2018年5月19日(土)より、映画『サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-』がシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開することが決定。
本作は、2011年、雑誌「FACTA」のスクープと英国人元社長マイケル・ウッドフォード氏の不当解雇により、明るみになったオリンパス損失隠蔽事件の内幕に迫る長編ドキュメンタリー作品である。
日本有数の大企業の一つとして、創業100年近くもの歴史を誇るオリンパスで何が起きたのか?英国SFO(重大不正捜査局)や米FBI(連邦捜査局)を巻き込み、世界のメディアでも大々的に報道され、日本社会の隠蔽体質だけでなく、ジャーナリズムのあり方までも浮き彫りにするー。このたび、本作の公開を記念して、『サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-』全国共通鑑賞券を3組6名様にプレゼント!皆様のご応募を心よりお待ちしております。
『サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-』全国共通鑑賞券プレゼント
【当選者数】 3組6名様
【応募締切】 2018年5月10日(木)
プレゼントは終了いたしました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました!
マイケル・ウッドフォード氏
隠蔽、欺瞞、嘘、忖度…そして真実は闇に葬られた――
内部告発した元オリンパス代表マイケル・ウッドフォード氏自身の体験談を中心に、雑誌「FACTA」で事件をスクープした山口義正記者、海外メディア報道の火付け役となったフィナンシャル・タイムズのジョナサン・ソーブル記者などの事件当事者のインタビューを交え事件の全貌に迫る。20年以上に及ぶ不正経理が如何にして暴かれていったのかを解剖しつつ、日本の現実と企業のあり方に鋭くメスを入れる。
監督は、短編がロッテルダム映画祭やトライベッカ映画祭などの数々の国際映画祭で評価され、本作が長編デビューとなる山本兵衛。音楽には、Saycetとして来日公演も行なっているフランスのエレクトロニカ・アーティスト、ピエール・ルフェブが初のサントラを担当している。ヨーロッパで放映され大反響を呼んだ問題のドキュメンタリーが遂に日本上陸。併せてピーター・バラカン氏よりコメントが到着した。
ピーター・バラカン/ブロードキャスター
これは一つの企業の不祥事ではなく、日本社会全体が抱える深い問題への提言です。
日本のメディア、報道の在り方に刃を突き付ける
オリンパス損失隠蔽事件について、当時日本メディアで大きく報道される事はなかった。しかし海外メディアでは大々的に報道され、高い関心を持って報道されていた。グローバル化が進む現代において、なぜ日本のメディアは「忖度」し、「自主規制」を課していくのか。そして事件の「その後」を報道せず、全てが風化し「なかった事」にし、「忘れていく」メディアの在り方、国民の「無関心」さをあぶりだしていく。
過去の企業スキャンダルを通して、日本の社会構造に斬り込む
日本有数の大企業の一つとして、創業100年近くもの歴史を誇るオリンパスで何が起きたのか?20年以上に及ぶ不正経理が、如何にして暴かれていったのかを解剖しつつ、日本社会に蔓延する絶対的肯定に裏付けされた忠誠心、権威に対する脆弱な態度、そして偏狭的なまでの価値感に鋭くメスを入れる。あらゆる分野でグローバル化が謳われる中、確実に取り残されていく日本に、適応する余地はあるのか?
「共謀罪」法が成立し言論の自由が揺るがされ、森友学園問題、加計学園問題などいまだ隠蔽体質がはびこる日本の社会構造。様々な問題が浮き彫りになるにも関わらず、選挙の投票率は下がる一方で日本国民の危機感のなさ、関心のなさは顕著である。信念と勇気を持って立ち上がったサムライ達と、疑問を抱くことなく卑怯にも不正を幇助したイディオット(愚か者)達。これはその戦いの記録である。
マイケル・ウッドフォード氏、国内外のジャーナリストの目を通し多角的に分析!
バブル時代以降、1997年の山一證券崩壊、アメリカ史上最大の企業破綻となった2002年のワールドコム破錠、2004年のカネボウ粉飾決算事件、2006年のライブドア事件、そして世界的金融危機の発端となった2008年のリーマン・ショックなど、次々と金融界を揺るがした経済スキャンダルの一つとして新しいページを刻むことになったオリンパス事件。内部告発した元オリンパス代表マイケル・ウッドフォード氏や、雑誌FACTAで事件をスクープした山口義正記者などの事件当事者だけでなく、金融アナリスト、政治家、企業家、経済エコノミスト、海外ジャーナリストなどのインタビューを交え、歴史的な背景も踏まえて事件の全貌に迫る。ひとつの事件を多角的な視点からみつめる事で、真実を導き出し、観客に問いかけを投げかけていく。
月刊FACTA 編集長 阿部重夫氏
ジャーナリスト 山口義正氏
英フィナンシャルタイムズ紙 東京駐在記者 ジョナサン・ソーブル氏
修行僧、執筆・翻訳業 和空 ミラー氏
国内外の先鋭スタッフが終結し、待望の日本公開!
