第28回釜山国際映画祭(10月4日~13日開催)のオープニングレッドカーペットイベントに、『月』(10月13日(金)公開)で主演を務めた宮沢りえと石井裕也監督が登壇した。
実際に相模原で起こった障害者殺傷事件を題材にした辺見庸による原作を石井監督が独自に再構成し、宮沢をはじめ、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみらが参加した本作は、同映画祭のジソク部門(Jiseok部門)に出品。会場は5,000人のアジア最大規模の会場のキャパシティを埋め尽くす人々で埋まり、オープニングは大盛況となった。また、ナビゲーターとして登壇したソン・ガンホがレッドカーペット上で石井監督、宮沢らとも握手を交わし、観客に大きくアピールした。
初めて釜山国際映画祭に参加した宮沢は、レッドカーペットを歩く前に「まだホテルの周りしか見れておりませんが、空港からホテルに着くまで文化的な伝統ある風景と、近代的なビルが混在していてとてもエネルギッシュな街だと思いました。あと、参鶏湯が美味しかったです(笑)」と初の映画祭への期待をのぞかせた。さらに、釜山映画祭は10年ぶりという石井監督は「釜山に来るときはいつも気分が高揚するので、今回も楽しみにしています」とコメント。
また、主人公を演じる上で宮沢は「洋子(宮沢が演じた役)が持っている様々な葛藤から逃げ出さずに、向き合い続けるということにとてもエネルギーが必要でしたし、時々逃げ出したくなることもありましたが、精神力を保つことが一番大変でした。でも監督のエネルギー、スタッフの誠実さ、そして頼もしいキャストの皆さんに支えられて逃げ出さずに来れたと思います」と作品に対する道のりを語った。
さらに、石井監督はこの題材を映画化することについて「チャレンジングな題材だということはわかっていたので、怖いという思いが先行しましたが、同時にこれはどうしても自分がやらなければならない映画だということは確信しました」と覚悟を持って作品に挑んだことを明かした。
ストーリー
そして、その日は来てしまった。
深い森の奥にある重度障害者施設。ここで新しく働くことになった堂島洋子(宮沢りえ)は“書けなくなった”元・有名作家だ。彼女を「師匠」と呼ぶ夫の昌平(オダギリジョー)と、ふたりで慎ましい暮らしを営んでいる。
施設職員の同僚には作家を目指す陽子(二階堂ふみ)や、絵の好きな青年さとくん(磯村勇斗)らがいた。そしてもうひとつの出会い――洋子と生年月日が一緒の入所者、“きーちゃん”。光の届かない部屋で、ベッドに横たわったまま動かない“きーちゃん”のことを、洋子はどこか他人に思えず親身になっていく。
しかしこの職場は決して楽園ではない。洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにする。そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくんだ。彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく――。
そして、その日はついにやってくる。
作品タイトル:『月』
出演:宮沢りえ
磯村勇斗
長井恵里 大塚ヒロタ 笠原秀幸
板谷由夏 モロ師岡 鶴見辰吾 原日出子 / 高畑淳子
二階堂ふみ / オダギリジョー
監督・脚本:石井裕也
原作:辺見庸『月』(角川文庫刊)
音楽:岩代太郎
企画・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
製作:伊達百合 竹内力 プロデューサー:長井龍 永井拓郎
アソシエイトプロデューサー:堀慎太郎 行実良
撮影:鎌苅洋一 照明:長田達也 録音:高須賀健吾 美術:原田満生 美術プロデューサー:堀明元紀 装飾:石上淳一 衣装:宮本まさ江 ヘアメイク:豊川京子 千葉友子(宮沢りえ) 特殊メイク・スーパーバイザー:江川悦子 編集:早野亮 VFXプロデューサー:赤羽智史 音響効果:柴崎憲治 特機:石塚新 助監督:成瀬朋一 制作担当:高明 キャスティング:田端利江
制作プロダクション:スターサンズ 制作協力:RIKIプロジェクト
(2023年/日本/144分/カラー/シネスコ/5.1ch)
配給:スターサンズ
公式サイト:tsuki-cinema.com
公式Twitter:@tsuki_movie
コピーライト:(C)2023『月』製作委員会
10/13(金)新宿バルト9、ユーロスペース他全国公開
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