【レポート】『Winny』完成披露試写会に東出昌大、三浦貴大、渡辺いっけい、吹越満、松本優作監督登壇!

Winny

ネット史上最大の事件ともいわれた禁断の実話を映画化、不当逮捕から無罪を勝ち取った天才開発者・金子勇さんの7年の道のりを描いた『Winny』(3月10日(金)公開)の完成披露試写会に、東出昌大、三浦貴大、渡辺いっけい、吹越満、そして松本優作監督が登壇した。

目次

映画『Winny』先行上映会舞台挨拶 概要

日時:2月14日(火) ※上映前イベント・観客あり
登壇者(敬称略):東出昌大、三浦貴大、渡辺いっけい、吹越満、松本優作(監督)
場所:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン2

革新的なソフト「Winny」を開発した金子勇役の東出。本作に出会う以前は、金子さんのことも事件のことも知らなかったため、取材をしながら役作りに励んだという。その過程で、金子さんについて「こんな天才がいたのかと驚いた。ここまで純粋無垢でプログラム愛に溢れた人が歴史と7年に渡る裁判の中に埋もれてしまったのかと」と衝撃を受けたことを語った。

そして、演じる上では「皆さんに金子さんを知ってもらいたい、金子さんが素晴らしいからこそ自分も金子さんになりたいという一心でお芝居をしました。体重を増やしたり、金子さんの遺品を借りたりしましたが、金子さんを知っている方々皆さんが嬉々として金子さんの話をしてくれて、その一つ一つが役作りに繋がりました」とその想いを明かした。

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サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光役の三浦は「壇さんが金子さんのことをどのように思っていたのか?それは壇さんからお話を伺う中で、壇さんの表情から金子さんへの思いが伝わってきたので、そこを大切に演じました」と回想。さらに裁判シーンの撮影に際しては、実際に裁判に関わった関係者を交えての模擬裁判が事前に行われたそうで、三浦が「実際の裁判記録に沿って壇先生がやってみせてくれたので、僕はそれを丸々コピーしようと思いました」と言うと、東出は「丸々コピーできるのが凄いですよ!」と絶賛した。

主任弁護士・秋田真志を演じた吹越は、関係者の証言や書物を熟読していたものの、模擬裁判について初耳だったといい「え?それいつやったの?なんで俺が知らないの?模擬裁判に参加していない僕が映っているの?」と驚きを見せていたが、東出は「吹越さんと渡辺さんは本番前の段取りから半端じゃなかった。その段階からカメラを回したいと思うくらい凄い!観客の皆さん、お楽しみください!」と語りかけた。

金子を不当逮捕する警察・北村役の渡辺は、金子を熱演した東出について「あの時の東出君は憑依していた。家宅捜査に入るときの金子さんの無防備さは、ヒールを演じながらも心中いたたまれなかった」と振り返った。そして、松本監督の手腕についても「細かく演出されていて、場面が緻密。しっかりエンターテインメント作品になっていて、監督の力量に舌を巻いています」と唸ることしきりだった。

さらにこの日は、登壇者へのサプライズとして、金子さんの実姉からキャスト、監督それぞれに向けたメッセージ入りの手紙が読み上げられた。


以下全文
本日は「Winny」映画完成披露上映会という貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございます。

弟は2013年7月6日に亡くなりました。今年の7月で弟が亡くなってから10年になります。そして、2004年5月に逮捕された日から約20年近くの月日が流れようとしています。
弟は大変穏やかな性格で、小さい頃から兄弟喧嘩はほとんどなく、仲良く過ごしてきました。私が弟と最後に話をしたのは、弟の42歳の誕生日でした。その日は、私は海外駐在のフライトのため成田空港近くのホテルにいました。
電話で、弟に「いってきます。次はブラジルで待っているね。」と会話をしたのを覚えています。しかし、次に会えたのは、病院で変わり果てた姿の弟でした。

【東出様】
弟とブラジルで再会することはできませんでしたが、映画の中の東出さんは弟が生き返ったようで、思わず涙が出てしまいました。そして、お墓詣りをしてくださり、お墓をぴかぴかに綺麗に掃除してくださったこと、一生忘れません。本当にありがとうございました。

【三浦様】
壇先生の役を三浦さんがされると聞いた時は、イケメンすぎるのでは?、、と思っていました。「あ、壇先生、ごめんなさい。。」でも、映画の中の三浦さんは、すっかり雰囲気が壇先生でした。すごい演技力だと思いました。

【吹越様】
裁判で一番の分岐点となった法廷の重要なシーンを目の前で拝見させていただき、セリフの抑揚や目線での表現が素晴らしく、身震いがするほど感動しました。

【渡辺様】
吹越さんとの法廷でのシーンで、するどい眼光や声の抑揚の変化だけで感情の揺れを表現されていて、本当に素晴らしい演技でした。あの名シーンを拝見できたこと、本当に嬉しく思いました。

