはミシュラン星付きレストランも多く、世界的に美食の街として知られる。バスク州ビルバオ郊外の名店「アスルメンディ」のオーナーシェフ エネコ・アチャは、スペイン史上最年少でミシュラン三ツ星を獲得し、2017年にアメリカのエリートトラベラー誌が選ぶ世界のベストレストラン100の第1位に選ばれた。そんな真の料理を極めるため追及し続ける彼が、最高の料理に必要なもの、料理に込めるべき魂とは何かを求め、辿り着いたのは日本が誇る?和食”だった。オバマ前大統領が来日時に訪れてその名が知れ渡った寿司屋「すきやばし次郎」。その店主で世界最年長の三ツ星料理人、小野二郎の創作にかける想いが明らかになるほか、日本の名店の数々からエネコ・アチャが見出した究極の料理とは・・・。

作品タイトル:『世界が愛した料理人』
出演:エネコ・アチャ「アスルメンディ」、マルティン・ベラサテギ「ラサルテ」、カルメ・ルスカイェーダ「サンパウ」、ジョエル・ロブション「ジョエル・ロブション」、石田廣義・石田登美子「壬生」、山本征治「龍吟」、小野二郎・小野禎一「すきやばし次郎」
服部幸應、マッキー牧元、マイケル・エリス「ミシュランガイド」
監督:アンヘル・パラ、ホセ・アントニオ・ブランコ
2016年/75分/原題:SOUL/スペイン/5.1ch/ビスタ/カラー
配給・宣伝:アンプラグド

公式サイト:sekai-ryori.com
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9/22(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

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