映画『少年と犬』西野七瀬&瀬々敬久監督、大阪での舞台挨拶付き特別試写会に登壇

映画『少年と犬』で高橋文哉とともに主演を務めた西野七瀬と、瀬々敬久監督が、大阪・梅田で行われた舞台挨拶つき特別試写会に登壇した。

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原作は、馳星周が2020年に発表し、第163回直木賞を受賞した短編連作小説「少年と犬」(文春文庫)。大切な人に会うために岩手県釜石から彷徨ってきた1頭の犬・多聞(たもん)が、西の方角を目指して日本を縦断する旅路で出会った、傷つき、悩み、惑う人々と交流する物語だ。

原作の複数のエピソードにオリジナル要素を加えて映画化された本作で、W主演を務めるのは高橋文哉と西野七瀬。さらに、瀬々敬久監督、企画・プロデュースの平野隆、脚本の林民夫という、『ラーゲリより愛を込めて』(22)のチームが集結した。

試写会のこの日は、大きな拍手の中、ゲストの2名が登壇。西野が「まだ映画は公開されていないですが、ひと足早く観ていただけるということで、私もすごく楽しみにしています。この時間を一緒に楽しめたらいいなと思います」と挨拶。続けて、瀬々監督も「『少年と犬』というタイトルです。犬好きにはたまらない映画だと思いますので、楽しんで帰ってください。犬がそんなに好きでない人も充分楽しめる映画になっていますので、大丈夫です(笑)!」と冗談も交えながら挨拶した。

大阪出身の西野は、梅田での思い出を聞かれると「あんまり梅田に実は来たことがなくて…たまに家族とか親戚とかで夜ご飯を食べようって時に来てた感じだったので特別感のある場所です。おでかけ感が強かったですね」と回答。一方、瀬々監督は「浪人生の時に大阪に一年いました。映画が当時も好きだったので、(大阪の)名画座に良く通っていました。だからそういう意味では青春の街ですね」と大阪の印象を振り返った。

大阪名物を尋ねられると、西野は「阪神梅田(本店)に入っている大学芋屋さんがあって、めちゃくちゃ美味しいです。大阪名物ではないのかもしれないですけど、大阪に来たら必ず買います」と明かした。また、大阪に来た時に必ず食べたいものとして、瀬々監督は「予備校時代にびっくりしたのは、お好み焼き定食でしたね。お好み焼きをおかずにしてご飯を食べるという、すごいなと思いましたけど、結構いける口でした」と答えると、西野は「食べたことないんですよ、私」と意外にも試したことがないことを明かした。

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物語の舞台の1つである滋賀県でも撮影された本作。劇中の言葉(方言)について、西野は「滋賀弁のベースが関西弁とほぼほぼ同じだったので、すごいやりやすかったです」と振り返った。また、天気が変わりやすい琵琶湖での撮影について、瀬々監督は「びわ湖バレイの撮影では前日まで大雪で、撮影当日も朝が曇りだったんですけど、(撮影時は)上手い具合に晴れてくれましたよ」と話すと、西野も「めちゃくちゃ絶景が撮れてます!」と撮影時の裏話を教えてくれた。

また、西野は自身が演じる美羽という役柄について「過去だったり、(美羽を)取り巻いてる環境とかをいろいろ考えて、映画の中に描かれてない部分とかも想像で補うといか、想像力頼りでした。現場にいってみて、その役の感じを作っていきたいタイプなので」と役作りに対する姿勢を明かした。

瀬々監督は「犬とのふれあいが多かったし、それがいい影響を与えてくれてたような気がしました。多聞と触れ合うところで感情が出てくるというか、助けてくれてるというか」と補足すると、西野も「人間同士だと起こりえないような、言葉はないんですけど、目だけのやり取りとか、犬だけの特別な能力をすごい感じました」と、犬とのコミュニケーションが役作りにも活きていた様子。

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また、和正役の高橋文哉の話題になると、瀬々監督は「高橋くんは考えて作っていくタイプの俳優さんで結構、古風な役作りの人だなと。そんな西野さんとはまるで違うタイプの俳優さんが合わさってできた映画ですね」と印象を語った。さらに、瀬々監督は「普通の生活の大切さみたいなことを伝えたいなと思うことがあったのと、もう一つは生きる・死ぬというテーマを犬との関係の中で描いていけたらなと思って作った映画です」と本作に込めた想いも伝えた。

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撮影期間での多聞との触れ合いについて、西野は「結構クールな子でした。誰にでも“撫でて”って行くような子じゃなくて、現場での居住まいはほんと静かに凛としていて、役者さんですほんとに。待ち時間も同じように静かにすっと座って待ってました」と感心していた。

最後に、瀬々監督は「滋賀のすばらしさを改めて感じられると思いますし、実際のロケ地を巡るのも楽しいとだと思いますので、関西に馴染みの深い映画ですので、ぜひ堪能してください」と挨拶。

そして、西野は「心をほんとすり減らしながら、毎日悩みながら、でも、いいものを撮りたいという気持ちをみんな一つにして、(多聞を演じた犬の)さくらも一緒にみんなで一生懸命つくった作品です。どう思っていただくかは、みなさん1人1人違うと思いますので、それぞれ好きなように感じていただけたら嬉しいです」と涙ぐみながら本作への想いを語った。

そして、会場に集まった観客とともにフォトセッションも実施され、舞台挨拶は終了した。

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ストーリー
震災から半年後の宮城県仙台。職を失った青年・和正(高橋文哉)は、同じく震災で飼い主を亡くした一匹の犬・多聞(たもん)と出会う。聡明な多聞は、和正とその家族に瞬く間に懐き、一家にとって無くてはならない存在となるが、多聞は常に<西の方角>を気にしていた。そんな中、家族を助けるため、危険な仕事に手を染めてしまった和正は、やがて事件に巻き込まれ、その混乱の最中に多聞は姿を消してしまう――。
時は流れ、多聞は滋賀で悲しい秘密を抱えた女性・美羽(西野七瀬)の下で過ごしていた。多聞と過ごすことで、徐々に平和な日常を取り戻してく美羽の前に、多聞の後を追ってきた和正が現われる。こうして2人と1匹の新たな生活が始まるが、痩せ細った身体で傷ついた人々に寄り添いながらも、たった一匹で<西の方角>に向かって歩いていく多聞には、一人の少年と誓った約束があった――。

映画『少年と犬』
出演:高橋文哉 西野七瀬 伊藤健太郎 伊原六花 嵐 莉菜 木村優来(子役) / 栁俊太郎 一ノ瀬ワタル 宮内ひとみ 江口のりこ 渋川清彦 美保 純 眞島秀和 手塚理美 益岡 徹 柄本 明 / 斎藤 工
原作:馳星周「少年と犬」(文春文庫)
監督:瀬々敬久
脚本:林 民夫
企画・プロデュース:平野隆
主題歌:「琥珀」SEKAI NO OWARI(ユニバーサル ミュージック)
配給:東宝
(C)2025映画「少年と犬」製作委員会

公式サイト:https://shonentoinu-movie.jp/
公式X:https://x.com/shonentoinu_mv
公式Instagram:https://www.instagram.com/shonentoinu_mv

2025年3月20日(木・祝)公開

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