映画『余命10年』(3月4日(金)公開)のジャパンプレミアが行われ、W主演の小松菜奈、坂口健太郎、そして劇中で彼らを優しく包み込む役柄を演じた山田裕貴、奈緒、黒木華、原日出子、松重豊、さらに藤井道人監督ら豪華俳優陣・監督が登壇した。
本作は、“涙よりも切ない”恋愛小説として、発売以来SNSを中心に反響が広がり続けている原作ベストセラーを、『新聞記者』『ヤクザと家族The Family』の藤井道人監督が映画化。20歳で不治の病にかかり、もう恋はしないと心に決めた茉莉(小松菜奈)。生きることに迷いながらも茉莉と出会い、恋に落ちていく和人(坂口健太郎)。彼らの人生が交わるとき、ありふれた毎日が嘘みたいに輝き出す―― 茉莉と同じく難病を抱え、小説の文庫化を待たずして亡くなった著者の想いを引き継ぎ、実力派の2人が全身全霊で演じる感動作だ。また、実写映画としては初めて、RADWIMPSが全編にわたり音楽・主題歌を手掛けている。
映画『余命10年』ジャパンプレミア 概要
日時:1月24日(月)
登壇者(敬称略):小松菜奈、坂口健太郎、山田裕貴、奈緒、黒木華、原日出子、松重豊、藤井道人監督
場所:丸の内ピカデリー2
舞台挨拶は、小松が「この企画のお話しを頂いた時から…本当に色々な物語があって完成し、今こうしてこの舞台に立っていることを嬉しく思いますし、感無量です。この1年みんなで前を向いて生き続けました。映画『余命10年』が沢山の人に届くように、届いて欲しいと心から願っています。この日を迎えられて幸せです」と、涙を流しながら作品への想いを語りスタートした。
色鮮やかな四季の移ろいと共に約1年の月日をかけてじっくり撮影された本作。中でも、茉莉と和人の恋の始まりを描いた印象的な夜桜のシーンについて聞かれた小松は「あの桜のシーンは和人と茉莉の関係が始まっていく爽やかなシーン。私は茉莉と和人が『何がきっかけで惹かれ合ったのか?』を明確にしていない所が凄く好きです。『この人と一緒にいたいな』とか『この人を守りたいな』とか、この人の笑顔をずっと見ていたいっていう気持ちが茉莉の中にはあって。和人の屈託のない笑顔が茉莉にとっての救いだったんだなと思えるようなシーンでした」と“高林茉莉”を演じていた撮影当時を振り返った。
その茉莉と出会い自らの運命をも変えていく“真部和人”を演じた坂口も「この作品は桜が凄く印象的なところで映っていて、夜桜のシーンは風が吹いて、目が合って、凄く2人の美しい関係性のスイッチが入ったような気がしました。四季の美しい映像を美しい作品の中に、僕らもそこに身体を預けて撮影できたので、景色に感情移入しちゃうような感覚の中で撮影していましたね」と笑顔で当時を懐かしんだ。
そして、1年をかけての撮影に臨んだことについて小松は「茉莉という役を演じ終えた後は抜け殻状態で燃え尽きました。すぐに次の仕事には進めないくらい不思議な時間でした。自分の人生と役の人生が重なって、ふたつの人生を歩み続けたのは今までになかったですし、凄く大好きな現場でしたし、皆さんと一緒にひとつの大切な作品を作れたのはかけがえのない、自分にとって凄く宝物になりました」と演じた役柄と作品への想いを語った。
また坂口は「4人(小松、山田、奈緒)でのシーンは楽しい撮影が多かったですね。今回、時間の経過を丁寧に映し出しているシーンがあって、そこではちゃんと時間の経過を4人でお芝居をしていて感じることが出来たんですよ。楽しく撮れましたね。僕がトランプで負けまくったんですよ、絶対に勝てないババ抜きをしたり(笑)」と楽しかった思い出を明かした。
さらに小松が「タケル(山田)がお花見のシーンで『桜も満開、俺も満開!』って言っていて凄く笑いましたね。タケルの存在って4人の中でも大きかったです。アドリブとか大変だったと思うんですけど、常に笑わせてくれました」と山田の撮影中のエピソードを暴露。すると、山田は「台本の文字量より、アドリブの方が多かったですね(笑)」と返し笑いを誘った。
そして奈緒も「本当に楽しかったです!1年かけてこの作品を撮っているので、桜の時期にお花見をするとか、夏に海に行ったりとか、友達と1年を通して行事を集まって遊んでいるという感覚がありました!」と劇中さながら和気藹々としたエピソードを披露した。
そんな仲の良い友人たちと同様に、茉莉を支えた姉の“高林桔梗”、母親“高林百合子”、父親“高林明久”をそれぞれ演じた黒木、原、松重の3人は藤井監督と話し合いを重ね、高林家を作っていったという。
原は「四季を追ってゆっくり撮影することは最近少なくなってきましたね。1年をかけて10年を表現する。気持ちを作るのに時間が沢山あったので感謝しています。家族は苦しい時間も過ごしましたけれど、元々この家族はお父さんを中心とした暖かい家庭。役作りが要らないくらい娘たちが可愛いくて、松重さん演じるお父さんも優しくてスッと家族になることができましたね」と本当の家族のような絆があったと振り返った。
