【レポート】『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019』延べ来場者数11,699人で閉幕!各部門グランプリ発表!!

平成最後の開催、そして冬に開催される最後の『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019』が、3月10日(日)にフィナーレを迎えた。メインイベントは、ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門(審査員/白石和彌、マーク・シリング、冨永昌敬、長谷直美)&インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門(審査員/久保直樹、沖田修一、安藤桃子)のグランプリほか各賞の発表。
クロージングセレモニーにて、オフ6作品、ショート15作品から以下の作品の受賞が発表された。

ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門
(グランプリ)
「されど青春の端くれ」68分54秒)
監督・脚本/森田和樹
賞状/トロフィー/次回作支援金50万円

森田和樹
1988年9月22日生まれ、鳥取県出身、東京在住。2016年にニューシネマワークショップを卒業。実習作品「春を殺して」が全国多数の映画祭に入賞・受賞。その後の作品:「戯言」「メーキング」。「されど青春の端くれ」は、本映画祭が初のコンペ出品となる。

受賞コメント
2年前に難病になって入院し、映画作りを辞めようと思ったこともあったが、続けていて良かった…(涙ぐむ)。入院中、天井ばかり見つめていて「これじゃだめだ」と思ったときに構想した物語です。まだ「(高く)評価される」という域には達していないのは分かっています。でも「作りたい!」という「衝動」が審査員の方々に伝わったのはうれしい。これからもっと評価される作品を作っていきたいと思います。(次回支援金は)青春映画が大好きなので、次回作は青春スプラッタを考えています。

監督コメント
白石和彌
映画としてはまだ未熟な部分もあり、技術的にも高めていく必要はありますが、「映画を撮りたい!」という「衝動」が一番ストレートに伝わってくる力のある作品で、そこを評価しました。審査員全員が「(グランプリなら)この作品だよね」と感じていました。

北海道知事賞
「桃源郷的娘」監督・脚本/桃源郷的娘

審査員特別賞
「赤い原罪」監督・脚本/ムン・シング

 

インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門
(グランプリ)
「極東ゲバゲバ風雲録」(28分23秒)
監督・脚本/中島悠作
賞状/トロフィー/次回作支援金20万円

中島悠作
1994年11月1日生まれ、宮城県出身、実家在住。立命館大学映像学部卒業。酒造りのバイトをしながら、個人的活動「印度之会」にて新作のパイロットフィルムを製作中。

受賞コメント
ありがとうございます。とてもうれしいです。

審査員コメント
沖田修一

安藤桃子さんが「愛おしい、ぎゅっと抱きしめたい作品!」と、それはもう大絶賛していました。個性的な作品ぞろいでしたが、僕としても中でも飛び抜けた個性で忘れられないものを(グランプリに)選びました。

優秀芸術賞(3作品)
「MoonDrops」監督/ヨーラム・エヴァー・ハダニ
「5つ目の記憶」監督/小野寺しん
「M&A」監督/宮城伸子

 

ファンタランド大賞(観客賞)
グランプリ
「いつくしみふかき」

イベント賞
「斎藤工セレクション&アニメワークショップ」

ゆうばり市民賞
「第1回ゆうばり怪獣自主映画まつり」

人物賞
「安井謙太郎」(ジャニーズJr./「ニート・ニート・ニート」

シネガーアワード(批評家賞)
「されど青春の端くれ」監督・脚本/森田和樹
ダブル受賞

目次

クロージング招待作品の上映に続き、クロージングセレモニー 15:30〜開催

歓迎セレモニーからクロージングまでの4日間と、札幌で開催した「サテライト会場」(3月2日・3日)、関連イベントとして北広島(7日)・夕張(8日・9日)で開催した「FIGHTERSTHEMOVIE~ChallengewithDream~」上映会の全てをあわせ、「ゆうばりファンタ2019」の動員は延べ11,699人となった。

4日間にわたる「ゆうばりファンタ」は、クロージング招待作品「レゴ(R)ムービー2」の上映をもって、全作品の上映を終了。引き続き行われたクロージング・セレモニーで、各賞が発表された。
小網敏男・映画祭実行委員長が「126年もの間、石炭と住民たちと共に懐かしい思い出を運んで、この3月で廃線になる鉄道(夕張線)」に対し、「ありがとう」と感謝を述べ、「夏に新たな映画祭が始まる」ことへの期待を語って始まったセレモニー。

深津修一エグゼクティブ・プロデューサーは、今年のキャッチコピー「ファンタを止めるな」に込めた想いに言及し、映画祭を永く「止めない」ための展開として夏の開催になる来期について、より会期内のイベントを増やし、「フェス」感覚を強める展望を解説。夕張が、「メロンと映画のマチ」として活性化することを望むと語った。
また、映画祭自体の内容については、「招待作品とコンペ作品が両輪となっているのがゆうばりファンタ。片方欠けてはダメだと思っています」と、新進クリエイターの登竜門としてのカオは持ち続けていく方針を述べた。

黄色いハンカチに、込められた想い・・・・映画祭の中にあった、もうひとつのドラマ

今年の映画祭には、キラ星のごとき上映作品たちにも負けない、もうひとつのドラマがあった。クロージングセレモニーで、来場者に贈られた1枚の黄色いハンカチ。これは会期のわずか2日前に、映画祭事務局へ送られてきた箱に大量に入っていたものだという。

添えられた手紙には、こう記されていた。
“この「しあわせの黄色いハンカチ」は、私の父が昭和56年10月に夕張新鉱のガス突出事故があった後に、新鉱再建運動の資金とするためにデザインし、制作したものです。”

夕張出身の女性が家の片付けをしているとき見つけたもので、元・夕張の炭鉱マンだった父親の「夕張にゆかりのある方々にもらってほしい」という希望をくみ、「映画祭に来てくださった方々にお配りください」と送られたものだった。
夕張のマチの活気をよみがえらせたいとの想いは、本映画祭にも通じるもの。いきさつを知った映画祭事務局により、黄色いハンカチは、ゲストやスタッフ、そしてクロージングの来場者達に贈られ、 感動的なセレモニーで幕を閉じた。

 


ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019
公式サイト:http://yubarifanta.com(PC・モバイル共通)
Twitter:https://twitter.com/yubarifanta/
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