監督は、短編がロッテルダム映画祭やトライベッカ映画祭などの数々の国際映画祭で評価され、本作が長編デビューとなる山本兵衛。プロデューサーには、BBCのプロデューサーで『マン・オン・ワイヤー』ではアカデミー賞を授賞し、100本以上のドキュメンタリーを手がけているニック・フレイザーや、日本から『TAIZO~戦場カメラマン・一ノ瀬泰造の真実~』(2003)などのドキュメンタリーも意欲的に手がけている奥山和由を迎え、世界を代表する放送局BBC(イギリス)、ARTE(フランス)、ZDF(ドイツ)、SVT(スウェーデン)、DR(デンマーク)が協力し、国際共同制作として完成。音楽には、Saycetとして来日公演も行なっているフランスのエレクトロニカ・アーティスト、ピエール・ルフェブが初のサントラを担当している。ヨーロッパで放映され大反響を呼んだ問題のドキュメンタリーが遂に日本上陸。
オリンパス損失隠蔽事件とは
世界に誇る技術力を持つオリンパス。1990年代バブル期に財テクに力を入れた事で損失が膨らみ、海外ファンドなどに移し替える「飛ばし」(※)を1998年に始めた。過去の企業買収時に支払った約1400億円の巨額マネーは、この損失隠しに利用されていた。20年近くに渡り隠蔽されていた損失隠しは、2011年に月刊「FACTA」で掲載された山口義正記者による不正告発記事が、当時社長だったマイケル・ウッドフォード氏の目に止まり、前社長で当時会長だった菊川剛氏に説明を求めたところ、突然解任されたことで不正の存在が表面化世界の株式市場に激震を走らせた。
過去の粉飾事件で摘発された会社が巨額の損失を抱えていたのと比べ、オリンパスは既に損失の穴埋めが完了し、業績も好調であった。一部の経営陣が中心となり、外部協力者が飛ばしの受け皿なるファンドを設立し、損失穴埋めのための企業買収にかかわって、多額の報酬を受け取っていた事が確認されている。
2011年12月21日、東京地検特捜部と警視庁捜査二課、証券取引等監視委員会の三者合同という異例の体制で強制捜査に着手。特捜部は、オリンパスの菊川前社長(元会長)、森前副社長、前常勤監査役、証券会社の元取締役の4名を、警視庁捜査二課が、投資会社の社長、取締役、元取締役の3名を、金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載罪)でそれぞれ逮捕した。
2013年7月、東京地方裁判所は菊川前社長に懲役3年執行猶予5年(求刑:懲役5年)、森副社長に懲役3年執行猶予5年(求刑:懲役4年6月)、前常勤監査役に懲役2年6月執行猶予4年(求刑:懲役4年)、法人であるオリンパスに罰金7億円(求刑:罰金10億円)の判決を言い渡した。
※飛ばし:会社が保有する有価証券などが値下がりして損が生じた際、グループ外非連結子会社に、含み損を抱えたままの実態よりも高い価格で一時的に売り渡す手法。会社本体は損失を出さず、損を社外に“飛ばす”事に由来している。決算で損失が表面化するのを避ける為、決算期をまたいでの「飛ばし」が多かった。バブル崩壊後の1990年代前半に相次いで表面化して問題となった。現在、粉飾決算の一つとして金融商品取引法で禁じられている。
作品タイトル:『サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-』
第29回FIPA 国際テレビ映像フェスティヴァル(フランス)
2016年Escalesドキュメンタリー映画祭(フランス)
2016年ダラス・アジアン映画祭—審査員賞(アメリカ)
2016年DOC EDGE映画祭(ニュージーランド)
第7回座・高円寺ドキュメンタリー映画祭(日本)
監督・編集:山本兵衛
企画:チームオクヤマ
制作:VESUVIUS/POINT DU JOUR
共同制作:ZDF(ドイツ)ARTE(フランス)BBC (イギリス)SVT(スウェーデン)DR (デンマーク)
エグゼクティブ・プロデューサー:奥山和由 キャサリン・ブリンクマン ニック・フレイザー ケイト・タウンゼント アクセル・アルノ メッテ・ホフマン・メイヤー
プロデューサー:リュック・マルタン・グセ 山本兵衛
共同プロデューサー:デボラ・バリヤス
撮影:関根靖享
カラリスト:ギレルモ・フェルナンデス
音楽:ピエール・レフェブ(Saycet)
2015|ドイツ・フランス・イギリス・日本・デンマーク・スウェーデン共同制作|カラー|DCP|5.1ch|79分|16:9
配給・宣伝:太秦
公式サイト:www.samurai2018.com
コピーライト:(c)チームオクヤマ/太秦
2018年5月19日(土)よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開!