また、松重も「本当に女性3人が家族という空気感で迎えてくれて、時間の経過を丁寧に映し出している家族シーンはスクリーンの中では一瞬かもしれませんが、実際は監督が丁寧に撮影してくださっているので、僕らの中でも家族としての時間を過ごすことが出来ましたよね。家族としてのドキュメンタリーが撮れたと思います」と高林家を丁寧に撮影した藤井監督への感謝と作品への想いを明かした。
そして、本作が小松演じる茉莉が余命10年をどう精一杯に生きて愛したかを描いていることにちなみ、【これからの10年間でやっておきたいこと】を答えるコーナーに。
まず松重が【出家】と回答し、「この年になってくると余命10年というか、余生10年。色々なことが終わったら、お寺が好きなのでお坊さんになるの良いなって思っています。最初から変化球ですみません(笑)」とキャスト陣が笑ってしまう一幕も。
続けて原は、【ボイストレーニング】と発表し、「歌ってみようかなって。最近やりたいことを我慢しなくなったんです。時間ってあっという間に過ぎてしまう。10年あると、イチから始めても10年後には形になっていると思うので、今から10年後の72歳の時にライブでもやれたら良いなって思っています。まだやりたいことが沢山あるんです」とコメント。
黒木は【世界旅行】と明かし、「今は色々な所に行けないのですし、体力も落ちていくのでまだ動けるうちに世界を見ていきたいなって思っていて、世界一周とか出来たら良いなって思います」と回答。
そして、奈緒は飼っている愛犬の【魚ちゃんとの思い出を沢山作る】で「犬の1日が人の1週間くらいというのを聞いたことがあって、夏には海に連れて行ったり、この間は雪の上を歩かせて固まっていたりと、私は色々知っていますけど、魚ちゃんは何も知らないので魚ちゃんとの初めてをこの10年間で沢山作っていきたいです」と愛犬との思い出作りをしたいと回答した。
また、山田は【変化を恐れない】と答え、「自分の決めた信念とか、誰かに言われたことを守るのも大切ですけど、変化することで、良い進化が起きる可能性もあるので。そうした良い意味での変化を恐れずに進む勇気をこの10年間で持って一歩一歩進んでいきたいですね」とコメント。
坂口の回答は【断捨離】、「ちょうど30歳で、沢山お仕事を頂いて、勝手に変なメッキを付けていることがあるんですよね。10年後はちょうど40歳。それまでに手放せる力が必要かなと思っていて、これからもお仕事をしていく中で、自分に付いてしまったメッキをいつでも捨てられる考えでいられるようにしたいですね」と語った。
そして小松は【日本一周】と回答、「まず日本を知らないので、日本を知っていくことから始めたい。日本には沢山の魅力がありますよね。そこで会う人とか、色々な話を色々な人から聞きたいです。日本の良いところを知っていきたいです」とコメントした。
最後に、本作の公開が3月4日という春先の時期であることにちなみ、登壇者にはサプライズとなる桜の開花がMCから宣言されると、劇中でも印象的な満開の桜のシーンさながらピンク色のライトに会場が照らされた。幻想的な光景が広がるこの演出に、ステージ上の登壇者からも驚きの声が上がった。
そして、藤井監督は「久しぶりに皆と会って、1年間大変だったことも皆で乗り越えたと感じました。何かひとつでも皆さんの心の中に残ってもらえたら嬉しいです。この映画は皆さんの心に寄り添ってちょっとでも日常が豊かになってもらえるようにと命を懸けて作りました」と客席へメッセージを贈り、ジャパンプレミアは盛況の中幕を閉じた。
ストーリー
20歳で不治の病にかかり、もう恋はしないと心に決めた余命10年の茉莉。生きることに迷い、自分の居場所を見失った和人。同窓会で再会した2人は惹かれあい、ありふれた毎日が嘘みたいに輝き出す。思い出の数だけ失われていく時間――彼らが最後に選んだ道とは?
作品タイトル:『余命10年』
出演:小松菜奈、坂口健太郎
山田裕貴、奈緒、井口理 / 黒木華
田中哲司、原日出子、リリー・フランキー / 松重豊
監督:藤井道人
脚本:岡田惠和 渡邉真子
原作:小坂流加「余命10年」(文芸社文庫NEO刊)
音楽・主題歌:RADWIMPS「うるうびと」(Muzinto Records / EMI)
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:yomei10-movie.jp
公式Twitter:@yomei10movie
公式Instagram:@yomei10movie #余命10年
コピーライト:(c)2022映画「余命10年」製作委員会
3月4日(金) ROADSHOW
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