古川日出男×管啓次郎×小島ケイタニーラブ×柴田元幸の朗読劇「銀河鉄道の夜」9/29(土)-30(日) 東京公演決定!

銀河鉄道の夜

不朽の名作「銀河鉄道の夜」を小説家・古川日出男が、オリジナル脚本化、「小説家」「詩人」「音楽家」「翻訳家」が作り出す、まったく新しい「宮澤賢治の世界」誕生から7年、東北はじめ全国20ケ所で進化を続けた朗読劇、待望の東京公演が決定した。

宮澤賢治の不朽の名作を小説家・古川日出男が独自の視点でオリジナル脚本に仕上げた朗読劇『銀河鉄道の夜』。自らの渾身の朗読に、詩人・管啓次郎の書き下ろしの詩、音楽家・小島ケイタニーラブの音楽と歌、そして翻訳家・柴田元幸のバイリンガル朗読が加わり、枠を越えた個性のぶつかりあいから生まれた、まったく新しい「賢治」の世界。
2011年以降7年にわたって、東北をはじめ全国20箇所で上演され、しなやかに変容を続けてきたこの朗読劇が、今秋、東京・世田谷美術館のパフォーマンスシリーズ「トランス/エントランス」にて上演が決定、古川日出男よりコメントが到着した。

「トランス/エントランス」は2005年にスタートした、世田谷美術館のエントランス・ホールで展開する実験的なパフォーマンスシリーズ。アール(曲線)を描く吹き抜けの天井や、大理石の大階段などからなる独特な空間と対話し、また美術館という場の意味や歴史にもインスピレーションを求めながら、アーティストたちが冒険心あふれる作品を生み出している。
第16回目となる、ダンスの多かった本シリーズとしては異色の「朗読劇」の上演で、ひとりひとりの身体に埋め込まれた記憶、その忘却と再生、死者たちとの対話に誘う。古川が昨年2017年末の八戸公演、今年1月の南相馬公演のために新たに書きおろした脚本で、4年ぶりの東京、晩夏の公園、その一隅にある世田谷美術館から、新たに「銀河鉄道」を発車する。個性のぶつかりあいから生まれた、まったく新しい「賢治」の世界を、ぜひお楽しみいただきたい。

古川日出男のコメント
あなたが宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を知っていようが知っていまいが、原作の『銀河鉄道の夜』を読んでいようが読んでいまいが、それは、どうでもいいのです。なぜならば、この朗読劇は、宮沢賢治のそれを「生まれ変わらせて」「そこに出現させる」ものだから。2011年12月に出発して、全国のほんとうに各地を回ってきた朗読劇だから、まるで空間を移動しつづけたように思えるけれども、それだけではないのです。
2011年12月に出発して、時には息もたえだえになりながら走りつづけて、もう2018年9月になるのですから、時間も移動してきたのです。むしろ7年間という時間を(空間ともども!)貯めてきたのです。
宮沢賢治の描いた「銀河鉄道」には、その沿線にプリオシン海岸なるものがあって、その波打ち際に、レールを敷ければと願っています。鉄道線路を、その渚に、夜の美術館のために。銀河鉄道の夜の、美術館のために。〈入口〉に。
――古川日出男

 

目次

世田谷美術館パフォーマンス・シリーズ「トランス/エントランス」vol.16
朗読劇『銀河鉄道の夜』

古川日出男・管啓次郎・小島ケイタニーラブ・柴田元幸

日時:2018年9月29日(土)・30日(日) 19:30開場 20:00開演
会場:世田谷美術館エントランス・ホール(東京都世田谷区砧公園1-2)
定員:各日約90名
料金(予約/当日とも):一般3,000円/大学生1,500円(高校生以下無料、未就学児のご入場はご遠慮下さい)/立ち見2,000円

予約:2018年8月1日(水)10:00 より受付
web予約=世田谷美術館ホームページ 申し込みフォームより
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/event/
電話予約=世田谷美術館 03-3415-6011

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2018年1月20日・南相馬公演より(撮影:朝岡英輔)

出演者プロフィール

古川日出男(ふるかわ・ひでお)
1966年生まれ。小説家。主な著書に『馬たちよ、それでも光は無垢で』(新潮文庫)、『LOVE』(新潮文庫、三島由紀夫賞)、『ベルカ、吠えないのか?』(文春文庫)、『アラビアの夜の種族』(角川文庫、日本推理作家協会賞・日本SF大賞)、『聖家族』(新潮文庫)、『南無ロックンロール二十一部経』(河出書房新社、鮭児文学賞)、『女たち三百人の裏切りの書』(新潮社、野間文芸新人賞・読売文学賞)。戯曲に『冬眠する熊に添い寝してごらん』(新潮社)、古典からの現代語訳に『平家物語』(河出書房新社)。最新刊は『ミライミライ』(新潮社)。
http://furukawahideo.com/

管啓次郎(すが・けいじろう)
1958年生まれ。詩人、比較文学者、明治大学教授。主な著書に『コロンブスの犬』『(河出文庫)、『斜線の旅』(インスクリプト、読売文学賞)、『野生哲学 アメリカ・インディアンに学ぶ』(小池桂一との共著、講談社現代新書)など。2011年、野崎歓とともに『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)を編集。詩集に『Agend’Ars』4部作、最新作は『数と夕方』(すべて左右社)。最近の訳書に、ル・クレジオ『ラガ 見えない大陸への接近』(岩波書店)、エイミー・ベンダー『レモンケーキの独特なさびしさ』(角川書店)
http://monpaysnatal.blogspot.jp

小島ケイタニーラブ(こじま・けいたにーらぶ)
1980年生まれ。音楽家。これまでにミニアルバム『小島敬太』(HEADZ)、フルアルバム『It’s a cry run.』(スイッチ・パブリッシング)を発表「NHK みんなのうた」にて楽曲「毛布の日」を制作した他、日テレ・読売テレビ系列「遠くへ行きたい」主題歌やミスタードーナッツCM『ドレミの歌』の歌唱など多数。2018年5月、プロデューサーにゴンドウトモヒコを迎え、フルアルバム『はるやすみのよる』を愚音堂/SPACE SHOWER MUSICよりリリース。2018年より活動拠点を中国に移す。
http://www.keitaney.com

柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年生まれ。翻訳家。文芸誌「MONKEY」編集長。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、トマス・ピンチョン、エドワード・ゴーリー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソンなど多数の現代アメリカ作家を翻訳。最近の訳書にレアード・ハント『ネバーホーム』(朝日新聞出版)、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社)など。

朗読劇『銀河鉄道の夜』WEB:http://milkyway-railway.com/

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