【松本監督】
松本監督は、丁寧に取材を重ねて映画を作りあげ、絶妙なバランス感覚と包容力で、若い監督さんではありますが、お兄さんのような存在でした。色々と甘えさせていただき、本当にありがとうございました。


金子さん死去から今年7月で10年。撮影時の東出の姿を見た金子さんの実姉から「勇ちゃんがいる」と言われたという東出は「役者冥利に尽きる」としみじみしながら、手紙の感想については「お手紙をいただけるとは思ってもいなかったので…。あとで直接お礼を申し上げたいです」と目を真っ赤にして涙ぐんだ。

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最後に東出は「この裁判には7年の歳月がかかったけれど、勝者のない裁判でした。しかし誰も不毛だとは思っていないし、未来のためにと思って戦っていらした。その中に悲喜こもごもの思いがあり、人の生き方、何に命を賭けるのか、一筋縄ではいかないし簡単に説明ができないから一本の映画にしたりする。その7年の月日の熱量と信念を僕らは受け取って映画に焼き付けたいと思って、それがどうやら出来たと僕は思っています」と目を潤ませながら完成に自信を見せた。

松本監督も「この映画には、金子さんが生きた時間と弁護団の皆さんが戦った時間が刻まれていると思います。映画の中で起こっている出来事で今とリンクすることが沢山ある。この映画を観ていただき、今の時代を考えることに繋がってもらえたら嬉しいです」と期待を込めた。

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「Winny」とは――

BitcoinやNFTなどで使用されているブロックチェーン技術の先駆けと言われた「Winny」
金子勇氏(ハンドルネームは47氏)が開発したファイル共有ソフトで、インターネット上でつながった複数のパソコンでファイルを共有する分散ファイルシステムの技術を使用したソフトである。当時ではあまり利用されていなかったP2P技術を発展させ、データをバケツリレー方式で転送するため、匿名性が非常に高かった。

金子氏が電子掲示板サイト「2ちゃんねる」上で「Winny」を公開すると瞬く間にユーザーは増え、ピーク時は200万以上の人が使用していたと言われている。その匿名性の高さから映画やゲーム、音楽などの著作物データが許可なく流通し、著作権侵害の温床と指摘され問題となった。また、その特性を悪用したウイルスも流行。感染すると意図しないデータが流出してしまい、警察や自衛隊の内部資料、企業の顧客情報や個人所有のファイルなどが漏えい。漏洩したファイルは多数のパソコンにコピーが残ってしまい回収不能となり、当時の安倍官房長官は会見を開き「情報漏洩を防ぐ最も確実な対策は、パソコンでWinnyを使わないことです。」と呼びかけるなど社会問題となった。

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イントロダクション
2018年に開催された「ホリエモン万博 CAMPFIR映画祭」の“映画企画クラファン大会”でグランプリに輝いたことを起点とする本作。企画したのは、スマートキャンプやHIRAC FUNDを立ち上げ、現在Web3・NFT領域で新たにNFIGUREを起業している古橋智史。古橋は、以前から日本のテクノロジー発展に寄与したいという思いがあり、「出る杭が打たれない社会を」というテーマで本作を企画した。メガホンを取るのは、自主映画『Noise ノイズ』(19)にて海外映画祭で高い評価を受け、現在公開中の『ぜんぶ、ボクのせい』で商業映画デビューを果たし、今後の作品が期待される松本優作。これまで現代社会で生きていくことの難しさをリアルに描いてきた松本監督が、金子氏の考えに共鳴、本作を作り上げた。

作品タイトル:『Winny』
出演:東出昌大 三浦貴大
皆川猿時 和田正人 木竜麻生 池田大
金子大地 阿部進之介 渋川清彦 田村泰二郎
渡辺いっけい / 吉田羊 吹越満
吉岡秀隆
監督・脚本:松本優作
企画:古橋智史 and pictures プロデューサー:伊藤主税 藤井宏二 金山
撮影・脚本:岸建太朗 照明:玉川直人 録音:伊藤裕規 ラインプロデューサー:中島裕作 助監督:杉岡知哉
衣裳:川本誠子 梶原夏帆 ヘアメイク:板垣実和 装飾:有村謙志 制作担当:今井尚道 原田博志 キャスティング:伊藤尚哉
編集:田巻源太 音響効果:岡瀬晶彦 音楽プロデューサー:田井モトヨシ 音楽:Teje×田井千里
制作プロダクション:Libertas 制作協力:and pictures
製作:映画「Winny」製作委員会(KDDI Libertas オールドブリッジスタジオ TIME ナカチカ ライツキューブ)
2023│127min│color│CinemaScope│5.1ch
配給:KDDI ナカチカ

公式サイト:winny-movie.com
公式Twitter:@winny_movie
公式Instagram:@winny_movie_official
コピーライト:(C)2023 映画「Winny」製作委員会

3月10日(金)TOHOシネマズほか全国公開

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